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AIのせいにするのをやめたら、SKILLが育って、自分も楽になった話

この記事について

対象読者

  • AIに思った通り動いてもらえず、つい「使えない」と感じてしまう人

  • AIとの付き合い方を、もう一段楽にしたい人

  • AI活用の記事を読み慣れて、少し違う角度の話を求めている人

要点

  • 「なぜ?」ではなく「どうすれば?」と渡す。これは人にもAIにも効く

  • AIに振り返りを渡すと、出力が変わり、自分の指示(SKILL)も育つ

  • AIへの接し方を変えたら、副産物として自分が楽になった



AIを使っていて、思った通りの出力が返ってこなかったとき、何を思いますか。

「この精度じゃ使えないな」と思っていた時期もあります。

今は、思いません。AIへの感情ではなく、自分の指示を見るようになったからです。この記事はその切り替えと、副産物として起きたことの話です。



「なぜ?」と「どうすれば?」は、別の質問です

心理的安全性という言葉があります。チームマネジメントの文脈でよく出てくる概念で、これを高めるために大事なことのひとつが、コミュニケーションの方向です。

未達だったとき、「なぜできなかったの?」と聞かない。代わりに、「次からどうすれば達成できるか、一緒に考えよう」と言う。

「なぜ?」は責任の追及です。「どうすれば?」は原因の分析と改善の設計です。

質問の形は似ていても、相手に届く意味は別物です。この違いが、相手が動けるかどうかを分けます。


メンバーに、自律的に回してもらう

これをマネジメントの実践に落とすと、こういう形になります。

タスクを渡すとき、進め方を自分で計画してもらう。実行も自分でやってもらう。うまくいかなかったとき、未達の要因を自分で整理してもらい、次からどうするかも自分で考えてもらう。

リードする側は、方向性だけ確認する。

自分で考えたことは、自分で動けます。指示されたことより、ずっと。

──これ、AIにも、たぶん同じです。


同じことを、AIにやってみました

ここからが本題です。

AIの出力がうまくいかなかったとき、「なぜこうなった?」と聞かない(思っても、言わない)。代わりに、何がうまくいっていないかをこちらから具体的に示した上で、こう渡します。

今回うまくいかなかった要因を整理してください。次回以降に同じことを起こさないために、何を変えるべきか考えてみてください。

こうすると、AIは怒られても改善しませんが、振り返りを渡せば、次の出力が変わります。

補足すると、これは同じセッション内での話です。セッションをまたぐと、AIは前のやり取りを覚えていないので、振り返りで出てきた気づきはハンドオフ(次のセッションへ、検討経緯や決定事項を引き継ぐためのドキュメント)として残しておきます。詳しくは別の記事に書きました。


ハンドオフSKILLが、一発で決まるようになった話

私はClaude Codeで、自分用のハンドオフSKILLを作って運用しています。SKILLというのは、Claudeに「こういう手順でやってね」と渡しておく指示書のようなものです。ただ、最初の頃は抜け漏れがありました。

1回のハンドオフで全部が伝わらず、次のセッションで「あれ、これ前回で決まってたよね?」というやり取りが発生する。仕方がないので、2回に分けてハンドオフする運用で凌いでいました。

しばらくして、気づきました。

2回でできるなら、1回でできる余地があるはず、と。

そこでClaudeに、これまでのハンドオフ運用を自分で振り返ってもらいました。何が落ちていたか。どこで落ちていたか。次から1回で済ませるためには、SKILL自体をどう書き換えればよいか。

返ってきた整理を見て、SKILLを更新しました。

そこから、1回のハンドオフで決まるようになりました。

これは「Claudeが賢くなった」のではありません。私のSKILL(指示の設計)が、Claudeの振り返りによって育っただけです。


これは、AIへの配慮ではなく、自分のための話でした

ハンドオフが1回で決まるようになってから、こちらの作業時間も体感で半分以下になりました。「あれ、これ前回で決まってたよね?」のやり取りが消えると、本題にすぐ入れる。SKILLが育つことは、自分の時間を取り戻すことでもありました。

ここで、もうひとつ気づいたことがあります。

「どうすれば?」に切り替えてから、自分のメンタルが安定しました。

AIのせいにしても、状況は何も変わりません。出力は変わらないし、次のセッションも変わらない。残るのは、やりばのない感情だけです。

「どうすれば?」に切り替えると、この感情が生まれません。問題が「設計の話」になるので、自分にできることに視界が定まっていきます。

心理的安全性は、相手のためのものだと思っていました。でも実際にやってみると、リードする側のためでもありました。

AIに「なぜ?」と聞くのをやめてから、SKILLが育ち、自分のメンタルも楽になりました。

AIへの配慮の話を書いているつもりが、自分の話になっていました。

人間相手のときも、同じことが起きていたのかもしれません。

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