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【番外】まさかの怪談と化した、母の読み聞かせ

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寝る前の絵本の読み聞かせは、息子が高学年になってからほとんどすることはなくなった。
反抗期に入った息子が嫌がるからだ。

それでも、定期的に福音館書店の「かがくのとも絵本」を息子に見せたくなる私。
微細なイラストに、図鑑のように詳しい内容。
私自身が読みたくなってしまうのだ。

「母セレクションしようか?」
「母セレクション」と称して、私が選ぶ一冊を息子に読み聞かせる。
頼まれてもいないのに。
うっとうしい母、一歩手前だ。というか、もうなってる。
それでも、10回に1回くらい「いいね!」と息子が乗ってくることがある。

この日もそうだった。
息子は、布団に寝転んで、私が選ぶ一冊をワクワクしながら待っていた。
私は、久しぶりに選んだ本を手に取ると、息子の隣で読み始めた。

「はっぱのかくれが」
タイトルを読んだ。
息子は、植物と動物の絵本が大好き。
そして、虫の絵本はNGだ。
「はっぱのかくれが」は、植物を思わせるタイトルだが、はっぱを隠れ家にしている虫の話だ。
はっぱをめくってみると、蝶の幼虫がいるというパターンが繰り返される。
虫の生態もよくわかるし、イラストもとても美しくリアルだ。

しかし、息子にとってはリアルさが仇となった。
ページをめくるたびに現れる、リアルな幼虫のイラストに、息子の顔がゆがみ始めた。
次第に、ページをめくろうとすると、「あわわ…」と怯え始めた。
「ニセアカシアのきが…はえています…」
私は、だんだんと声をひそめていった。
「おや…?」
「ゆらゆらゆれる…はっぱのさきに…」
息をのんで、布団をたぐり寄せる息子。
私は怪談を話すような声色で読んだ。
「…コミスジのようちゅうがいました」
「ギャーッ!」
見てはいけないものを見たような叫び声を上げて、もんどり打つ息子。
布団が宙にふっとんだ。
私はさらに声を潜ませ、読み続けた。
「おや…?
はっぱのはしと、はしがくっついて…
ぎょうざみたいに…
ふくらんでいます…」
息子は怯えながらも、横目で絵本を見ている。
かすかに「うわぁ…くるぞ…」と呟いている。
私がページをめくると同時に「ギャーッ!」と叫んで、またもんどり打つ息子。

なんだかんだで、絵本は最後まで読んだ。
最後には、息子は怖がりながらも、口元は笑っていた。
「はい、おしまい」
私が絵本を閉じると、息子が目を輝かせて言った。
「お口直しに、虫じゃない絵本をもう一冊読んでくれない?」

読み聞かせで眠くなるどころか、目が冴えてくるのは幼い頃からまったく変わらない息子。
そんな息子が小5になり、夏という季節に乗じて、少しヒンヤリさせたくなった母であった。



参考:福音館書店 かがくのとも 
はっぱのかくれが 井上大成 文/松山円香 絵2026年8月現在、品切れのようです。
図書館などで見つけたらぜひ。
同じシリーズで気になっているのが、こちら。

▼さかなのくち(月刊かがくのとも)
次に読みたい一冊。
息子も海の生き物の絵本が大好き。


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