舞台『魔法使いの約束』〜きみに花を、空に魔法を〜 後編 歌詞
M1『突然始まった人形劇〜ばらの窓の向こう〜』
「風が強く吹いて猫が騒ぐ夜。俺は大きな月を背負う魔法の世界にやってきた。この世界に災いをもたらす大きな月『大いなる厄災』と戦う魔法使いたちを導く賢者として、俺はこの世界に招かれたという。」
世界各地で『大いなる厄災』の影響
人々の不安は募るばかり
「いよいよ五ヵ国和平会議だ。危機的な状況にあるからこそ、国境を越え人と魔法使いの境を越えて、みなで協力していきたい!」
「晩餐会と式典には賢者の魔法使いたちも参加することになっていた。だが、各地で不穏な事件が起きていた。」
世界各地で伝説の魔獣が蘇り
使役する魔女が現れた
『大いなる厄災』の影響か?
それとも誰かの仕業か?
時は来た
鮮やかに
始めよう この夜を
突然いばらの蔦がグランヴェル城を覆いつくしていく
魔獣を操る魔女たちは言う
「母様の恨みを晴らし 父様の悲願を果たすのだ」
「みんなー!」
「「「賢者!/賢者様!」」」
突然始まったのは いばらの城を蘇らせる儀式
人形を操るその男は言う
「魔獣に生贄を捧げる 最愛のきみに会うために」
「目を覚ましたか、異端の賢者よ。」
「あなたは?」
「俺の名はオヴィシウス。お前にはここでおとなしくしといてもらおう。」
「グランヴェル城をこんな風にしたのはあなただったんですか!?」
「ふはははは、さぁ見るがいい!俺が作った最高の人形劇を!」
ばらの窓の向こう 見えたのは彼らの姿
「おほほほほ、ここからは誰も通しませんわ!」
「城の中にいる者たちを必ず助け出す!」
「熱くなるなよな。精霊たちが逃げていく」
「ゆっくり呼吸だな!」
「そう。いくよ」
「あぁ!」
まっすぐな道を選んできた
曲がりくねってなきゃつまらない
同じ場所を目指すなら まずは呼吸から
「賢者様は無事だろうか…」
「殺すつもりなら攫ったりしないはずだ」
「ファウスト様!大丈夫ですか」
「僕のことはいい。それよりオズが魔法を使えない分、支援してくれ」
「はい…!」
まっすぐにあなたを追い続けた
もう昔の関係ではない
同じ時駆け抜けた 果たしてこれからは?
「オズ様!何かの時のために、この剣を預けておきます」
「私が剣を振るうのか…?」
「はい!剣を振るうオズ様はきっとかっこいいと思います!」
暗闇の中 探し出す
賢者様を見つけ出す
凍てつく嵐の中 おまえを
光を
見つけたように
「お前は…!」
「父と母の悲願を邪魔するものどもめ、私が相手になってやろう。ヴォロ・ハベーレ」
「うわ!」
「大丈夫ですか?リケ」
「ありがとう、ミチル」
暗闇の中 照らし出す
皆を導くともしび
怖くて震える手を握って
一緒に
勇気を出して さあ
「シノ!」
「私、言わなかった?叶うはずないって。相手は地上最強の戦士ミノタウロスだよ!」
「くそ!たとえ勝てなくても、ヒースたちのところには行かせない!」
交わした約束を鎖にはしたくない
手にしたぬくもり
必ず守り抜く
失うくらいなら
俺(オレ)の心が求めるもの
ばらの窓の向こう 見えたのはそれぞれの思い
「シアン!ここは譲っちゃくれねぇか?」
「お父様に言われたの!母様の復讐をして、母様を復活させるって!」
「どうしてもか…?」
「ヴォロ・ハベーレ!」
「アドノディス・オムニス」
「ムル、復讐の相手はあなたのようですが、心当たりは?」
「うーーん、忘れちゃったぁ♪……ねぇ、見て!」
まっすぐに恋焦がれるまなざし
あの美しい月だけ愛す
欠けたのは
月か俺か
魂ひとかけら
「ネロ!バジリスクの上に飛び乗れ!俺が陽動してやる」
「了解!」
まっすぐなんて性に合わないが
この俺に死んでほしくないなら
つかみとれ 幸運を
しがみついてでも
「どこも蔦に覆われていて入れそうにないね。」「まるで、幽霊城みたいだ…。……また、魔法使いが悪く思われちゃうのかな、、こんなことになったのも全部俺たちの仕業だって…!」
暗闇だけど怖くない
歌も祈りも届くよ
見えなくても 形がなくても
信じて
自分自身を
「見ろ!」
「リヴァイアサンじゃ!」
「南の国の山くらいある…。まるで神様みたい…!」「そう?ただ大きいだけじゃない?」
「行け!海の魔王よ!」
「アルシム」
暗闇覆う空と海
見失うその境目
境界線の曖昧さが
最悪の結末を招くことも
交わした約束は
煩わしいしがらみ
決して解けない
母様が繋いだ
気まぐれに繋いだ
命綱は諸刃の剣
ばらの窓の向こう 突然始まった人形劇
迫りくる危機
命がけの戦い
逃げられない
逃しはしない
ばらの窓の向こう
突然始まった人形劇
踊ってもらおうか
幕が下りるまで
M2『きみに花を、空に魔法を/Part2』
さあ きみに捧げよう(きみに花を)
両手いっぱいの魔法(空に魔法を)
固く閉ざされた扉を
開くための鍵はどこに?
教えてほしい きみの物語
退屈でつまらない世界を壊そう
退屈でつまらない世界なら変えよう
M3『呪われたきみの物語』
俺が見せた人形劇が彼女の心を癒し
彼女の笑顔はこの俺を癒す
かけがえのないもの
M4『闇夜のさがしもの』
闇夜の探しもの
きみなら見つけられるから
「俺なら…?」
「うん」
ありがとうが言えない夜も
暗い夜も
報われない夜も
さみしい夜も
恐ろしい怪物になりそうな夜も
泣きたい夜も
きみは魔法使いだから
「ほら、よく目を凝らして」
風に耳をすませて
見えないものの影に触れるように
暗い月影の中 踊ろうよ
闇夜の探しもの
きみならきっと
心がときめくもの
きみを勇気づけてくれるものだよ
大きく目を開いて見つけよう
闇夜の探しもの
俺ならきっと
M5『居場所』
居場所のない異端者
その言葉に 胸が痛む
「だけど…!」
居場所ならいつも彼らが与えてくれた
偉大な魔法の力ではなく
ほんのささやかな気遣いで……
だから
心と心が繋がる
その場所が俺の居場所 彼らの居場所
「オヴィシウス!今すぐこんなことはやめてください!」
「いくら喚いたところで貴様には何もできない。無惨にやられていくそいつらを眺めながら、自分の醜さを嘆くといい」
「お願いします!オヴィシウス!」
これ以上皆を傷つけないで!
M6『きみの勇気に花束を』
怯むことない きみの勇気に
花束を
「殺してやる。どいつもこいつも俺を馬鹿にして、」
魔法を使えない 俺が選ぶのは
言葉
誰かが言っていた
言葉もまた 魔法だと
「オヴィシウス、みんなを傷つけたあなたは絶対に許せない。でも、あなたの願いを誰も傷つかない形で叶える方法があるなら、できる限りでお手伝いします。」
「手伝うだと、」
「驚いた…たいした交渉人だ」
「俺の望みは、あの魔獣たちを引っ込めて、お城をもとに戻してほしいことです。あなたの望みは、ターリアさんともう一度会うことなんでしょ?」
「どうだっていい。あんな女どうだって…」
「報われない気持ちが悔しいこと、俺にもわかります。誰かに質問をするときに、すごく勇気が必要なことも…。あなたとターリアさんはきっと、たくさん失敗したしあなたも最低なことをした。でも、もう一度やり直したいから、ここまでのことをしたんでしょ?」
「ターリアは死んだ。もう、やり直せない。」
「……オヴィシウス」
揺るぐことない 彼の呪いは 災い呼ぶ
M7『魔獣の聖贄』
言葉を失った異端者よ
目撃するがいい 破滅の光景を
さあ 魔獣たちよ
今こそ俺の望みを叶えたまえ
さあ 魔獣たちよ
望む生贄は目の前だ
「なんだ?」
「ブラッド!お前は中庭を狙ってろ。バジリスクは俺が!」
「落ち着いて」「きゃっ!」
「シアン!」
「…え?」
「逃げろシアン。こいつはお前を狙ってる!」
「…おいで!」
「何やってる…どうして逃げない!」
「この子が私を襲うはずないもの!きゃっ!」
「逃げろ!」
「大丈夫!私には、幸運の傘があるから」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
描かれるのは 狂おしいほどの悲劇
「ミノタウロス!良かった♪戻ってきた!」
「俺がミノタウロスを引きつける!リケはランタンの準備を!」
「はい!」
「……なに…?」
「いやぁ!」
「え…?僕たちじゃなくて、彼女を襲おうとしてる!?」
「いやぁ!」
描かれるのは 切ないほどの惨劇
「ぐわぁ!」
「ミスラ」「ミスラさん!」
「どうしたの?リヴァイアサン。早くとどめを!」
「何?ゔわぁぁ」
「なぜ彼女を!」
「ゔぁぁぁぁぁぁ」
「仲間割れ!?」
奏でよう 不条理な音楽を
奏でよう 嘆きの不協和音
「おほほほほ。楽しい時間でしたけれど、そろそろおしまいにいたしましょう?」
「ヴォロ・ハベーレ」
「なんですの!?くっ…なんで私に絡みつくのです」
「いやぁぁぁぁぁぁ」
「やめろ、離せ!」
「オーレオリン!」
「なんだ…私の体が木に変わっていく」
「うぁ…やめろ!」
「どうして!父様」
父様の悲願の復讐
そのための儀式だったはずなのに
どうして どうして?
「人形使いオヴィシウス。」
「魔物を魅了して、操ることに長けた魔法使い」
娘たちは最初から
魔獣の生贄として用意された人形
悲しき人形
父様 どうして?
「まさか…」
「可哀想に」
描かれゆく 狂おしいほどの悲劇
描かれゆく 切ないほどの惨劇
奏でられる 不条理な音楽
響き渡る 嘆きの不協和音
さあ 役目を果たせ
生贄の人形たちよ
M8『鮮やかな走馬灯』
鮮やかに脳裏を巡るのは
懐かしい走馬灯
色とりどりの記憶
あたたかな夢……
心に燃える思いを歌うのが好きだった
まばゆい髪と目の色は大好きな人と同じ
静かに胸に抱く矜持 北の誇り
風が運ぶ季節の豊かさが 潤す心
鬱々とした空の下でも怖くないの この傘があれば
くすんでいく世界
かすんでいく意識
走馬灯だけは 鮮やかであれ
M9『きみへの鎮魂歌』
Ah…
「ファウスト!彼女に、何を?」
「鎮痛と幻惑の魔法です。助かる見込みのない兵士たちに安らかな時間を与えるためのものです。」
心穏やかに 静まれ 眠れ
「私は、人形なのか…?私はどうなる?」
「心配はいらない。静かに目を閉じて」
「静かに…目を…」
きみの会いたい人に会える
神様もきっと見守っている
「姉さま!がいたような気がする…。私と同じ髪と目の色をした…。」
「姉さまに会えるよ」
「彼女の指が…まるで木の枝のように…」
「アーサー殿下、こちらへ」
「助けてやれずに…すまない」
「手を…繋いでいてくれて…ありがとう」
Ah…
きみへのレクイエム
「ゔぁぁぁぁぁぁぁ」
「彼女の手足が木に変わっていくね」
「助けてあげられないですか?フィガロ先生、ミスラさん」
「助ける?」
「土は土に、塵は塵に返るだけじゃ」
「しかし、これも何かの運命じゃろう。バイオレットや!言い残すことがあるなら聞いてやろう」
「思い出した。私は北の国の魔女だった」
「哀れな。オヴィシウスに殺されて、マナ石を人形に使われたのじゃな。そなたの敵は討ってやろう」
「北の国の魔女は、誰かに敵討ちを頼んだりしないわ」
Ah…
「失礼した。誇り高き魔女よ…一人で逝くといい」
「はぁ…はぁ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!来ないで!」
「やだ!こんなの違う…おかしいよ!!」
「離してください!あの娘を助けないと!」
「ダメです!ミチルまで殺されちゃう!」
「キミ!逃げて…!母さまに会うんでしょ!」
「そうだよ!私は母さまに…なのにどうして…!父さま!」
Ah…
「シアン!」
Ah…
「畜生……ふざけやがって…!」
「なんですの…?これは…私の体が醜くひび割れて…」
「アモレスト・ヴィエッセ」
「これは、ハーブティーの優しい香り…それに、なんて素敵な音楽…なんだか、歌いたい気分ですわ」
「僕にできるのはこれくらいです。せめて最後は優しい夢のなかで」
きみの好きな歌を歌って
この夜も僕も聞き惚れるから……
ラララ……
「美しい歌声です。そのまま、続けて」
「おやすみ…素敵な人…。いい夢を…」
心穏やかに 静まれ 眠れ……
Ah…
捧げよう きみへの(あなたへの)レクイエム
M10『戦い抜くべき夜』
折れて砕け散った器
そこにあったはずの心
どこに行ったのだろう
知るすべはない
出会ったのは何かの縁
そこに意味はないとしても
心に渦巻くのは
くすぶる痛み
生贄を食らい
魔力を増す魔獣
厄介な夜は
まだ終わらない
闇の中 手探り
幕はいつ下りるのか
月が笑う歪な
夜
夜が明けるまで 幕が下りるまで
戦い抜くべき夜
敵を討つまで 誇り貫くまで
戦い抜くべき夜
「せいぜい足掻がいい。生贄を食らった魔獣たちにかなうわけがない。ふははははははは」
戦い抜くべき夜
M11『大勝負の時』
「行くぜネロ」
「来い!」
「アドノ・ポテンスム」
「ブラッドリー得意の強化魔法だ!最高位の強化を見るのは初めて!」
「正面から胸を撃つなんて、余程の信頼関係がなければ出来ないことです!」
銃弾を浴びてからのネロは
獣よりも鳥よりも速い
大勝負のとき 弔いのとき
悲しみも 喪失も
力に変えて
「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大勝負のとき 弔いのとき
無数のカトラリー 怒りの雨
降り注げ!
「援護いたしますよ」
「俺も〜!」
「あぁ!」
「ネロ、無念を晴らしましょう」
夜空繋ぐ 水色のアーチ
きみの傘をかけ橋に
怒りの炎を花火に
「エアニュー・ランブル!」
「ミノタウロスの狙撃の準備は?」
「いつでも行けるぜ!」
大勝負のときは まもなくだ
M12『ぼくたちが灯す光』
ボクがリケの心を強くします
大丈夫
あったかい手のひら
僕の心を包む
「今はここにいなくても、オズ様やネロさんに教わったこと。リケはたくさん覚えているでしょ?」
「…はい!」
「僕も覚えています。兄様やフィガロ先生、レノさんが教えてくれたこと!だから頑張りましょう!絶対に成功します!」
「はい!」
ボクたちだけが灯せる光
迷宮照らす 希望の光
手を取り合い 心と心ひとつに
さあ灯そう 光を
「こっちだ!」
「シノ!」
「任せろ!マッツァー・スディーパス」
「レプセヴァイヴルプ・スノス」
「リケ!ミチル!今だ!」
「「はい!」」
「サンレティア・エディフ」
「オルトニク・セアルシスピルチェ」
「これがほうき星の雫の効果!?」
「すごい!」
「あ!見えた!」
「えぇ、リケのランタンです」
「頼むぜブラッド、子供らの生死はあんたにかかってる」
「安心しろ!任せておきな」
「それじゃあ行くぜ!アドノポ…」
「ブラッド…?」
「は…」
「おい!まさか…」
「ハーックション!!」
「ブラッドリー!」
「消えたー」
「マジで!?」
「くしゃみでとんでった!大いなる厄災の傷〜!」 「何もこんな時に」
「どこいったんだよ!ブラッド!」
M13『夜が明けるまで』
「頼りにしてるよ」
「わかりました…」
夜が明けるまで俺に敵う者はいません
終わらせますよ さっさと
「アルシム」
「城には俺とルチルが戻る」
「ルチルも!?」
「重症が何人いるか分からない。助手がいる」
「大丈夫ですミスラさん。私もミチルも無事でいます。ミスラさんを一人にしません」
「はぁ…?別にそんな心配してませんよ。俺は俺の魔力を心配してるだけです」
「わかってますけど…」
「ルチル、無事でいてください」
「…はい!」
夜が明けてもあなたの強さは変わらない
どうか無事でいて ミスラさんも
「フィガロちゃんも無事で!」
「無事でいてね!」
「まったく、ついでみたいに乗っからないでください」
「いきますよ」
「アルシム」
M14『ここに宿る血』
「これは…!」
私の血を媒介に おまえに魔力を与える
「オズ様の魔力を…!」
「いいか?アーサー。呪文を唱えたら私は眠りに落ちるだろう。宝物庫に行く必要はない。宝剣カレトヴルッフをお前の手の中に召喚しろ!」
「私に…出来るでしょうか…」
英雄の血を受け継ぐ子よ
おまえなら必ずできる
己を信じろ
「お前は運命に抗い、北の吹雪の中でも生き延びた」
おまえの道を塞ぐものなど
何もない
「わかりました!」
「ヴォクスノク」
オズ様の血がここに宿る
私なら必ずできる
己を信じる
「宝剣カレトヴルッフよ…来たれ!」
「パルノクタン・ニクスジオ」
私の道を塞ぐものなど
何もない!
「成功だ!いくぞ、カレトヴルッフ!」
「パルノクタン・ニクスジオ!」
M15『預け合うもの』
必ず守ると決めてから
追い続けてきた背中
今預けられた背中
たまらなく奮い立つ
この心
必ず守るという言葉
一点の曇りもなく
今預けたこの背中
何一つ疑う余地などない
預けあうのは背中
命
心
「フォーセタオ・メユーバ」
M16『勇み戦う者たち』
俺たちは賢者の魔法使い
勇み戦う者たち
「カインさん!」
「カイン!意識を失わないで!」
「みんな、カインの名前を読んで」
「カイン!」「カインさん!」「カイン」
「大丈夫だからね」「目を開けて!」
「…どけ!カイン、……カイン!」
吸って 吐いて
「オーエン…」
「息をするんだ…ゆっくりと」
吸って 吐いて
誠実に 信頼して
深く静かに 呼吸する
「いいね、乱れた魔力が安定してきた」
「みんなを、アーサー様と晶を…頼む」
「もちろん、俺たちに任せて」
俺たちは賢者の魔法使い
勇み戦う者たち
きみは必ず俺が助けるよ
「ポッシデオ」
「カインが助かりますように、どうかみんなも無事でいて!」
心からの祈りは きみの本気を裏切りはしないよ
お願い 誰一人死なないで
闇夜の願い事 必ず届く
「っ!クッソ、近づけねぇ」
「私が平衡感覚を奪います」
「接近できたら俺が仕留める。任せろ、鳥なら捌き慣れてる」
「…!来た!」
「インヴィーベル」
夜空も鳥もみんな見とれてる
きみが描く曲線に
黄金に輝く 月さえ……
「なははははは」
「可愛らしい方、さぁネロ」
「あぁ!」
「アドノディス・オムニス」
「おら!」
「てめぇでくらえ!」
大勝負のときだ 無念晴らしてやる
「アドノディス・オムニス」
「お見事です。ネロ」
「あぁ。だがまだ終わってない」
「あ!忘れてた!ミノタウロス〜」
「シノたちが心配だ。手分けして茨が溶けた場所を探そう」
「えぇ」
「うぁぁぁぁぁ」
「シノ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ミチル!僕たちも!」
「はい!」
「スノウ様とホワイト様のように、呼吸を合わせて攻撃しましょう!」
「わかりました!」
勇気を出して 心 ひとつに
僕たちだけの光を
「サンレティア・エディフ」
「オルトニク・セアルシスピルチェ」
「「せーの!!」」
「こっちに来た!」
「逃げましょう!」
「はい!」
「うわ!」
「リケ!」
「ミチルだけでも逃げて!」
「嫌です!リケを置いていけません!」
「母さま、助けて!」
「アドノポテンスム」
「ブラッドリー」「ブラッドリーさん」
「わりぃわりぃ、遅くなったな。くしゃみで飛んじまってよ。何度も連発してここまで…」
「てめぇら…男前な面になったじゃねぇか!よく頑張ったな!」
「「頑張りました!」」
「頭をぶち抜いたのに起き上がってきやがる。しぶとい野郎だ」
「おい…ブラッドリー…!」
「東の小せぇの、てめぇが一番ひでえ有様だ…下がってろ」
「あぁ?」「ブラッドリー待って!」
「何をだ!東の坊っちゃん!」
「もう少しだけ、あいつを仕留めるの」
「難しい注文だな…急げよ!」
「シノ…ファウスト先生に言われたこと、ずっと考えてた」
「…ファウスト…?」
「俺が中途半端だから、思い切り本気を出せないんじゃないかって。」
「おい!向かってくるぞ!」
「シノ…」
「ヒースクリフ・ブランシェットの名において命じる。」
「ミノタウロスの首、取ってこい!」
「……御意」
定めたこの心
(心に決めたんだ)
まっすぐすぎるまなざしを
(孤独な暗闇を抜けて)
今こそ しかと受け止める
(たどり着いたあの時に)
「ブラッドリー、そこをどけ!あいつは俺がやる!」
「目に生気が戻ったな!あいつは北の魔法使いでも手こずる魔獣だぜ?てめぇにやれんのか?」
「やる。やってやる!」
「いいぜぇ?やって来い!援護してやるよ!」
「アドノポテンスム」
「手柄立ててこい東の小せぇの!」
「チビ扱いするな!」
「行け!シノ!」
「シノさん!!!」
「頑張ってください!!!」
「これで最後だ、牛野郎!」
「マッツァー・スディーパス!」
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「いけぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺の
(俺の)
俺の心が
(俺の心が)
決め――決めたこと
「仕留めた…?」
「っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「やったーーー!!」
「景気よく首を飛ばしたな!」
「やった!シノすごい!!」
「もっと褒めろ!」
「すごい!!」
「ブラッド!」
「間一髪間に合ったぜ。全員無事だ」
「無事じゃねぇだろ!みんなボロボロじゃねぇか」
「まぁまぁまぁ待て。もう少し余韻に浸らせてやれ」
「ったく、ヒヤヒヤさせんじゃねぇよ…」
大勝負までには間に合っただろう?
あいつらの勇気に幸運を
「あれがリヴァイアサン!?大きい…」
「ルチルと同じ反応しないでください…」
「アーサーよ!宝剣で封印の魔法陣を海に描くのじゃ」
「それまではミスラが囮になって海中に向かうといい。」
「リヴァイアサンを海に縛り付けたらミスラが仕留める」
「両人ともよろしいかの?」
「わかりました!」
「やってやりますよ」
「「ほほほ!作戦開始じゃ!」」
「ミスラ!よろしく頼む!」
「なんですか?その手は…」
「さっきからオズの匂いがするんですけど?」
「オズ様から魔力を授かったんだ。これはハイタッチだ!」
「はぁ、では囮になってあげます」
「アルシム」
「そうそう、海の魔王ならそう簡単に逃げないでくださいよ。」
「赤い絹糸は水面で燃やしたか?」
「はい!」
「コマンディングオイルを宝剣に一垂らししたか?」
「はい!」
「よろしい」
「「それでは封印の儀を始めるのじゃ!」」
宝剣カレトヴルッフで海面に描いていく
海の魔王封じるための魔法陣
「ミスラ!頼む!」
「かかったな!」
「今じゃ!アーサー!」
オズ様の血がここに宿る
私なら必ずできる
(おまえなら必ずできる)
己を信じて進め
「パルノクタン・ニクスジオ!」
「さて、誰が一番かっこいいか見せてあげましょう」
「ミスラさん…きっと大丈夫…!だってミスラさんは…」
夜が明けるまで 俺に敵う者はいない
(最も強い 真夜中の支配者)
終わらせますよ さっさと
(だから きっと……)
「アルシム」
「すごい…!」
「終わりです」
「砕きおった!」
「よくやったぞミスラ!」
「おぉ…」
「痛い痛い痛い」
「これアーサー!我らを傘代わりにするでない!」
「申し訳ありません!」
「痛い痛い痛い」
「これミスラ!やめんか!」
「あはははは」
「ミスラ!やったな!」
「賢者は人形使いの結界の中だ。今から無理やり空間を繋げて侵入する」
「多少の反発はあるだろうが」
「もちろん、承知しました」
「賢者がいればオズが魔法を使える。オズと賢者の接触を優先する」
「わかった」
「では、始める」
「はい」
必ず守ると
信じている
決意した
曇りもなく
ここで預けられた背中
預けた背中
あの時が
今に繋がる
預けあうのは背中
命
心
我らは賢者の魔法使い
勇み戦う者たち
夜明けはもう近い
幕を下ろしてやる 人形劇
危機を回避し
命を繋ぎとめて
逃げることなく
ここまで追い詰めた
さあ 賢者の元へ
いざ 助けに
我らは 我らこそは
勇み戦う者たち
M17『解き放たれる力』
「オズ!」
「声が…!」
特別なことは 何もできないけど
一つわかっているのは
魔法が使えないオズ
俺に触れれば解き放たれる
最強の力が……!
「待たせたな、賢者よ」
「貴様…!」
「ヴォロ・ハベーレ!」
「フォーセタオ・メユーバ」
「サティルクナート・ムルクリード」
「魔法使いの死を見たことがあるか?」
「…ありません」
「ヴォクスノク」
砕け散れ 石となれ
尽きるのは今この時
夜明けを待たずに朽ち果てるがいい!
M18『特別なきみの話を聞かせて』
「誰に……?」
「この世界に」
「紳士的にしてくれる?そしたら、質問に答えてもいい」
「もちろん。俺の得意なことさ」
「なら、私の話をするわ。頑張ってみる」
「楽しみだ…ねぇターリア」
きみの物語を教えて きみのことが知りたい
(私の物語?)
きみの好きなもの なにもかも
(どうして?)
きみはかけがえのないもの
「ムル…」
「きみの代わりなんていない」
「私の話なんて、きっと退屈よ。だって別に特別じゃない…。」
「きみの話を聞かせて、ターリア」
そんなに私の話を聞きたいの?
あのね 私ね
「月の上に建つ古城になりたいの。茨の似合う静かな城!」
「ははははは!どうして?」
「だって……!」
夜空照らす満月(彼が)
きみが待つこの古城(好きなもの)
ばらのかぐわしい香りも
僕の心 癒してくれる(彼の心 癒すもの)
永遠に彼が会いに来てくれる
いばらの城に私はなりたいの
M19『きみに花を、空に魔法を、英雄に拍手を』
「賢者が知っていればいい」
「…オズ……」
「後でみなを労ってやれ。それで十分だ。」
「……はい!」
俺だけが知ってる あの夜の英雄を
月が笑う不思議な夜
夜が明けるまで 幕が下りるまで 戦い抜いた夜
(限りない拍手と花束を)
仇を討つまで 誇り貫くまで 戦い抜いた夜
(贈れるのは俺だけ)
「誰か、彼らに言ってくれないかな…」
きみの話を聞かせて
「知ってほしいんです…!魔法使いは忌まわしい夜の住人じゃない。俺たち人間と何も変わらない。そんな彼らがこの世界を守ってくれている!」
近づくのは知りたいから
心に触れたいから
怖くても逃げないで
何度も名前呼んで
ひとりひとり違うからこそ
誰もがみな特別
例え誰も知らない夜も
俺(僕)が覚えてる
何もかもが違うからこそ
初めて見る景色がある
もう二度とこない
不思議な夜
「賢者様〜!こっちこっち〜♪」
「どうしたんですか?式典ではお城の上を円状に飛んで、みんなにお披露目するんですよね?」
「賢者様もおいでよ!」
「俺は良いですよ」
「いいじゃないですか。遠慮しないで」
「え!?」
「今日の空は天気が良くて、ポカポカしてて、とってもステキですよ?」
「見上げてくる連中に手を振ってみろ。めちゃくちゃ気分いいぜ」
「賢者様、行きましょう!」
「……はい!」
我らは賢者の魔法使い
勇み戦う者たち
愛しいターリア(Ah…)
生けるいばらの城ターリア(Ah…)
きみに会いたい(Ah…)
ただ会いたかった……
嫌われものは特別なものになんてなれない
それでもきみの話を聞きたい
あのね「うん」 私ね……「うん」
きみに花を 空に魔法を
英雄に拍手を
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される 満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束
鮮やかで果てしない(きみに花を)
空いっぱいの魔法を(空に魔法を)
開けてくれるその時まで(いつまででも)
何度だってノックするよ
不思議な夜を忘れはしない
まだ終わらない我らの物語
月に愛された この世界は
傷だらけでとても美しい
