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5月の気温は、クローゼットを嘲笑う

 昨日、天気予報士が「明日は初夏の陽気です!」と笑顔で言っていた。
 正午の気温、29度。
 湿度も加わって、完全に「夏」だ。
 一方、私のクローゼットはまだ「春」だった。

 ~第一章:クローゼットとの攻防~
 朝7時、私は鏡の前で仁王立ちしていた。

 Tシャツが……ない。
 薄手のシャツも……ない。
 あるのは、ウールのカーディガンと、分厚いトレーナー。
 そして、謎のチェック柄ネルシャツ(着てないのに毎年生き残る)。

「まて、半袖どこだ?」

 思い出す。
 GWに「衣替えしなきゃな〜」と思ったが、
 そのままNetflixを3話連続で観て、寝落ちしたんだった。

 ~第二章:開かずの衣装ケース~
 押し入れの奥、衣装ケースを引きずり出す。
 フタが硬い。
 開かない。
「湿気と沈黙」が、強力な結束をしている。

 開けた瞬間、ふわっと広がる防虫剤の香りとともに、
 去年の夏服たちが目を覚ます。

 しかし、私は驚愕した。

 全部、ヨレてる。

「お前たち、寝てる間に何があった……?」

 とくに酷いのが、去年ユニクロで買ったお気に入りのTシャツ。
 首回りが、犬に噛まれたみたいに広がっていた。

 ~第三章:なぜ人は、毎年買い直すのか~
「着れる服がない」
 この現実は、もはや恒例行事だ。
 なのに、毎年「去年の服あるし♪」と信じて衣替えを後回しにする。

 何が悪い?
 春が悪いのか?
 いや、天気が急すぎるのが悪い。
 むしろ、地球のせいだ。

 ~第四章:ユニクロへ行くと、全員が同じ顔~
 ということで、昼休みにユニクロへ。

 びっくりするぐらい人がいる。
 全員、同じ顔してる。
「うっかり衣替え忘れて、今日あまりに暑くて服がない」顔だ。

 メンズTシャツコーナー、Mサイズがごっそり消えている。
「M消滅現象2025」と名付けたい。

 私は仕方なく、Lを買った。
 ちょっとだぶつくが、なんか今年のトレンドっぽい(気がする)。

 レジで店員さんが言った。

「今日は特にTシャツが人気ですね〜」

 でしょうね!!

 ~第五章:帰宅して、気づく~
 家に帰って、買ったTシャツを着てみる。

 うん、快適。
 新しい布は裏切らない。

 しかし、ふと気づく。
 部屋の隅で、去年のTシャツがこっちを見てる。

「俺、捨てられるのか?」

 いやいや、違うよ。
 お前は……寝巻きだ。
 これからの余生はパジャマとして過ごしてくれ。

 ~第六章:翌日、気温17度~
 そして、次の日。

 天気予報「今日は曇り時々雨、気温はぐっと下がって17度」

 おい待て。

 昨日の私は、すでに長袖すべて衣装ケースに詰め直した後だった。
 そして押し入れの奥に戻した。
 あの「硬いフタ」が、また私を阻むのか。

 部屋でうろうろしながら、私は悩む。
 Tシャツの上に何を着ればいい?
 去年のネルシャツ? いや、あれはもう引退した。
 春ジャケット? それ、どこにやった? ていうかそれって何月に着るやつ?

 ~結論:~
 5月の気温、信用ならない

 衣替えは一気にやるな。グラデーションでやれ

 新しいTシャツを買うと、なぜか去年の服が急にくたびれて見える

「去年も同じこと言ってたな」と思ったら、たぶん正解

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