啓蟄 ― 目覚めが静かにはじまるころ
ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣です。
三寒四温をくり返しながら、
空気の奥に、やわらかさが混じってきました。
今日から、啓蟄。
土の中で、冬を越していた虫たちが、
そっと目を覚ます頃です。
でも、目覚めたからといって、
いきなり外に飛び出すわけではない。
ほんの少し、
「動いてみようかな」と
内側で気が動きはじめる。
それが、啓蟄です。
春は、急に来ない
暖かい日もあれば、
冷え込む日もある。
気持ちが軽い日もあれば、
重たく感じる日もある。
それでいい。
そういうもの。
そういう季節。
揺れながら進んでいくのが、春。
揺れているからこそ、
ちゃんと季節が、
前に進んでいるということ。
季節の揺らぎを感じてみて。
自分の揺らぎも感じてみて。
動きたくなる衝動
この時期、
・何かを始めたくなる
・ととのえ直したくなる
・変えたくなる
そんな気持ちが、ふっと湧くことがあります。
でも、それは
「急げ」という合図ではありません。
「準備が、ととのってきましたよ」
という、心の声からの、やさしいお知らせです。
冬のあいだ、
あなたの心は、あなたの体は、
ちゃんと内側でととのえてきました。
調子が悪かったんじゃない。
内側で、冬を越えるために
ひっそりと養ってきたんです。
体調が悪い時も、良い時も
それは、ととのえている最中。
寝返りをうつように、ととのえていただけ。
だんだんと、心も体も目覚めはじめ、
春の訪れを前に
少しだけ動きたくなってくる。
でも、
まだ無理に動こうとしなくていい。
でも、
動きたい気持ちを否定しなくてもいい。
啓蟄は、外に出る日ではない
虫たちは、
土をかき分けながら、
ゆっくりと、外の気配を確かめています。
いきなり、走り出したりはしません。
人だって、同じです。
「よし、動こう!」
と決意するよりも、
「まずは、少しだけ伸びてみようかな」
それくらいでいい。
・朝の空気を吸う
・窓を少し開ける
・散歩をしてみる
そんな、小さな動きで十分です。
啓蟄は、
“勢い”の季節ではありません。
“目覚め”の季節です。
啓蟄の過ごし方
この時期に大切なのは、
動こうとするよりも、
揺れを感じること、受け入れること。
暖かい日に、元気が出ても、
寒い日に、少し戻っても、
後退しているわけではありません。
心も、体も、
今はまだ、
春仕様に切り替わっている途中です。
だから、
・無理に予定を詰めない
・焦って決断しない
・今の体の感覚を、ひとつ感じる
という過ごし方が良いです。
目覚めは、静かにはじまる
芽吹きは、
誰にも気づかれない、
土の下から始まります。
「もう動かなきゃ」ではなく、
「そろそろ動きたいな」くらい。
そのくらいが、ちょうどいい。
あなたの内側では、
ちゃんと何かが、
動き始めています。
急がなくていい。
目覚めは、ゆっくりでいい。
朝起きたら、朝日が登るのを感じましょう。
勝手に太陽は上がり、勝手に春は訪れます。
春の風を感じて。春の匂いを感じて。
段々と、春が近づいてきます。
もうすぐ春ですね。
ちょっと気取ってみませんか♪
また、次の節気でお会いしましょう。
ととのえ職人
五木田穣

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