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パチスロ依存症の若者が増えている3つの社会的背景【元パチプロが解説】

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パチスロ・ギャンブル依存症は今、20〜30代の若者に急速に広がっています。元プロパチプロが厚労省調査などの公的データをもとに、若年層の依存が増える3つの社会的背景と借金の実態を解説。家族・本人が今すぐできる対処法も紹介します。

結論:若者の依存が増えているのは「意志が弱いから」ではない

先に結論からお伝えします。

パチスロ・ギャンブル依存症が若年層に広がっている背景には、大きく分けて次の3つの社会的要因があります。

  1. スマホひとつで24時間アクセスできる「オンライン化」

  2. コロナ禍以降に広がった孤立と「やることがない」空白時間

  3. 一発逆転を求めたくなる経済的閉塞感と、それに付け込む巧妙な勧誘

これは私が10年以上パチスロ専業で生活し、その後依存から抜け出した経験からの実感であると同時に、厚生労働省や依存症支援団体が公表している調査データからも裏付けられている傾向です。「今の若者は意志が弱い」という個人の資質の問題ではなく、環境そのものが依存を作りやすい構造に変化したというのが実態に近いと考えています。

以下、それぞれの背景を数字とともに見ていきます。

背景①:スマホ普及とオンライン化で「アクセスの壁」が消えた

理由

かつてパチンコ・パチスロは「店舗に足を運ばないとできない」ものでした。この物理的なハードルが、実は無意識のブレーキになっていた面があります。しかし現在は、公営競技のネット投票やオンラインカジノ(違法)が広がり、自宅にいながら、深夜でも、スマホ1台で賭け事ができる環境になりました。

依存症支援団体「ジャパンマック」は、パチンコ・スロットで1日に使える金額はせいぜい10万円程度だが、公営ギャンブルのネット投票では数百万円単位の決済が可能になり、借金の桁が変わってきたと指摘しています。

数字

  • 警察庁委託調査(15〜79歳、27,145人対象のWEBアンケートに基づく推計)によると、違法オンラインカジノの年間の掛け金総額は約1兆2,400億円、生涯経験者は336万人、現在も利用中の人数は196万人と推計されています(出典:警察庁「オンラインカジノの実態把握のための調査研究」報告書、2025年3月時点で報道)

  • 同調査では、経験者のうち約60%が自身にギャンブル依存症の自覚があると回答しています。

  • 厚生労働省・久里浜医療センターの令和5年度調査でも、ギャンブル等依存が疑われる者(PGSI8点以上)は、インターネットギャンブルの利用が増えたと回答した割合が、依存の疑いがない層では3.6%だったのに対し、依存の疑いがある層では約2割に上ったとする分析が報じられています。

背景②:コロナ禍以降の孤立と「やることがない」空白時間

理由

コロナ禍で外出や対面での交流が制限されたことをきっかけに、ギャンブルにのめり込んだ若者が増えたという指摘があります。ギャンブル依存症問題を考える会は、コロナ禍で集客を伴う施設が敬遠される一方でオンライン化が加速し、<cite index="11-1">若者が手軽にアクセスしやすい環境が生まれたとしています</cite>。相談の現場では「<cite index="11-1">やることがないから、ギャンブルに手を出してしまった</cite>」という声が増えたといいます。

孤立は依存症の「入口」であると同時に「出口を塞ぐ」要因にもなります。周囲に相談できる相手がいない、生活のリズムを崩しても誰にも気づかれない、という状況が、依存を深める土壌になっていると考えられます。

数字

  • 同会が依存症当事者の家族を対象に毎年実施しているアンケートでは、<c昨年の当事者463人のうち20〜30代が331人と、全体の約72%を占めました</cite>。2021年以前は60%台で推移していましたが、2022年以降は70%台に乗っています。

  • 特に20代は2021年から30%台を下回ったことがなく、高止まりが続いています。

  • 当事者の借金額も増加傾向にあり、同会の調査では昨年の平均額は1,084万円。前年の968万円から116万円増え、初めて1,000万円を超えました。

秋田県の例では、県精神保健福祉センターとその管内の保健所に寄せられたギャンブル依存症関連の相談件数が、2019年度の68件から2025年度は138件と倍増しています。相談対象者の年代(2024年度)は30代が42%、20代が18%、40代が17%、50代が14%の順で、6割を30代以下が占めています。(出典:秋田魁新報 社説「ギャンブル依存症 若者への対策が急務だ」2025年7月11日)

背景③:経済的閉塞感と、それに付け込む巧妙な勧誘

理由

将来への不安や収入の伸び悩みを抱える若者にとって、「一発逆転」を期待させるギャンブルの誘惑は強くなります。さらに近年は、SNSや動画配信を通じた広告・アフィリエイトが、違法性の認識が薄いまま若者を誘導するケースが増えています。

ギャンブル依存症問題を考える会が実施したオンラインカジノ経験者への緊急アンケートでは、始めたきっかけとして「広告やSNSで見かけたから」が23.7%、「YouTubeや配信サイトで見て興味を持ったから」が22.6%を占めました。入口の多くがSNSや動画という「日常的に触れるメディア」になっている点が、これまでのギャンブルとの大きな違いです。

そして怖いのは、依存から借金、そして犯罪への距離が極めて近いことです。同アンケートでは、オンラインカジノが原因の犯罪行為が「あり」と答えた人が46.2%にのぼり</cite>、その内容には口座売買や携帯電話の転売、詐欺といった、いわゆる「闇バイト」に手を染めてしまったケースも含まれていました。

数字

  • オンラインカジノを始めてから借金するまでの期間は「1週間以内」が30.1%、「1か月以内」が33.3%で、合計すると6割超がわずか1か月以内に借金に至っています。

  • オンラインカジノが違法だと「知らなかった」と回答した人は52.7%と過半数を超えました。(出典:ギャンブル依存症問題を考える会「オンラインカジノ経験者への緊急アンケート」2025年3月7日)

  • 厚生労働省・久里浜医療センターの令和5年度調査(全国18〜75歳未満、有効回答8,898件、2024年8月30日公表)では、ギャンブル等依存が疑われる者(PGSI8点以上)は全体の1.7%、年代別では20代0.9%、30代2.1%、40代2.4%と、40代が最多ながら20〜30代にも一定の広がりが確認されています。過去1年に最もお金を使ったギャンブルの種類は、パチンコ46.5%、パチスロ23.3%の順でした。

まとめ:構造の変化を知ることが、抜け出す第一歩になる

3つの背景を数字とともに振り返ると見えてくるのは、若者の依存拡大は個人の弱さの問題ではなく、環境の構造変化の結果であるということです。

  • スマホでいつでもアクセスできる

  • 孤立が依存の引き金にも逃げ場のなさにもなる

  • SNS広告が「知らないうちに」入口になっている

だからこそ、「自分の意志が弱いから」と自分を責める必要はありません。同時に、「自分は大丈夫」と思っている人ほど、この3つの構造に無自覚にさらされているとも言えます。

もし今、ご自身やご家族のギャンブル・パチスロとの付き合い方に不安を感じているなら、一人で抱え込まず、まずは公的な相談窓口に触れてみることをおすすめします。

  • 各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター(ギャンブル等依存症の相談に対応)

  • 依存症対策全国センター(厚生労働省)

  • ギャンブル依存症問題を考える会 相談専用電話:070-4501-9625

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出典一覧(確認済み情報)

  1. 厚生労働省・国立病院機構久里浜医療センター「令和5年度 依存症に関する調査研究事業 ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」(2024年8月30日速報公表)

  2. 警察庁「オンラインカジノの実態把握のための調査研究」業務委託報告書(2025年3月時点で依存症支援団体ジャパンマックが紹介)

  3. 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会「オンラインカジノ経験者への緊急アンケート」(2025年3月7日)

  4. 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 当事者家族向け年次アンケート(河北新報、Yahoo!ニュース配信記事より、直近1年分のデータとして紹介)

  5. 秋田魁新報「社説:ギャンブル依存症 若者への対策が急務だ」(2025年7月11日)

※上記はいずれも報道・公的機関の公表情報に基づく数字です。個別の医療機関や相談機関ごとの内部データではなく、それぞれの調査主体・調査時期・対象年齢層が異なる点にご留意ください。確認できなかった情報(例:パチスロ単独での若年層限定の全国統計、直近半年間の月次推移など)は、本記事では言及を避けています。

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