大好きなホテル
小さい頃、お金に困ると思ってなかった
他人のことなんてどうでもよかった
友達の家でテニスをしても羨ましくなかった
別荘の話や海外のお土産やコンクールの話も
なにひとつ羨ましくなかった
だって心底どうでもいい
私が一番私の人生を楽しんでいて、幸せだった
大好きな家族と大好きな家でのんびり暮らす
学校から帰ったら大好きなお茶菓子をお供にママといろんな話をする
勉強は嫌いだから先に愛犬と並んでお昼寝
長期休みはお気に入りのホテルで緑に囲まれて過ごすの
ずっとそんな生活が続くと思ってたのにどこで間違えたんだろう
大好きなホテルはもう誰も私に気づかない
おむつも変えてくれた支配人さんは引退された
我儘娘の無理難題もいつだって笑って叶えてくれた
次に自分のお金で行くときは絶対にもうわがままなんて言わないから私に気づくことなんてなくていいから大好きなあの時間をどうか変わらず過ごさせてください
今はまだ大好きなお茶菓子を買う余裕もないけれど、大好きなホテルで大好きな人とただのびのび過ごす時間が大好きなんだ。
これを書いたのは1年前。
そして昨年、10/2にリニューアルオープンした大好きなホテルこと『万平ホテル』に1人で泊まってきた。
まだ大好きな人ができない私は大好きな私と女1人自分のためだけの旅行をした。
風俗を辞めて、毎日コツコツ働いたカフェバイトのお給料で行った。
毎年泊まっていた、旧ウスイ館書斎タイプのお部屋
リニューアルに伴い無くなってしまったと教わり、同じ景色だけでもと配置が同じ部屋をお願いした。
部屋の内装は正直全然違うな、あの大きな書斎机は無くなってしまったし、コンセントの配置もすごく使いにくい。部屋中央の机で仕事しようとしたら、どこのコンセントからも少しだけコンセントの長さが足りない。惜しい。
でも変わらないバスルームと変わらないベッドから見える緑豊かな景色は私に最上級の癒しの時間をくれる



肌寒いくらいの涼やかな風を感じながら旧軽を散歩し、思わぬお土産で大荷物になってしまっても、
変わらない廊下が帰ってきたんだと安心感を与えてくれる。


メインダイニングも変わらない豪華で安心感のあるまま、お客さんの少ない時期だからか、スタッフの方々も今までで1番近く手厚く接してくださったようにすら感じる。
来てよかった。
フレッシュな新しいスタッフの方々、
探り探り冒険しようとする昔からのスタッフの方々、
変わったこと、変わらないこと、
そのすべてをより良い宿泊のために考え抜いて
それでもなお私が久方ぶりだと知ったスタッフの方からより良い変化へのフィードバックを求められて
あぁホスピタリティを本当に大切にしてくれている
これは本物の昔ながらの万平ホテルだと心から嬉しく思った。

と部屋で軽井沢高原ビールを片手に当時宿で書いた下書きを消化している2025年夏。
やっぱり今年も秋に泊まりに行こうとしている。
