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55歳、クラウドワークス初面談。ラーメン屋さんのチラシのはずが、気づいたら人生を棚卸しされていた件。

前回の記事で、私はこう書いた。

「たぶん明日は緊張する。たぶん声も少し上ずる。たぶん面談後に、ひとり反省会をする。」

全部当たった。

ただ、想像していた反省会とは少し違った。

「うまく話せたかな」ではなく、「これって……普通の面談じゃなかったんじゃ?」という方向に、じわじわ転がっていったのだ。


ラーメン屋さんのチラシのはずだった。

今回応募したのは、ラーメン屋さんのチラシ制作案件。

私が想定していた面談はこうだ。

「ラーメンの写真はありますか?」 「メニューと価格はこちらで用意します」 「納期は来月末で」

以上、解散。

ところが実際の面談で、ラーメンの話はほぼゼロだった。

代わりに出てきたのは、私の人生。

あれ?私、今どこにいる?

相手はラーメン屋さんではなかった。

画面の向こうに現れたのは、息子よりも若い、さわやかな青年だった。

感じが良い。丁寧。話しやすい。

私は思った。

(息子くらいだな)

思っただけでよかった。言ってしまった。

「息子ぐらいかなと思って……しっかりされているなと思ってました」

55歳、初対面の仕事相手に言う台詞ではない。

○○さんは笑って流してくれた。懐が深い。ありがたい。

その後、○○さんの自己紹介が始まった。
ラーメン屋の現場の人ではなく、間に入ってサポートする立場の方らしい。

そして、さらっと出てきた。

「エンジェル投資家のようなこともしています」

……エンジェル投資家?

え、なにそれ。
エンジェル投資家。

私の語彙の中に、エンジェル投資家はない。。。

なんかすごそうな単語だけど、なんかよくわからない。
てか、なんか、怪しくない?

ラーメン屋さんのチラシ案件に応募して、なぜエンジェル投資家の話になっているのか。

私の警戒心が、そっと手を挙げた。

でも感じがいい人だったので、そのまま続きを聞いてしまった。
これがよくなかった。

褒められて、浮かれた。

自己紹介では準備通りに話した。

小売業でエリアマネージャーをしていたこと。今はCanvaとFigmaでチラシやバナーを作っていること。Illustratorはまだ使えないこと。

できないことを正直に言うのは怖かった。でも「できます」と言って地獄を見るよりはいい。

すると○○さんが言った。

「さすがエリアマネージャーの貫禄があるなと思って聞いていました」

貫禄。

画面越しに出ていた、エリアマネージャーの貫禄。

ポートレートレタッチでも消しきれなかった管理職感。

そして極めつけ。

「30代に見えますよ」

ありがとうございます。
シーボン様。スタジオライト様。ティッシュ様。
全員の勝利です。

まぁこれも、冷静になって今思えば
相手の手口だったんだとおもう。

これがよくなかった。

気づいたら、ラーメンの湯気が見えなくなっていた。

褒められて気が緩んだ頃から、面談はチラシとは無関係の方向へ転がり始めた。

「どうなりたいんですか?」
「Webデザインだけにこだわっているんですか?」
「情報収集はどうやってやっていますか?」

私も答えた。答えすぎた。

販促経験を活かしたい。LPも作れるようになりたい。

言った瞬間に思った。

待って。

ここ、ラーメン屋さんのチラシの面談よね。

なぜ私はキャリアビジョンを熱く語っているのか。

ラーメンの湯気が、完全に見えなくなっていた。

そして○○さんは静かに言った。

「ゴールはあると思うんですけど、そこに行くまでの道順がまだ整理されていない感じがします」

グサッときた。

的確。

まあそうだよな。

55歳、ラーメン屋チラシの面談で、キャリアの解像度を突きつけられる。

「怪しい案件じゃないんですか?」と聞いてしまった件。

後半、○○さんが聞いた。

「近くに業界に詳しい人はいないですか?」

「いないです。全く。今後も人生の中で会わないと思います」

即答した。

するとさらっと言われた。

「もしよかったら、知り合いのWebディレクターを紹介できるかもしれません」

私の中でアラームが鳴った。

ピコン。

なんで?

今日初めて会った55歳に、なぜWebディレクターを紹介してくれるんですか。

私は聞いた。

「○○さんに何のメリットがあって、私にそんなWebディレクターさんを紹介してくれるんですか?」

そして、言ってしまった。

「これって何かの怪しい案件じゃないんですか?」

初対面の相手に言う言葉ではないかもしれない。
でも聞かずにはいられなかった。

○○さんは答えた。

「先ほどお伝えしたエンジェル投資家として、
ほぼボランティアでやっているので」

……ほぼボランティア?

いやいや、絶対怪しいやろ。。。

その場では「ありがとうございます」と言った。

でも心の中では、ほぼボランティアで見ず知らずの55歳を動かそうとするエンジェル投資家とは何者なのか、という疑念が静かに、でも確実に育ち始めていた。

そしてふと気になって、聞いてしまった。

「……で、○○さんって結局、本業は何をされてるんでしたっけ?」

○○さんは答えた。

「集客や投資などをしていて、会社の経営者から相談を受けてコンサルのようなこともしています」

なるほど。コンサル…

私はさらに聞いた。

「マッキンゼーみたいな、ああいうコンサルですか?」

○○さんは少し間を置いた。

「……うーん」

ちょっと詰まって考えていた。


55歳、ラーメン屋チラシの面談で、謎の「うーん」をもらって終わる。

面談後に読んだ記事で、全部つながった。

面談後、なんとなく気になってクラウドワークスの
怪しい面談について書かれた記事を読んだ。

そこに書いてあった内容が、昨日の面談とほぼ一致していた。

案件の話より人生の話になる。将来の可能性を深掘りされる。
業界の人脈や紹介の話が出る。
感じがいいから、こちらも話してしまう。

読んだ瞬間、思った。

昨日の面談と同じやん

ラーメン屋さんのチラシは、入口だったのかもしれない。

腑に落ちた。と同時に、少しじわっとした。

あんなにキャリアを語ったのに。むかつくわ。

でも、こうして情報を公開してくれているnoteのクリエイターさんたちの
おかげで、私はひとつ賢くなれた。
ありがとうございます。本当に。

これからも、こういう失敗を経験していくしかないんだろうな。。。

それでも、やめない。

正直に言う。

ラーメン屋チラシは、たぶん不採用だと思う。
というかそもそも、チラシが目的の面談ではなかったのかもしれない。

でも、デザインの勉強はやめない。クラウドワークスも続ける。

次からの教訓はこれだ。

仕事の話が出なかったら立ち止まる。
人生相談になったら戻す。
紹介の話が出たら条件を確認する。
褒められても浮かれない。

55歳、たった1回の面談で
かなり賢くなった。

期待しすぎず、
疑いすぎず、
でも前に進みます。

たぶん。。。





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