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「ロダン早乙女の事件簿 SECOND・CONTACT」怨嗟の鎖    第三十三話

「今までの報告を整理しましょう。

  森二神さんは娘であった。
  弥刀井さんが子孫だと知っているのは母親から聞いている。
  中心はやはり、森二神さん
  子供なのか孫なのかそれとも親戚かが鳩で連絡を取っている。
  昨日の夕方から今日の朝までに誰かがやって来た。
  鳩は六羽

 になります。では、ここでまだ、誰にも話していないことがあります。三枝巡査お願いします。」

「昨日教授に言われてスマホと電池切れ対策の為バッテリーを繋ぎ木の枝に括りつけ設置しました。後藤捜査一課長のご協力のもと、森林を映すとして国と都の許可は得ています。それに集落への通り道ですので問題はありません。パソコンを持って来ておりますので今からみなさんと一緒に見てみたいと思います。」

 少し感心している佐々木刑事が、
「お前、いつの間にそんな命令を受けていたんだ。」

「二度目に行く前に、教授からメモとスマホを預かり。着いてすぐに設置しました。」

「なかなか素早いな。」

「ありがとうございます。用意ができましたので、動画を再生します。」

 佐々木刑事が、何か現れるまで早送りできないのかと言い、カーソルで進めますと返答し、かなり早く進めた。

 深夜二時ごろまで行くと遠くにヘッドライトが映った。近づいて来た時に、そこで止めて下さいと言った。

 佐々木刑事、加藤刑事、伊藤さんそして私が一斉に、驚きの声を上げた。

 その様子を見ていた多々良刑事が、
「何だ、お前ら、みんなして。まさか知ったやつか。」

 佐々木刑事が、右手をこぶしにして机をたたきながら、
「横の女は知らないが、運転している方の男は、さっき早乙女教授に話していた奴だ。橘結衣という犯罪者の弟で浅倉甲衣だ。

 早乙女教授に逆恨みして中傷のビラを学内にばら撒いていたやつだ。俺は結衣と同級生なので何回か会ったことがある。それに、今日教授の大学であったところだ。」

「何だとすぐに引っ張るぞ。」

 止めるように加藤刑事が、
「多々良刑事、何の容疑でですか。」

「誹謗中傷のビラを撒いていたのであれば、教授への名誉毀損だ。」

「それであれば、先に教授に聞くべきではないでしょうか。」

「教授どうですか。」

 ロダンになった。

 最初の会議で見せたが、多々良班は初めてなので、何事かと思い、教授と大きな声を呼び掛けたが、伊藤さんが、しばらくお待ち下さいと言った。

 佐々木刑事に何だこれはと聞いていたが、取り敢えずしばらく待てと言われていた。

 ロダンが解けると、
「多々良刑事、今は彼の所在と、隣に乗る人の素性を突き止めることに全力をつくしましょう。私たちも午前中での会議で、あの森二神さんが中心人物であることに間違いがないと考えました。そして次のターゲットはまだ捕捉されていないとも判断致しました。

 しかし、多々良刑事のおかげで化かし合いにピリオドが打てそうです。
 だから相手の出鼻をくじくことが可能になりました。このことは上席には報告しますが、会議全体では発表しません。先走ってこちらの動きを察知されたくありませんから。

 なぜなら、今のところ何の証拠もなく、何の疑いも持つ要素がないからです。だから取り調べる理由がありません。もしも任意で取り調べればそのまま証拠不十分で釈放後逃げられるかもしれません。だからこの情報は共有して下さい。お願いします。」

 多々良刑事は少し不満気であったが、上席には報告するということから承知してもらったが、その報告には立ち会うとのことであった。佐々木刑事が信用せんのかとバチバチであったので、水野係長を呼びこの場で話した。

 水野係長が上席には報告するが、ここでの捜査は教授に一任されているので、しかるべくと言って出て行った。

 捜査に素人な三枝巡査が、
「係長が、しかるべくと言っていましたが、あれはOKということですよね。」

 伊藤さんが優しく説明していた。
「しかるべくというのは、積極的にはOKではないですが、一応従いましょうという意味です。本当は、捜査会議に報告してほしいとは思っているのではないでしょうか。」

 その後の会議室はさながら討論会のようになっていた。佐々木刑事と多々良刑事が激論を交わしていた。

 教授の方法にまだ慣れない多々良刑事は、
「何故、みんなで共有してはいけないんだ。」

 なだめにかかっていた佐々木刑事が、
「ブンやと繋がりのある者もいるだろう。」

「そこから漏れると言うのか。仲間が信用ならんのか。」

「できるだけ少人数で漏洩防止を図っているだけだろうが。」
 
 ここは説明するべきと思い、
「多々良刑事が言われるのもごもっともです。ただ、此処の班の方向は捜査から離れることもあるため、他の方と共有しにくいからです。色々とご不満もあるかもしれませんが、もう少し私にお付き合いください。お願いいたします。」

「分かりました。さっきは、わざわざ水野係長を呼ばれて了解を得て頂いておりますし、自分勝手にされている訳ではないことは理解できました。了解です。」

 二人はまだ、わだかまりはあるようだが前向きに行く雰囲気にはなった。

 その後は、犯人像についての話になった。
 否定のしあいではなく本当の主張のぶつかり合いだった。会議室は一つの塊として機能しだしたと思った。

午後6時

 6時になり捜査会議が始まり、水野係長含め上席は何も触れずに、会議は終わった。約束を守っていただいた。

 今日は、このまま送ってもらうことにした。伊藤さんの自宅ではいつものようにお母さんの出迎えを受けお詫びをしたあと出発した。その後家まで送っていただき、玄関先でお別れした。

 百合が作ってくれた食事をとった後、眠りについた。


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