40代未経験・飲食業従事者が42Tokyo Piscineに挑戦して合格するまで
新宿のとある場所に42tokyoなる組織があります。
今回、その組織にとある立場で所属する事に成功したのでその体験を寄稿したいと思います。
42tokyoとは?
勿体ぶりましたが、42tokyoというのはエンジニアを養成する為の学校です。
公式Webページを見ると下記の様な特徴が謳われています。
学費は完全無料
18歳以上であれば経歴を問わず入学可能
24時間利用可能なキャンパスがある
教師がいない、ピアラーニングという教育システムを採用している
学費は完全無料。
活動や理念に賛同されている企業や個人の寄付によって運営されている様です。(…神か)
42 Tokyoは全て無料
42 Tokyoは日本のエンジニアリングレベルの底上げをし、プログラミングや
開発における技術の革新をサポートしたいと思っています。そんな想いに賛同いただいた多くの企業や個人のサポートにより、
カリキュラムの全てを無料で学ぶことができます。
ピアラーニングについてあまり馴染みのない言葉だと思いますが
42TokyoのWebページに下記の様な説明があります。
学生同士で学び、教え合う 「ピアラーニング」
42 Tokyoでは誰かの指導を待つ受動的な形式ではなく、学生同士が互いに教え合って学びを深める能動的な手法を採用しています。
こんな能力が身につきます
自ら学び、考え、行動する主体性と自律性
他人と関わることで得られる気づき、多角的な視点
建設的な議論を重ねることによる説明力 など
日本に生まれ育った私からすると非常にユニークな学校に映りました、
当初この情報を見て好奇心が加速したのをありありと覚えています。
私と同様、興味をそそられた方は是非ご自身で色々調べて見てください、
更に興味をそそられる情報が次々と出てきます。
Piscineとは?
Piscineとは42Tokyoの入学試験の事です。
入学試験も非常にユニークで大きな特徴は以下2点です。
試験期間が4週間
4週間も試験やるの??
ほんとにやります。
実際に校舎に通う必要があるのですが、どの程度コミットするかは個人の裁量に任されています。
合格基準は非公開
本当に非公開です。
入学した今でも明確な基準はわかりません。
上記の「どの程度コミットするかは個人の裁量に任されています」
という点も相まってよりヤバさを際立たせていました。
つまり、
「どれだけやれば合格できるのか分からない」
のです。
内容の詳細は伏せますが、
入学した際のカリキュラムと同様のシステムを、
入学試験として実施しているのだと試験中感じていました。
1ヶ月間のチュートリアルの様な感覚、と言えば近いかもしれません。
公式Webページにも以下の様にあります。
42 Tokyoでの学習方法が自分に合っているかが分かる
入学してから「この学校は合わなかった」と思うことが、みなさんにもあったかもしれません。
42 Tokyoでは学生同士で教え合う「ピアラーニング」は入学試験の最初から最後まで、入学後も活用していきます。だから1日・2日の短期間ではなく、4週間という長い時間をかけてPiscineを受けることで、42 Tokyoが本当に自分に合っているかを、入学前に確かめられます。
ご興味を持たれた方は下記ページより出願できますので是非。
体験記
42Tokyoやその入学試験であるPiscineについて概要説明してきましたが、
私自身2025年1月のPiscineを経て、入学許可を頂くことが出来ました。
今後挑戦される方、特に私と似た境遇で挑戦しようとされている方の、
参考となればと思い以下体験記を綴ります。
尚、具体的な試験内容は漏洩させる事を禁じられています。
依ってそこに触れない範囲で記述したいと思います。
筆者プロフィール
受験を決めた時の筆者プロフィールです。
年齢:40代前半
職業:飲食業に従事
プログラミング経験:未経験
なぜ挑戦しようと思ったか
20代の頃からプログラミングに対して緩く興味は持ち続けていたのですが、
「何かタイミングがあれば勉強してみたいかな…」程度の興味でした。
ある時友人と何気ない会話をしている時
”42って変わった学校があるんだけど知ってる?”
と、42Tokyoの概要を説明して貰いました、その途中で
「面白そう。俺、この学校入ろう」と既に決めていたと記憶しています。
翌日からリサーチを始めて
翌週には入学の出願を提出していました。
と、確たる目的があった訳ではありません、明確な目的が無いと頑張れないのではと考えたりもしましたが、今は過程を楽しむのが目的と割り切っています。
今後この学校で学んだ事を活かし社会と接続する事を目指す可能性も勿論ありますが、今の自分にはこのスタンスが合っていると感じています。
準備
Piscineを受験すると決めてからの準備を記憶している範囲で記載していきます。
情報収集
先ずしたのは情報収集です。
過去にPiscineに挑戦された方がnote等に様々情報を上げて下さっています。
それを兎に角読みまくりました。
その中で主に就業しながら挑戦された方の準備などを参考にさせて頂きながら計画を立てました。
スケジューリング
基本フルコミット出来ないと合格は難しいとの記述が多かったです。正確に言うと、
”未経験者でフルコミットせずに合格するのはかなり難易度が高い”
です。
公式Webページにも以下の記載があります
Piscineは仕事や学校があっても受ける事ができる内容なのでしょうか?
土日のみの通学でも大丈夫ですか?
Piscineを受験することは可能ですが、受験者の滞在時間は週平均35〜56時間 (毎日5〜8時間) となっています。
またイベントやコンテンツを平日の日中に行うことも頻繁にありますので、両立しながら合格するのは非常に難易度が高いです。
従ってその期間毎日登校できる事を目標とし準備をする事と決め、
諸々調整や予習期間を勘案し、半年後のPiscineに挑戦する事に決めました。
結果、フルコミットは無理でしたが、仕事をしつつ空き時間は全てPiscineの進捗に当てることが出来ました。
ほぼ毎日最低5時間、平均して7〜8時間は校舎に滞在していたと思います。
期間中登校しなかった日も1日あったのみだったと思います。
遠隔地から通わなくてはならなかったので電車移動中課題に取り組める様に準備もしていました。
所感としては上記の取り組みがなければ合格は難しかったと感じています。
また、遠隔地に住んでいる方の中には、
期間中マンスリーマンションを契約している方も何人かいました。
予習
上記に試験の具体的な内容を漏洩することは禁止されていると書きましたが、真偽不明ではあるものの、「予習しておくと良い」とされる知識や言語の情報はあります。
その情報を元に毎日少量でもいいので何らかの予習をしていました。
具体的には参考書を読んだりアルゴリズムの問題集を解いたりしていました。
環境構築
自宅に以下の点に留意して学習環境を整えました。
自宅で予習する。
自宅で試験中の課題に取り組む。
移動中に課題に取り組む。
具体的には下記です。
学習用のデスクを自宅に作成。
電車移動でも使用できる大きさ且つ42Tokyoと同じOSのノートパソコンを購入。
VS Codeをインストールする、githubのアカウントを作る等。
※あくまで私個人の準備です、上記を揃えないと合格が困難な訳では全くありません。
パソコンを初め学習に必要な基本的な環境は校舎に全て揃っています。
Piscine開始
<初日>
メールで指定された日時に指定された場所、
つまり42Tokyo校舎へ向かいました。因みにトップ画像の建物が校舎です。
(画像は42Tokyoホームページより)
校舎に到着すると、既に多くの参加者らしき人達が集まっていました。
年齢も国籍も様々で、一般的な学校とはかなり違う空気感を感じたのを覚えています。
道ゆく人々が見てどの様な集団なのか想像するのは難しいだろうなと感じました。
暫くすると、端末がずらっと並んでいる部屋の中の席の一つに案内され着席しました。
隣の席の方と会話しつつ、暫くの間何か始まるのを待っていたのですが、
「一向に始まらないな」と焦れてきた頃にふと周りを見渡すと、
自身の目の前にある端末に向かい、何やら没頭している人達がちらほらい見えました。
着席した時からヌルッとシームレスに試験が開始されていた様で
「こういった自主性を要求される場なのね」
と何か高揚感を覚えたのを記憶しています。
<初週>
やはり付け焼き刃の予習では太刀打ち出来ず課題文の意味を理解するのもかなり苦戦する状況でした。
自身で色々検索しても中々クリティカルな情報に到達出来ずに苦戦していたのですが、
よく話す様になった他の受験生や、まだ話した事がない方にも話しかけてアドバイスをもらったりしつつ何とか乗り切りました。
Piscine期間中最も心理的に余裕がなかったのはこの初週の前半部分だった様に思います。
初週の中過ぎ頃から環境にも慣れ始め予習が活き始めました。
その頃にチーム課題が始まったのですが、
3人編成でその中に現役のプログラマーの方がいました、
その彼から、「折角だから企業が行うチーム開発の環境を模して進めよう」
という提案がありました。
具体的な内容は省きますが、
運用方法を彼に教えて貰いつつ課題に取り組みました、
普通に課題を進めるだけでも大変だったのですが、
得難い経験で非常に楽しく取り組めました。
が、彼の負担は5倍じゃ効かなかったと思います。
彼には非常に感謝しています。
それ以降チームメンバーとも更に仲良くなり、よくコミュニケーションをとるようになりました。
後、パソコンのOSが変わっていました…あまり不都合はありませんでしたが。
<2週目以降>
2週目以降は割愛します。
が、少しだけ。
たびたび挫折を感じるイベントや心が折れるイベントが発生します。
しかし自分を信じることが難しくなるような挫折を味わっても続けていけば意外と何とかなります。
試験中ふと振り返って「随分遠くまできたな」と成長を実感する瞬間が訪れます。
あと、楽しいイベントもちゃんと沢山あります。
生活リズム
Piscine期間中、一定のペースをなるべく長く維持する為に生活リズムを崩さない様に意識していました。
焦りが募る状況になっても無理はせず、疲れたらたまに少しだけ怠ける。
4週間継続する必要があるので過度に睡眠時間を削るなどは自重する方針でした。
Piscine期間中の主な1日のスケジュールは概ね以下のような感じです。
起床: 10:00
出発: 10:30
到着: 11:30 (移動時間で課題進捗)
学校に滞在
出発20:00
帰宅:23:30
仕事:〜翌3:00
就寝:4:00
当初は更に2時間ほど早いスケジュールを組んでいましたが、満員電車による疲労が想像以上に大きく、途中で上記のスケジュールに。
結果的に、この判断は正しかったと思っています。
期間中は常に「もっとやらなければ」という焦燥感が付き纏います。
しかし、睡眠時間を極端に削るような無理な進め方は、
長期的には学習効率を落とすと考え、出来る限り継続可能なペースを維持する事を意識しました。
後半は疲れも出てもう少し睡眠時間を長くしていたと思います。
私の様な未経験者の場合、「理解しながら進める」という工程自体に余計に大きなエネルギーと集中力を消費するのではないかと思います。
従って、継続的に机へ向かい続けられる状態を維持する事、つまりは体調含めたコンディション維持が非常に重要だったように思います。
Piscineを終えて感じた事
まず、この様な環境を整備し、維持して下さっている運営の方々、支援して下さっている企業や個人の方々へ感謝を伝えたいと思います。
そして何より、共に学んでくれた他の生徒の方々にも感謝しています。
互いに学び合う人達が居なければ、この環境自体成立していません。
この得難い機会を提供して下さり、本当にありがとうございました。
Piscine期間中は、課題進捗や理解度について不安を感じる場面も少なくありませんでした。周囲との差を感じる事も多々ありました。
その中で、未経験の私にとって最も重要だったのは、
「淡々と最終日まで学習姿勢を継続する事」
これに尽きるように思います。
困難が多かった分、最後まで全う出来た時の達成感もひとしおでした。
もし身の回りにプログラミングの学習に興味を持っている人が居たら、
私は迷わずPiscine受験の検討を進めると思います。
合格から少し経ちましたが、現在も何とか落第せず在籍出来ています。
(ギリギリですが…)
課題難易度はどんどん高くなっていますが、それに比例して学ぶ面白さも増している様に感じます。
つまり、合格後の今もなお楽しさは持続しています。
これから先、更に多くの42の仲間が増えていく事を願いつつ、本稿を閉じたいと思います。
では。
