【詩】はと
颯爽というわけではないが
暑さにだれているようでもなく
ホームの点字ブロックを
はてなはてなと歩いていく
そういえば
鳩の体温よりは低いのだっけ
この肌に汗をはりつけて
動かない熱気
そうだ
脱衣所だ
次の人に早く籠を譲らなきゃと
焦って体を拭いても拭いても
一向に拭き取れない
あ つ い
三文字が頭いっぱい占拠して
気がつけば鳩といっしょに
ホームの端だ
はてなはてなと
その小さな頭の中は
何か暑い以外のことを考えてるんだ
もうすぐホームが途切れてしまう!
切りっぱなしになった陽炎の向こうに
あっさりと鳩は飛び立っていった
そうだよな
鳩だもんな
取り残されて慌てて
わたしは電車の一両目に
かけて戻った
