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ネットで買った服、モデルと同じ人類のはずなんだけど

 夜中0:30。
 寝る前にちょっとだけ……のつもりで開いたショッピングサイト。
 そこには、完璧なコーディネートをまとったモデルたちがいた。

 ・ゆるっとしたTシャツ
 ・高見え素材のパンツ
 ・夏用ジャケット(羽織るだけでオシャ感)

 どれもこれも、今の自分に足りてないものばかり。
 レビューも★4.5。「買ってよかった!」「着心地バツグン!」の嵐。

 気づいたら、カートには6点入っていた。

 ~第一章:翌朝の“買ったな…”感~
 朝、メールに「注文ありがとうございました」の文字が並んでいる。

 えっ、そんなに買った?
 合計金額:21,480円(うん、まあ、ギリセーフ……?)

 でも私は信じていた。
「今回は、当たりのはず」

 モデルのようにはなれなくても、
“ちょっとこなれた雰囲気”くらいは出せるのではないか、と。

 ~第二章:届いた段ボール、めっちゃ軽い~
 数日後、段ボール到着。
 開けた瞬間、空気のような軽さ。

 布、薄っっ!

「これ……写真の時点で素材、わかるべきだった……?」

 手に取ったパンツ、光にかざすとほぼ透ける。
 Tシャツ、思ってた3倍の“ゆるさ”。
 ボタン付きジャケット、ボタンがプラスチックすぎる。軽っ!

 でもここで諦めてはいけない。
 試着だ、試着。

 ~第三章:モデルとの圧倒的な差~
 着てみた。

 鏡を見た。

「……え?」

 なんか、違う。
 いや、「全部違う」と言っていい。

 ・Tシャツ:モデル→“抜け感”、私→“だらしな感”
 ・パンツ:モデル→“脚長効果”、私→“寝巻き感”
 ・ジャケット:モデル→“羽織るだけで都会的”、私→“工場勤務の新人感”

「この服たち、あの写真と本当に同じやつ……?」

 疑惑が止まらない。

~ 第四章:着画を自撮りして泣く~
「他人から見たらどう映るか確認しよう」と、
 スマホのインカメラで全身を撮影。

「なんか、田舎の郵便局にいそう」

 姿勢も悪い。
 なんなら、靴下も左右で色違うし。

 モデル:身長168cm・体重非公開
 私:身長159cm・体重やや過去最大

「骨格って大事だなぁ……」と呟きながら、撮った写真をそっと削除。

 ~第五章:返品しようとして面倒でやめる~
 サイトを見ると、返品可能。
 よし、Tシャツとパンツは返品しよう。
 クリック。

「タグが切られていない状態で、元の袋に入れて…」

 ……あれ、袋どこいった?
 タグ、外したっけ?
 着たときに破ったような気がする。

 しかも送料自己負担。
 1,100円。

「もう……このままでいいか……」

 そうして我が家に、“妥協コーナー”が一つ追加された。

 ~第六章:買ってよかったのは“靴下だけ”~
 その中で唯一、満足度が高かったのが靴下3足セット(890円)。

 シンプル、よく伸びる、そしてサイズぴったり。

「靴下って、裏切らないよな……」

 服に疲れた私は、次の日、靴下だけを新調して会社へ行った。

 ~第七章:SNSで“同じ服”の人を見る地獄~
 出勤途中、インスタを開くと、
 買ったTシャツと同じやつを着てる人がいた。

「めっちゃオシャレに見える…!!」

 その人は、全体的にスッキリしていて、
 足元はナイキ、髪は結んで、TシャツはゆるっとIN。

 同じ服のはずなのに、こっちは「寝起きですか?」感がすごい。

 結論:
 ネット通販の服は“サイズ・素材・モデル体型”という壁がある

 試着できないものは“賭け”である

 靴下は基本的に当たり

「返品するくらいなら部屋着にする」は全国民の合言葉

 自分の体型と相談しない買い物は、ただの自己暗示

 ~最終章:次こそ当たりを引きたい~
 翌週、また広告が出ていた。
「初夏のセール!今だけ40%OFF」

 私の親指が、勝手に画面をスクロールしていた。

「今度は“セットアップ”に挑戦しようかな…」

 懲りない。
 でもそれが、人間。


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