ハワイの水族館 @Sea Life Park Hawaii
ハワイにある水族館、「シー・ライフ・パーク」に行ってきました。
概要
シー・ライフ・パークは、オアフ島の東端の海沿いに位置しています。ワイキキの中心部からは車で40分程度です。
ワイキキの主要ホテルから有料直通バスも出ているそうですが、今回はUberを利用しました。行きが35ドル程、帰りは遠方からの迎車になり45ドル程でした(帰りは車が捕まりにくかったり、そもそもスマホの電波が入りにくいので注意かも)。
運転に慣れている方ならレンタカーでもいいかもしれません。道中に絶景スポットがたくさんあるので、立ち寄りながらドライブを楽しめそうです。
水族館近辺には岩肌剥き出しの海岸や島の浮かぶ海が広がっています。ワイキキ周辺とは波の様子や海水の色も異なって見え、つい感嘆の声が出るほど美しかったです。


日本人はまったくいません

到着してすぐ、イルカショーの時間でした。ドルフィン・ラグーンに急ぎます。
事前にチェックしていなかったのですが、イルカショーは一日一回だけの開催でした。危なかった…。
ドルフィン・ラグーン


すばらしい景観のプールです

右手と奥に区画されたプールがあります

かなり広いプールです。約450万リットルの海水はすぐそこの海から4〜5時間ごとに取り入れられており、新鮮で良い状態を保っているそうです。
ショーの最初に、トレーナーさんからの解説が入ります。
ハワイ語でイルカは「Nai‘a(ナイア)」と言うそうです。彼らのためには、ただお世話をするだけでなく「オハナ(家族)」にならなくてはならないんだ…というお話をされていました。
トレーナーさんの合図で、客席みんな声を合わせ「アロハ、ナイア!」と呼ぶと、ショーが始まりました。



2頭でボールを高く蹴り上げたりもしていました
日本の水族館ではあまり見ない技もあって興味深い


客席から「Oh〜…♡」の声が漏れる
この日ショーに登場していたのは、NANIちゃんとKANOAちゃんの2頭。いずれもまだ若い個体です。
現地で「KANOAはハイブリッド」と言っていたのであとで調べたところ、どうやら大西洋ハンドウイルカと太平洋ハンドウイルカの交雑種のようでした。
シー ライフ パーク ハワイには、大西洋と太平洋、2つの海に由来するバンドウイルカがあわせて15頭暮らしています。
大西洋バンドウイルカはやや小柄で明るいグレー、背びれは三角形。
太平洋バンドウイルカは体が大きく濃い色合いで、背びれがゆるやかにカーブしているのが特徴です。
ただこの2種は別種とは言い難く、亜種、または地域個体群程度の区分けというのが一般的な認識のようです。
多くの研究者は、ハンドウイルカは以下の2種からなるという説に同意している。
ハンドウイルカ (Tursiops truncatus, Common Bottlenose Dolphin)
ほぼ世界中の温帯から熱帯の海域に棲息し、体色は青みがかっていることもあり、くちばしから噴気孔にかけて濃い灰色の筋がある。
ミナミハンドウイルカ (Tursiops aduncus, Indo-Pacific Bottlenose Dolphin)
インド洋、中国の南、オーストラリアなどに棲息し、背は濃い灰色で、腹は白く灰色の斑点を持つ。
ハンドウイルカ (T. truncatus) の亜種と考えられることもあるものとしては、以下が挙げられる。
Pacific Bottlenose Dolphin(T. truncatus gillii あるいは T. gillii)
太平洋に棲息し、眼から額にかけて黒い筋状の模様を持つ。
Black Sea Bottlenose Dolphin (T. truncatus ponticus)
黒海に棲息する。



大西洋の個体群はいつも日本の水族館で見てる子たちより小柄で色が淡めの傾向、ということなのでしょうか。
ハワイ周辺の海には「ハシナガイルカ」という種類のイルカも多く生息しており、シー・ライフ・パークでも過去に飼育・研究の実績があるとのことですが、現在は一頭もいません。
ちなみに、野生のハシナガイルカさんは昼間に休息を取り夜に狩りをするという生態を持つため、昼間にドルフィンウォッチング等の目的で人間が近づくのは群れへの悪影響が大きいということで、現在は接近距離を制限されているとのことです。
また、この施設には以前「ケカイマル」という名前のウォルフィン(Wholphin/オキゴンドウとハンドウイルカの交雑種)も暮らしていましたが、残念ながら2024年に亡くなっています。現在はその子供が飼育されているとのことです(奥のプールにいたかもだけどよく見えず…)。
ケカイマルの写真を見ると、ちょうど中間の見た目をしていて興味深いです。あとすごいかわいい。

ハナゴンドウとハンドウイルカの交雑種です。
ショーは派手さはないものの、開放的であたたかな雰囲気があり、とても楽しめました。
ハワイ モンク アザラシ
シー・ライフ・パークでは、ハワイの固有種である「ハワイモンクアザラシ」が飼育されています。
ハワイモンクアザラシは熱帯で暮らす珍しいアザラシです。絶滅危惧種として厳重に保護・管理されています。現在地球上に1400〜1600頭ほどしか生息していないとのこと。少なっ。
行きの車でUberのおじさんに「ビーチでアザラシ見たことある?」と尋ねると、普通にあるよ、という回答でした。観光客が目撃するのは難しいでしょうが、地元民としてはまあ偶にいるねーという感じのようです。
繁殖や換毛のために岸に上がったりすることもあるんだろうなあ。アザラシがビーチに来ると、接近禁止の柵が設けられるとのこと。しっかり保護されているんですね。


おっとりした雰囲気の子で、悠々と泳いだり、
水面から顔を出して人間をじーっと観察したりしていました

ハワイモンクアザラシは、日本周辺に生息しているアザラシたちとは系統が違う種類になります。
見た目的には、ゴマフさんたちに比べると吻先が横に広くて短く、頭も広く(曲線がなだらかで)まんまるな感じがします。体色は濃いグレーですが、年齢によって変化するそうです。
「モンク」の名付けは、水面から出した頭とその下の皮膚のたるみがフードを被った修道士に見えることが由来だそう(単独でいることが多いからという説もあり)。
ハワイ語では「リオ・ホロ・イカ・ウアウア」と言い、意味は「荒波の中を突き進む犬」だそうです。かっこいい。様子が目に浮かびます。

この個体の愛称は「戦士」を意味する「KEKOA」、個体識別コードは「KE 18」です。
このKE 18についてのこれまでのことが、現地の解説板に詳細に書かれていました。ネットでも記事が多く得られましたので、ざっくりと以下にまとめます。
KEKOAはオスのアザラシです。今年で24歳になるので、まあまあおじいちゃんのようです(平均寿命は25〜30歳)。
KE18は2002年に野生で生まれ、野生で育ちました。しかし成長した彼は攻撃的な行動を繰り返すようになり、2010年頃には絶滅危惧種である自らの個体群を脅かす存在となってしまいます。
若いオスのアザラシは、子供のアザラシやメスを追いかけたり噛みついたりすることがよくあるそうです。ただ、KE18は成獣になってからもその行動をやめようとせず、執拗でした。個体数が極端に少ない種ですので、影響があまりにも大きく、彼の攻撃性は保全上深刻な問題とされました。噛みつかれた個体が傷から感染症にかかり、死に至ることもあったそうです。
保護チームはKE18の攻撃を妨害したり、幼い個体を遠く離れた場所に移動させたりと苦心していましたが、ずっと監視することはできません。もう彼を安楽死させるしかない、と一度は覚悟をしたそうです。しかし運良く受け入れ先の施設が見つかり、KE18は保護されまずはワイキキ水族館へ搬入されました。
その後カリフォルニア大学の研究所へ移送され、生理学や生物音響学の研究に参加。生態の解明に貢献しました。
野生下では暴れん坊だったKE18ですが、保護されてからは非常に穏やかになり、研究に協力的なだけでなく、人懐こい性格で大変可愛がられたとのことです。そこでは「カイマリノ(穏やかな海)」という愛称で呼ばれました。
そして2021年からは、ここシー・ライフ・パークでKEKOAとして暮らしています。

感想を言うのは烏滸がましいとは思いつつ、周囲を攻撃せずにいられないのってまあ自分自身でもしんどそうだし、そこから離れて研究に参加して種へ貢献して、故郷に帰ってのんびりとした余生…って結構いいアザラシ生なのではないでしょうか。
また、その全部をしっかり公開している展示というのはすごく誠実であるとも感じます。

おじさん顔でかわいいです
シー・ライフ・パークにはこの他にも様々な展示施設があり、ウミガメ、サメ、ペンギン、小鳥さんたちなどが見られる…のですが、わたしはこの日かなり体長が悪く、更に暑さにもやられてしまい早々にギブアップ。
あっという間にホテルに戻ることになりました。残念。
施設としてはやや古びた部分もありましたが、開けたのんびりとした雰囲気で、またロケーションは素晴らしく、個人的には新鮮な気持ちで楽しめました。
体験プログラムなども充実しているようです。

ふわふわでかわいいです
その後の療養に付き添ってもらいました
以上です。
