夏休み終盤、ママドナルド開店します。
テレビでは、メジャーリーグドジャース対パドレス戦。大谷とダルビッシュが戦っていた。私は、ぎこぎこロールパンに切れ込みを入れていた。
昨晩テレビを見ていた次女が、黄色と赤のあのお店の月見バーガーを見て、「ハンバーガー食べたい!!」と叫んだ。子どもたちの「行きたい行きたい〜!!」コーラスが響く。
いつも賑やかなCMを流してくれるあのお店。美味しそうなハンバーガーにはそそられるけど、いつ行っても、お店の前には行列。わざわざ並ぶのも抵抗がある。
お店への憧れもわかるけど、子どもたちよ、要はハンバーガーが食べたいのよね。
じゃあ、みんなで作ったらいいじゃない。
「あしたのお昼ごはんはハンバーガーまつりにしよっか。ハンバーグとパンを買ってきたら、自分で作れるよ」
というと、次女の表情がパッと華やいだ。「やったーーー!」と部屋中に声が響いて、「ママがやるから、ママドナルドだね!」と誰かが言った。すごい、一声でハンバーガーの魔法にかかった。
翌日、ロールパンとハンバーグを買ってきた。
パンに切れ込みを入れたら、レタスをちぎって、トマトをスライスする。この、パリッとした感触。トマトの果汁滴る感じも心地よい。
ハンバーグを焼き上げる。肉だねがフライパンの上でジュワジュワと音を立てると、「いい匂いしてきた!!」と子どもたちが集まってきた。
フライパンをテーブルの真ん中に置いたら、レタスとトマトの入ったザルを横に添える。ケチャップとハニーマスタード、マヨネーズを並べて、お皿の上に一つずつパンを乗せたら完成だ。
席についた子どもたちが、ワイワイ言いながらパンに野菜とハンバーグを挟んで、とろーりソースをかける。
「パンがちぎれた〜!」と叫ぶ次女に、「大丈夫大丈夫」と声をかけていると、息子が「ゴマ!!!」と叫ぶ。息子がロールパンの上にゴマを散らすと、お皿周りのテーブルがつぶつぶ模様になった。
「いただきまーす!!!」
めいめいが、小さな口を大きく開けて、がぶり!
「おいしいねぇ〜」
「お肉が大きい!!」
「ねぇねぇ、ママ、これまた作って!」
「ママドナルドでーす。ドリンクは何がいいですか?」
「ぎゅうにゅうくださーい!」
「あ、大谷くんが打つよ!いけ!ホームラン!!」
「あ〜、とられた!ざんねん!」
いつものことだけど、賑やかな食卓だ。まつりなだけに、情報が渋滞している。
「ハッピーセットのおもちゃください!」
「おもちゃは、このおもちゃ箱からお好きなものをお取りくださーい」
「あ!!!沖縄尚学が勝ったって!!!」
テレビの上部に、甲子園の優勝校を告げるテロップが流れてきた。あわててチャンネルをNHKに合わせると、額に汗を光らせて、感極まる表情を浮かべた球児たちが映った。連日の熱戦も終わってしまった。
ハンバーガーをほおばりながら、過ぎゆく夏休みを思う。頭の中で一瞬、蛍の光が流れて消えた。ママドナルドの魔法も、夏の終わりと一緒に溶けていった。
以下の企画に参加させていただきました。
やまだめぐみさん、素敵な機会をありがとうございました。
