『氷菓』福部里志の生き様に憧れて。
「データベースは結論を出せないんだ」
というセリフでお馴染みの彼。
飄々としていて掴みどころのない面ばかりが目立つが、
天才である主人公に対して嫉妬心を燃やすくらいの人間味もある。
そんな彼の”生き方”に、
私は今、深く感化されている。
だって、
彼を彩るものは「自由」そのものなのだから。
彼の生き様を一言で表すなら、
「こだわらないことにこだわる」だ。
「それって矛盾してない?」って思うかもしれない。
けれど、彼のその徹底ぶりは本当に圧巻だ。
例えば、彼の代表的なエピソードに、
好きな女の子からのバレンタインチョコを受け取らずに
隠してしまう(盗まれたように偽装する)というものがある。
なぜそんなことをしたのか。
彼は、そのチョコを受け取る’と(付き合う)、
かつての
「何事にも勝ち負けを競い、執着していた自分」に戻ってしまうのではないかと恐れたからだ。
それほどまでに、
彼は今の「何事にもこだわらない自由」を愛し、守ろうとしている。
重要なのは、彼が元から淡白だったわけではなく、
「元々はものすごくこだわりの強い性格」
だったということだ。
作中の回想でも、
主人公との勝負にムキになってこだわっていた過去が描かれる。
そして本人は、当時の自分をこう振り返る。
「つまらなかったね。はっきりいって。」
このセリフを見たとき、思わず胸がチクリと痛んだ。
だって、それが今の自分そのものだったから。
何事にもこだわってしまう完璧主義。
それが良い意味で作用することもあるけれど、
今の私は自分の「こだわりっぷり」に悩まされてばかりいる。
「こんな性格、やめたい」ってちょうど思っていた。
そんなときに出会ったのが、
福部里志というキャラクターだった。
過去の自分を受け入れ、
あえて何事にも執着せず、
目の前の出来事を目一杯楽しむ哲学。
私は今、
そんな彼の生き方に心から憧れている。
<『氷菓』について>
米澤穂信の推理小説シリーズ『〈古典部〉シリーズ』の第1作にして著者のデビュー作。文化系部活動が活発なことで有名な進学校、神山高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女4人が、学校生活に隠された「謎」に挑む。主に、主人公であり探偵役でもある折木奉太郎一人称で語られる。
<福部里志について>
語り手たる奉太郎中学時代からの友人で、神山高校1年D組に在籍するクラスメート。「似非粋人」(by.奉太郎)。
性格は飄々としていて掴みどころがなく、楽しむべきところは目一杯楽しむことを目的としているような、奉太郎とは真逆の人物。
<参考兼引用>
また会う日まで。xoxo.
