片手鍋焙煎で、少し手応えを感じた日
少し違った一杯になったこと
先日、ホンジュラス産の豆を焙煎した。
片手鍋での自家焙煎は、同じように向き合っているつもりでも、そのたびに少しずつ表情が変わる。
だからこそ、焙煎した直後に口にした一杯が、思っていたより静かにまとまっていると、それだけで印象に残る。
今回の豆は、強すぎる苦味ではなく、やわらかな甘さが先に見えて、あとから少しだけミルクチョコレートのような余韻が残った。
派手ではないけれど、飲み終えたあとにもう一度確かめたくなるような、そんな感触があった。
整ってきた感覚
自家焙煎をしていると、見た目だけではわからないことが多い。
きれいに見えても味が軽いこともあるし、少し不安があっても、カップの中で印象が変わることもある。
今回よかったのは、苦味、甘さ、わずかな酸の感じ方が、どれかひとつだけ前に出るのではなく、全体として静かにまとまっていたことだった。
しかも後味は重たく残らず、すっと引いていく。
その自然さが、焙煎したての一杯としては少し意外で、同時に、これまで積み重ねてきた小さな調整が、ようやくどこかで噛み合ってきたのかもしれないと思わせてくれた。
まだ途中だからこそ面白い
もちろん、これで答えが出たわけではない。
焙煎したてで良かった豆が、少し時間を置いてどう変わるのか。
甘さはもう少し開いてくるのか、チョコレートのような印象はもう少し長く残るのか。
その先は、まだこれから確かめることになる。
でも、自家焙煎の面白さは、完成を言い切ることよりも、こうして少しずつ輪郭が見えてくるところにある気がする。
今回のホンジュラス産の豆も、終わった一回というより、次の一杯が少し楽しみになる途中の記録として残しておきたい。
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