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【中学受験小5】クラス落ちの日、息子が見つけた居場所

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息子の塾用リュックを、時々チェックしている。
学校のランドセルもそうだが、とにかく中身がひどい。
整理整頓は一切拒絶。
捨てればいいだけのゴミが、山ほど出てくる。

しかし、今日は違った。
見た瞬間、ドキッとする封筒が入っていた。
クラス通知だ。
いきなり、シリアスすぎる。
ザワザワする気持ちで開封すると、クラス落ちしていた。
……やっぱりか。
直近のテストでは、クラスを維持できるだけの結果は残せなかった。
その前のテストで少し持ち直したからと油断した結果だ。
納得のクラス落ち通知を息子に見せると、拍子抜けするほどあっさり頷いた。
聞けば、一足早く塾から「クラス落ちの後もモチベーションを落とさないように」と、声をかけてもらっていたらしい。

私はいったん動揺を隠し、リュックの中身チェックを再開した。
ペンケースを開けると、ギチギチに詰め込まれた乾いたウェットティッシュが、大量にフワッと飛び出してきた。
「こ、これは何なの?」
震える声で聞くと、息子は明るく言った。
「ランチの時に、俺がすべてのテーブルを拭いたゴミ」
「そうなんだ……。ゴミは、ゴミ箱に捨てようか」
動揺のあまり、言葉尻だけを捉えて答える私。
言ってから、はたと首をかしげた。
息子は家では、進んでテーブルを拭いたりしない。
その姿が、まったく想像できなかった。
「……どういうこと?」
聞き返すと、息子が説明を始めた。

夏期講習の仲良しメンバーで、カフェスタイルのランチをしているという。
息子たちの間では、集まって食べることを「カフェスタイル」と呼ぶらしい。
そして、メンバー内では、CEOをはじめ、それぞれ役職が決まっているらしい。
息子はチームの班長だった。
それが、進んで雑用をすることでCEOに認められ、昨日めでたく、サービス担当の役職に昇格したというのだ。
「それ、CEOと仲良しだから、出世させてもらえたってこと?」
水を差す私に、息子が嬉しそうな笑顔で答えた。
「違うよ。 俺は、皆が喜んでくれそうなことをやって、認めてもらったんだよ」
持参したウェットティッシュでテーブルを拭いて回った結果、大量のゴミが出た。それを塾のゴミ箱に捨てるのをためらい、持ち帰ったらしい。
その結果が、ペンケースにこんもり詰まった、汚れたウェットティッシュだった。

クラス落ちの日に、出世した息子。
確かに、クラスは落ちた。
それでも、息子が誰かの役に立ちたくて動き、それをちゃんと見ていてくれる友達がいた。
それなら、息子は意外と大丈夫なのかもしれない。
持ち帰ったゴミを一緒に捨てながら、私は少しだけそう思えた。
それと同時に、リュックの中身は、今すぐにでも整理整頓できるようになってほしいとも思うのだった。



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