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貸し農園で野菜作り体験

出かける場所を求めて

私が40代の頃、働くことが好きで定年退職年齢まで何かしら働いていようと考えていたけれど、50歳すぎたあたりから更年期症状に悩まされ、社会で働くには体力、精神力がもたなくなり、不本意ながら専業主婦へ戻った。

日々の生活は家事中心で、それ以外は趣味のガーデニング、ブログ作成、パッチワークキルト作りをするなど、インドアな過ごし方ばかりするようになると、たださえ不調だった肩こり、頭痛、神経痛が悪化しやすくなった。

これではダメだと思い、仕事以外に定期的に外に出かけていき、身体を動かせる場所はないか?と探した。スポーツクラブ?無理、無理。私はどんくさいほど運動音痴なのである。

運よく徒歩圏内(一駅分はあるので自転車で行っていた)に「サポート付き貸し農園」とやらがあることを知り、年間使用料10万円はちょっと高いと感じたが、利用してみることにした。借りた畑の広さは大体、畳4畳半くらいだった。

畝4つ分と通路分で6畳くらいを借りた

道具もマニュアルも揃っていて至れり尽くせり

入会前に現地説明会へ参加。いかにも「畑のおばちゃん」な優しそうなスタッフさんが仕組みと利用方法、注意事項など丁寧に説明してくださる。

鍬やスコップ、マルチ(土の表面を覆う資材)や防虫ネットなど農作業に必要なものすべてが用意されている。年間使用料に込みなので利用料は発生しない。無農薬栽培という決まりで有機肥料の提供も料金込みとなっている。

3月に入会。早速、鍬で畑を耕す。思ったより鍬も土も重たく、割り当てられた畑全体を耕し終えるころには息は上がり汗だくになった。なかなかの全身運動だし、青空の下、日にあたって体力も使い切り夜もぐっすり眠れる。

植える苗や種が配布された。季節的に夏野菜、ナス、ピーマン、ミニトマト、空心菜、オクラなど。植え方は入会時に配布されたマニュアル本にも書いてあったり、QRコードからYouTubeに飛んで解説動画をみることもできた。

ナスは意外と簡単に育てられる

もちろん現場スタッフさんの実演指導の日も設けられていて、初心者はその日に集まり解説を聞くこともできる。やっぱり実演を間近でみて、質問にすぐ答えてくれるというのが一番わかりやすくてありがたかった。

品種ごとに異なるお世話の仕方

昔から趣味で植物を育ててきたこともあって、それほど難しいことはないと思っていたけれど、実際やってみると野菜はやっぱり品種ごとにお世話の仕方、気を付けたいポイントが違うので大変だった。

苗から栽培するものは植える時期を守り、良い苗さえ選んで植えて、虫さえ気を付ければ大体うまく行く。けど、種からのものは意外と難しかった。

ここまでは上手くいく。赤くなってらが心配。
猛暑で身割れしやすい


ナスは一番花の実は5センチくらいで取ってしまう、ミニトマトの1番は取らない、ピーマンは内側の枝を剪定するとか、あれこれやってると頭がこんがらがってマニュアルやYouTube解説を見ながら作業した。

なにしろ、面倒くさがりな私。植物が持つ生命力頼みで育てる傾向があるので、無農薬栽培の肝「虫退治」がとても大変で正直辛い思いをした。

収穫した夏野菜。
モロヘイヤ、ピーマン、ナス、ミニトマト

過酷な虫退治の日々

ナスの葉に穴が開いているので不思議に思っていたら、可愛いテントウムシが葉をかじっている!なんで?テントウムシは益虫では?と思いマニュアルを調べると、「害虫について」の欄にテントウムシダマシというテントウムシそっくりさんがいることを初めて知った。

うーん、可愛いのに・・・お前は敵か。戦いの火蓋が切られた。他にも小さい青虫や幼虫類、捕まえて潰す。捕まえて潰す。デカいのは踏みつぶす。

冬のキャベツなど、あまりにもたくさんついているときはもう、面倒くさくて手袋した指先でつぶしまくった。虫は苦手で気持ち悪く精神的になかなか辛い思いをした。

そして、趣味のガーデニングでも大敵のアブラムシ。こいつらにはすごい手を焼いた。

夏にはオクラの葉、冬には大根の葉とびっちりとこびりついている。面倒くさがり面堂草子にはもうお手上げ。油石鹸水散布をまめにやるが、いたちごっこだった。結局は手で潰していく殺戮の日々だった。

春のスナップエンドウ。うどんこ病予防に重曹液。効果はイマイチ。持続力も短いのでマメに

苦手なのは虫だけではなかった

入会時に「入会の目的は?」というアンケートがあり、いくつか項目があって丸をするのだけれど、私は「運動不足解消」と「スタッフさんとのおしゃべり」に〇をした。運動はもちろんだけど、専業主婦で友達もおらず話し相手が欲しいと思っていたからだ。

すると、まめにスタッフさんが声をかけてくれて野菜の成長が順調か確認してくれたり、説明してくれたりする。が、なにしろ元々植物を育てるのが好きなので、マニュアルやYouTubeでの予習が激しく質問することは少ないし、特に話すことが無い。

収穫したスナップエンドウ。
これまで知らなかった野菜。初めて食べてみた。


だんだん、「順調ですか?」「順調でーす」で会話は終わってしまうようになる。結局うまく話せなくて、気にしすぎる性格の私は某スタッフさんが苦手になってしまう始末。ま、どこにでもウマの合わない人間はいるもんだ。

ちなみに、スタッフさんは利用者さんの畑を手伝うことはNGならしい。

茎ブロッコリー収穫後の株の撤去作業。
力仕事が大変で娘が手伝ってくれた。

楽しいけれど自由度は少ない

もともと植物好きで自宅のベランダでプランター菜園をしてプチトマトやリーフレタスの栽培を経験したこともあるので、畑を借りて一番やりたかったのはサツマイモやジャガイモだった。

一応、貸し農園側が準備しているマニュアルに載った野菜(苗や種を準備してくれている)以外を栽培したい時はスタッフに要相談というルール。

早速、ジャガイモをやりたいと某スタッフさんに話すと、あからさまに嫌な顔をされ「ちょっと時期が遅いカモだけどやってみます?配布される苗はどうします?」と言われた。

どうやらマニュアルにある配布する野菜を、マニュアル通りの畝の場所に植えていかないとスタッフとしては困るらしい。スタッフからしたら面倒くさい利用者なわけだ。そういう対応されてる感じがひしひしと伝わってくる。

でも、こちらとしても大金払って畑を使用させてもらってるんで、希望は叶えたい。一応、OKはもらえたので挑戦してみて夏前には数個収穫できたのは嬉しい体験ができた。

次の年はサツマイモをやりたいと言ったが、蔓や葉が茂り過ぎて両サイドの利用者さんに迷惑がかかるからとNGだった。

かぶ。一年目より2年目の方が上手くできた。

結局は人間関係なのか

某スタッフさんは「水やりしないでください。根がかれちゃいますから」と利用者さんに散々言って回っていた。何故なんだろう?って思っていたが、ある日、スタッフさんがホースで貸し農園全体に水巻きしていたのを目撃した。

確かに週1~2回通ってくる利用者さんは少ない。なので、天候にもよるけれど枯らしてしまうケースがある。それを防ぐために、ほとんど来ない利用者さんのエリアだけ水巻きすればいいものの、面倒くさいのか貸し農園全体をホースでバーーーッと水やりする。

こちらは週1~2で通って成長をチェックして、適宜水やりしているのに某スタッフさん都合で「水やりしないでください」っていう。

夏のナスも冬の大根も水やりが収穫量に直結するのに、やたらめったら水やりするなという。植物育てと水やりは確かに難しい面ではある。

しかし、こちらも何十年も植物と対峙して水やりの失敗も成功も経験を積んで知っているわけで、それなのに注意されて嫌な気持ちばかりが育っていった。お陰で「いちご栽培」の時は水不足で枯らした。

ある時は、その某スタッフさんが他の利用者さんがファミリーで作業しに来てた時、10歳くらいの女の子に向かって「外国人みたいなお尻で可愛いね」と言ったのを聞いてしまい虫唾が走る思いをした。(2年で辞める引き金となった事案)

そこで利用者に配られた「スタッフ出勤予定表」をまめに確認して某スタッフさんがいない日を選んで貸し農園に足を運ぶことにした。

天気と相談しながら、しっかり水やりして大きく育った大根。

学びの収穫は多かった

2年間「貸し農園」でお世話になった。

1年目はずっと監視されてるような気がした。きっと規約通りルールを守って畑利用しているかどうか、利用者に気を配ることになっているのだろう。

それと、野菜泥棒が出没していたらしく信用のおける人間かどうか観察されていたこともあったみたいだ。(思い過ごしかもしれないが)

基礎的な道具の使い方や野菜の育て方は1年目で学べた。

2年目はスタッフさんにとって「面倒くさい利用者」にならないよう努めて、マニュアル通り、スタッフさんの言う通りを心掛けて利用させて頂いた。それでも、収穫量は思ったほどではなかった。

猛暑ということもあったり、葉物(小松菜やほうれん草)野菜の難しさはプロの農家さんの偉大さを実感した。

貸し農園側に遮光ネットの準備もあったら良かったのにと思った。それと、昨今の温暖化に対応した改良品種(ホームセンターで売っている)の苗を配布して欲しかった。

総括として

自分の家の庭で家庭菜園をするなら毎日朝晩かまえるけれど、畑まで出かけるとなると一日がかりとなってしまい、趣味としてのタイパは悪いかもしれない。

しかし、野菜作りのために使用する道具一式や畑用土地利用料、配布される苗や種、マニュアル、スタッフさんからの指導など全部ひっくるめると一年間10万円というコスパは妥当なのかなと実際やってみて思った。

もともと土いじりも植物を育てることも好きなので、野菜のお世話をしているときは時間も忘れ一心不乱に作業していた為、貸し農園利用をはじめた当初の目的だった「肩こり、頭痛」などは気にならなくなり良い運動不足解消になった。

時折見上げる青空や雲の流れを眺める時間、急なスコールに雨宿りする時間、蝶々やトンボといった虫が知らせる季節の移り変わり、そして立派な形した野菜を収穫した喜び、といった体験は精神的な充実感を得ることができ良い時間を過ごせたと思う。

畑は空が広く見える。

ただ、サポート付き貸し農園の良いところでもあり、悪いところでもあるスタッフさんに関しては運営会社側できちんとコンプライアンスなどご指導願いたいと思いつつ退会しました。

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