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部下の成長と自律を引き出す1on1の新常識 5つの黄金ルールとは?

多くの企業で導入されている1on1。現場では「時間がない」「効果が見えない」「テーマがない」などの声が多く聞かれます。「忙しい業務のなかで1on1にかける時間を捻出するのは難しい」「成果が見えにくく、続ける意義を感じにくい」「部下が1on1に対して消極的で、話が弾まない」といった悩みは、管理職や部下にとって大きなストレスとなっています。
 
信頼関係がある程度できている部下とは1on1がうまくいくことが多いですが、信頼関係ができていない部下との1on1では「話すことはありません」と言われたり、質問にも協力的でないことが多々あります。しかし、上司としては信頼関係改善と1on1を同時に進めるしかありません。そこで必要なのが、1on1の仕組化、行動の特化、行動に至る言語化です。
 
※本稿は、小川隆弘、・著『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版ブランディング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

1.1on1の本質:部下の成長と自律を促す方法

1on1の成果として最も重要なのは「部下の成長」、つまり「成果と自律」です。著者の小川氏は、部下にとって話しやすく安全な場をつくり、部下に語ってもらうことと、その語りを引き出す仕組化が重要であることを強調しています。これまでにない新しい視点から1on1の本質に迫り、具体的な方法論を提供しています。
 
具体的なアプローチとしては、部下に対する適切なフィードバックの方法、信頼関係の築き方、部下のモチベーションを引き出すためのコミュニケーションなどです。これらの手法を実践することで、部下は自分の意見を自信をもって発信できるようになり、結果として自律的に業務に取り組むようになるといいます。
 
小川氏は、1万時間に及ぶ現場経験を通じて1on1の効果的な進め方を学んだ、といいます。そしてご自身が実際に高い成果を出されています。その知見をもとに、成果を出し、自律を高め、1on1を続けるための具体的な方法を提示しています。
たとえば、部下が話しやすい環境を整えるための心理的アプローチ、部下の成長を促すための目標設定、1on1を継続するためのモチベーション維持のコツ、などすぐに現場で役立つものでした。

2.効果的な1on1の進め方:基本ステップと実践例

まず前提の確認として、1on1の基本的な流れは以下のとおりです。ただし、状況に応じて柔軟に進めてください。
 
①雑談する
②部下の体調を気づかう
③感謝を示す
④テーマに入る
⑤次回までの具体的な行動を確認する
 
具体例として、上司が以下のように話しかけます。
 
「大谷翔平、先週5本も打ったね。見た?」
「花粉と黄砂が飛んでいるみたいだけど、体調はどう?」
「昨日は頼んでいた会議資料ありがとう」
「今期の重要施策の○○商事のプレゼンテーション、日時決まった?」
「きょうはここまでだね。次の1on1までに実行することを教えてもらえるかな?」
 
このように進めることで、まずは雑談で緊張をほぐし、体調を気づかい、感謝を示し、本題にスムーズに入れるようにします。
各ステップの詳細を以下に挙げていきます。
 
●雑談
「木戸に立てかけし衣食住」と一般的にいわれているように、気候や趣味、ニュース、家庭などの話題で部下とリラックスした会話をしましょう。雑談のポイントはリラックスしてテーマに入れるようにすることです。部下にたくさん話してもらうことが大切です。
 
●体調を気づかう
「先週は花粉も黄砂も飛んでいたみたいだけど、体調はどう?」などと部下の体調を気づかいましょう。部下の言葉だけでなく、表情やしぐさなども観察して、ノンバーバルな反応を読み取ることが重要です。
 
●感謝を示す
上司は部下に感謝の気持ちを示す必要があります。「先週はプレゼン資料ありがとう」とひとことお礼を言うだけでも、部下の承認欲求が満たされ、本題に入りやすくなります。とくにいい報告があった場合は、その内容を覚えておき、1on1の場で褒めたり感謝を示しましょう。
 
●テーマに入る
ここで本題に入ります。本題の多くは「経験学習」ですが、「会社の話題」や「キャリアの話」、「部下のライフステージに関する大きな出来事(病気・結婚・育児など)」もテーマになります。今後はキャリア支援の質が1on1の質の高さにつながることが多くなるでしょう。
 
●次回までの具体的な行動を確認する
前回の1on1で約束した行動結果を確認し、次回までに部下が実践する行動を2つ決めます。この行動は定性評価やKPIに沿った重要な業務活動であると、より効果的です。行動約束を次回の1on1で確認し、このサイクルを回して1on1を継続しましょう。部下にあわせて臨機応変に対応することも大切です。

3.1on1の新常識 5つの黄金ルール

基本的な流れを踏まえ、小川氏が提唱する1on1の5つの黄金ルールをご紹介します。
 
ルール① 部下に語ってもらう、次のアクションも
ルール② 傾聴する
ルール③ 部下の定性評価を見える化する
ルール④ 真摯に部下のキャリアを支援する
ルール⑤ 1on1の場とふだんの職場、上司は態度や接し方を変えてはいけない
 
今回はルール①について、なぜ部下に語ってもらい、次のアクションを宣言してもらうことが大事なのか、そのポイントをお伝えします。
 
日本では、上司と部下、先輩と後輩の間での対話は、上位者が話し、下位者が聞く、という上意下達のスタイルが主流です。これに対し欧米では、年齢や地位に関係なく対等な対話が好まれます。
この違いは社会・文化の背景に起因します。日本の企業でも上意下達のスタイルを変え、部下が話しやすい環境をつくるために、1on1では「上司は部下の話を傾聴しましょう」が基本となります。多くの企業で傾聴の研修が行われていますが、傾聴するためには部下が話すことが前提となります。
 
1on1は上司と部下の双方向の対話であり、理想は上司が3割話し、部下が7割話すことなどとされています。部下が話さなければ上司は傾聴できません。「上司の傾聴」と「部下の語り」はどちらも欠かせない要素です。部下に語ってもらうことは、傾聴と同じくらい重要です。
 
人は自分が考えたことを言葉にし、それを自分の耳で聞くことで新たな気づきを得ることが多いです。相談しているうちに気づきを得たり、曖昧なことが整理されたりした経験は誰にでもあります。
つまり、部下が話しているときは気づきや思考の整理が進む時間です。
逆に、上司が話しているときは、部下の気づきや思考の整理は進みません。部下が話しているときに話を遮ることは、その気づきと成長の機会を奪っていることになります。部下の話はどのような内容であっても、最後まで聞くことが重要です。
 
デール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)では、売り込む側がお客さまの話を傾聴することで信頼を得た事例が紹介されています。これは1on1にもあてはまり、上司が聞きたくない話でも部下が話したいなら最後まで聞くべきです。部下がこだわっている点を見つけたら深堀りしてみてください。部下は積極的に語りはじめ、成長の機会が増えるのです。
 
1on1のやり方に悩むすべての人にとって、5つのルールを意識し実行することで、部下の成長と自律を引き出し、チーム全体のパフォーマンス向上に役立つことでしょう

関連書籍・雑誌

『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』
著・小川隆弘、/ごきげんビジネス出版ブランディング/発売:2024年07月26日

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