結婚祝いの相場とマナー|友人・親族・上司への関係別ガイド|ご祝儀袋の書き方から品物選びまで
「招待状が来た瞬間、嬉しさより先にご祝儀いくら包む?が頭をよぎる」。
そんな経験、ありませんか。30代になると、友人の結婚式が増えて、親族や職場の後輩からも招待されるシーンが出てきます。「相場ってどのくらい?」「ご祝儀袋の書き方は?」「品物を贈るならどんなマナー?」と、聞きづらいけど誰もが一度は迷う疑問が次々に出てきますよね。
日曜の連載「ゆるっとギフト読本」第4回。今日は、結婚祝いの相場とマナーを関係別に整理する読み物をお届けします。6月のジューンブライド、秋の結婚式シーズン…これからの結婚式ラッシュに向けて、お茶を淹れてゆっくり読んでみてください。
まずは「結婚祝い」の基本を3分で
結婚祝いには、大きく分けて2つの形があります。
ご祝儀(現金):結婚式に出席する場合の主流。受付で渡す
品物(プレゼント):式に出席しない場合、または別途気持ちを伝えたい場合
ご祝儀の金額には関係別の相場があり、知っていれば堂々と渡せます。品物を贈る場合はマナー違反になる品があるので、避けるべきものを把握しておくと安心。今日は両方をひととおりカバーします。
関係別ご祝儀の早見表
ご祝儀の金額相場をシンプルにまとめると、こんな感じです。
友人:3万円
上司・職場関係:3〜5万円
親族(兄弟姉妹):5〜10万円
いとこ・甥姪・おじおば:3〜5万円
式に欠席する場合:5,000〜15,000円
「友人だから2万円でいいかな」と考えがちですが、2は割り切れる数字で別れを連想させるためNGとされています。3万円か、どうしても予算が厳しい場合は1万円札1枚+5,000円札2枚(合計2万円)で枚数を奇数にする裏ワザもあります。
また、4万円・9万円は死・苦を連想するので絶対に避けてください。連名で集めるときも、合計額が4・9にならないよう注意が必要です。
ご祝儀袋の選び方と書き方
ここがいちばん「分からなくて固まる」ポイントですよね。順番に押さえていきましょう。
水引は「結び切り」または「あわじ結び」
結婚は「一度きりであってほしい」お祝いなので、ほどけない結び方を選びます。
結び切り:ぎゅっと固く結んでほどけない結び方
あわじ結び:8の字にクロスして引っ張ると固く結ばれる、慶弔どちらもOK
「蝶結び」は絶対NGです。何度でも結び直せる蝶結びは「再婚」を連想させるため、結婚祝いには使えません。これだけは絶対に間違えないでください。
表書きは「寿」または「御結婚御祝」
水引の上の真ん中に書く表書きは、「寿」または「御結婚御祝」が基本。「結婚御祝」だけだと4文字で縁起が悪いとされるので、「御」を足して5文字にするのが一般的です。
水引の下には贈り主のフルネームを、表書きより少し小さめに書きます。連名は3名までが目安、4名以上は代表者名+「外一同」と書きます。
新札を、肖像が表・上向きに
ご祝儀袋に入れるお札は、新札(ピン札)を用意します。前日までに銀行で両替しておきましょう。お札の入れ方は、人物の肖像が表面・上側(開け口側)になるように。これは「お祝いを喜んで受け取ります」という意味が込められているそうです。
中袋の金額は旧字体で書くのがマナー。「壱萬円」「参萬円」「伍萬円」「拾萬円」と書きます。難しいようですが、結婚祝いを贈るたびに使う知識なので、一度覚えると一生ものです。
渡すタイミングのマナー
ご祝儀を渡すタイミングは、シーンで変わります。
結婚式に出席する場合
受付で袱紗(ふくさ)から取り出して両手で渡すのが正式。袱紗の色は紫・赤・ピンク・オレンジなどの暖色系を選ぶと、結婚祝いに使えます(紫は慶弔両用)。
「本日はおめでとうございます」と一言添えると、より丁寧な印象になります。
式に欠席する場合・式なしの場合
吉日に新郎新婦の自宅へ手渡しするか、現金書留で郵送します。郵送する場合は、ご祝儀袋を現金書留封筒に入れて送ります。挙式の1〜2ヶ月前から1週間前までに届くようにするのがベスト。
品物を贈る場合
挙式の1〜2ヶ月前から1週間前までに届くように送ります。新居が決まっていない場合や、引っ越しの予定がある場合は、相手の都合を確認してから贈るのが配慮です。
品物を贈るときのNGリスト
結婚祝いに「贈ってはいけないもの」は、昔から伝わるマナーとしていくつかあります。
刃物(包丁・ハサミ):「縁を切る」を連想
割れ物(鏡・陶器・グラス):「割れる」「壊れる」を連想
日本茶:弔事を連想
ハンカチ:「手巾(てぎれ)」=「手切れ」を連想
ただし、新郎新婦が本人希望でリクエストしている場合は問題ありません。最近はペアグラスやキッチン用のナイフセットを希望されるケースも増えていて、「本人の希望が最優先」という空気になっています。事前に欲しいものを聞ける関係なら、リクエスト確認が一番確実です。
内祝い(半返し)まで知っておくと、新郎新婦側になったとき安心
結婚祝いをもらった側がする「内祝い」のマナーも、簡単に押さえておきましょう。
相場:いただいた額の半額〜3分の1(半返し)
タイミング:挙式から1ヶ月以内に送る
水引:紅白または金銀の結び切り(10本)
表書き:「寿」「内祝」「結婚内祝」
のし下:新姓(夫婦の新しい姓)または夫婦連名
10本の水引は「5本×2=両家の結びつき」を意味する、結婚祝い・結婚内祝い専用の本数です。
ちょっとした体験談
百貨店時代、結婚祝いを選びにいらしたお客様の中で、いちばん印象的だったのは20代女性の友人代表グループでした。
「友達3人で5,000円ずつ集めて、合計1万5,000円。何贈ればいい?」と聞かれて、「現金1万5,000円より、3人連名でカタログギフトのほうが新郎新婦の自由が利きますよ」と提案しました。後日、その方から「カタログギフトで選んだ新居用の食器を、新婚旅行から戻った夫婦が早速使っているとSNSに写真を上げてた」と教えてもらえて、贈った側の温度感まで含めて成功した記憶があります。
逆に、50代の男性のお客様で「部下の結婚式に5万円包もうと思ってる」と相談された方には、「相場は3〜5万円なので5万円なら立派です。袋もそれに合わせて水引10本のものを選ぶと整います」とご案内したら、「こういうの誰も教えてくれないんだよね」とぽろっと本音をこぼされたのを覚えています。
結婚祝いのマナーって、誰もちゃんと教えてくれないけど、知っていれば一生使える教養なんですよね。
さいごに|マナーは「気持ちを正しく届ける翻訳機」
結婚祝いのマナーって、最初は「ややこしい」と感じるものですが、ひとつひとつに意味があるのが面白いところ。
結び切りは結婚は一度きりの願いを込めて
新札はお祝いの準備をちゃんとしてきましたのサイン
旧字体の金額は改ざんを防ぐ古来の知恵
意味を知ると、マナーは相手を縛るものじゃなくて、自分の気持ちを正しく届けるための翻訳機だと感じられるようになります。
「ゆるっとギフト読本」では、これから毎週日曜日に、こうした贈り物にまつわる文化や知識をお届けしていきます。来週は別のテーマ(おそらく出産祝いのマナーと相場)を扱う予定です。「結婚祝いの次は出産祝いを学んでおきたい」という方は、よかったらまた覗きに来てくださいね。
日曜の朝のお茶のお供に、また次の記事でお会いしましょう。今週の招待状が、笑顔で出せますように。
