【質問】「これって何のためですか?」に、マネージャーとしてどう答えるか?~経験の土台の作り方~
経験の土台づくりしていますか?
「これって、何のためにやっているんですか?」
メンバーからそう聞かれたら、
私はその気持ちがよくわかります。
なぜなら、自分もまったく同じことを
思っていた時期があったからです。
今の会社は、私にとって3社目です。
入社したばかりの頃、先輩と一緒に
担当営業の仕事をしていました。
そのときの私は、先輩に言われたことを、
とにかく目の前でこなしていました。
「このデータをまとめておいて」
「この内容をこの人に伝えておいて」
「これを整理しておいて」
一つひとつの作業はやる。
でも正直、その仕事が何につながっているのか、
よくわからなかったんです。
自分でも、あまりにも目の前の仕事の意味が
見えなかったので、先輩に聞いてみたことがあります。
すると返ってきたのは、こんな言葉でした。
「今説明したところで、余計にわからなくなる。
もう少しやって、終わったら教えるよ」
当時は、少しモヤっとしました。
教えてくれたほうが、安心して進められるのに。
全体がわかったほうが、納得して動けるのに。
そう思っていました。
でも、しばらくしてからわかったんです。
目の前の仕事もまだ理解できていない状態で、
全体をバサッと伝えられても、たぶん混乱しかなかった。
全体を理解するには、それなりに時間がかかる。
しかも、その理解に頭を使っている間に、
目の前の作業が止まってしまうかもしれない。
先輩は全体が見えていたからこそ、
あの言い方をしたんだと思います。
ここで話が終われば、たぶんきれいです。
この業務が終わったあと、
先輩が振り返りの時間を取ってくれて、
全体像を丁寧に説明してくれた。
そんな話だったら、
すごく学びのある美談になります。
でも、実際はそうではありませんでした。
そんな時間は、特に用意されませんでした。
その業務が終わっても、また次の仕事が来る。
一つ終わったと思ったら、その仕事自体が、
もっと大きい全体の中の一部でしかなかった。
自分は井戸の中にいると思っていたのに、
あとから振り返ると、その井戸だと
思っていたものも、もっと大きな流れの一部だった。
そんな感覚でした。
井戸の中の蛙でいるつもりだったのに、
あとから見ると、その井戸は井戸ですらなかった。
仕事って、そういうことがあると思うんです。
そのときは、意味が見えない。
どこにつながるのかわからない。
何のためにやっているのか、
正直ピンとこない。
でも、目の前のことを必死に
やり続けているうちに、
ある瞬間に、つながりが見えることがある。
「あのときの整理は、このためだったのか」
「あのやりとりは、ここにつながっていたのか」
「部分だと思っていたものが、全体の中に
ちゃんと位置づいていたのか」
そうやって、
後から見えてくるものがあります。
土台づくりって、
最初から「幅を広げよう」と設計して
進むものばかりではないのかもしれません。
むしろ、目の前を必死にやり続けていたら、
ふとした瞬間に、
自分が前より広い景色の中に立っている。
そんな形のほうが多い気がします。
井戸の中にいると思っていた。
でも、気づけば海につながっていた。
その感覚を、
私は何度も仕事の中で経験してきました。
だからこそ、今メンバーに伝えたいことがあります。
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マネージャーとして「全部を説明しないこと」と
「放置しないこと」の境界を、どう考えているかを書きます。
なぜ、最初から全体を見せすぎないほうがいい場面があるのか
それでも、メンバーを置き去りにしてはいけない理由
「意味が見えない仕事」に、上司としてどう意味を与えるか
今の自分が、メンバーにどんな言葉をかけるようにしているか
このあたりは、体験談だけではなく、
自分がマネージャーになってからようやく言語化できたことです。
ここから先は、経験の土台づくりを育成する側の視点で
具体的に書いてみます。
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