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着る服はある。でも全部シワッシワ。

 朝7時20分。
 目覚ましを3回スヌーズしてようやく起きた私は、
 いつものように“クローゼット前ファッション会議”を開始した。

 本日の議題:「出社用のマトモな服、どれ」

 カレンダーは5月末。
 湿度も気温も上がってきて、
 ニットもパーカーももう限界。
 となれば、コットン系シャツか軽めのブラウスだ。

 クローゼットを開けた私は、気づく。

「全部、シワッシワだ……」

 ~第一章:洗濯したのに、なんでこうなった~
 確かに、洗濯はした。
 干して、取り込んで、たたんだ(はず)。
 でもそのあと、ちゃんとしまってなかった。

 椅子にかけたままのシャツ、
 引き出しにギュッと詰めたブラウス、
 下に潰された白Tシャツ(記憶なし)

 私「……あれ、こんなに雑だったっけ?」

“清潔ではあるが、しわくちゃ”。
 それが今の我が家の衣類の現状である。

 ~第二章:アイロンという面倒な儀式~
 私は、アイロンが嫌いだ。
 理由は明確。

 出すのがめんどくさい

 コンセントが遠い

 アイロン台が不安定

 そもそもコツがわからない

 シャツを1枚整えるのに、体力と精神力を消耗する。

「アイロンって“気合い”をかける道具なのでは?」

 と思うほど、ハードルが高い。

 ~第三章:スチームアイロンへの幻想~
 去年、テレビショッピングで買った“スチームアイロン”。

「吊るしたままサーッと当てるだけで、シワがスルスル!」

 ──そんな言葉に騙された。

 いざ使ってみると、

 シワが「ややマシ」になる程度

 水タンクが小さくてすぐなくなる

 蒸気で自分の顔がびしょびしょになる

 結果:Tシャツが湿って冷たい

「ただの濡らし棒」じゃないか!

 と、心の中でツッコミを入れたまま押し入れ行きとなった。

 ~第四章:妥協の果てに着たのは「ちょっとヨレた黒T」~
 結果、選んだのは、
“かろうじてシワが少ない”黒Tシャツ。

 完全に妥協である。

 でも、黒ならシワも目立たないし、
 誰にも「それ、アイロンしてないよね?」とは言われない(たぶん)。

 ジーンズと合わせて、それっぽくまとめた。
 しかし、鏡の前でふと思う。

「この服装、完全に“休日のコンビニ行きますスタイル”では?」

 ~第五章:会社に着いたら全員しわくちゃだった~
 出社すると、思った以上にみんな“ラフ”だった。

 隣の席の同僚:白Tにカーディガン(肩にかけただけ)
 課長:ポロシャツ(たぶん洗いざらし)
 部長:いつものスーツ(でも、ズボンしわしわ)

 私「なんだ、全員、折り合いつけて生きてるんだ……」

 この日私は学んだ。
 「服は、着られれば勝ち」である。

 ~第六章:昼休みのアイロン談義~
 お昼休み。
 社内の女性陣3人で話していたとき、ふと“アイロン問題”に話題が及んだ。

 A「私、ドライヤーで伸ばしてる」
 B「シワが気になる服は、もう買わない」
 私「わかる。あと、全部シワ加工の服にしたい」

 もはや全員が、“アイロンという家事”から逃げる方向で生きていた。

 ~第七章:無印の“しわになりにくいシャツ”に希望を託す~
 仕事帰り、無印に立ち寄った。

「しわになりにくいシャツ」コーナー。

 おお……こんなに種類あるのか……!

 でもちょっと高い。
 1枚3,990円。

 10分迷って、買った。
「これでアイロンから解放されるなら……」

 そして翌朝。

 ──確かにシワは少なかった。
 でも、“完全ゼロ”ではない。

 それでも私は思う。

「……これが……平和ってやつか」

 結論:
 クローゼットの中には“整ってない希望”が詰まってる

 アイロンは修行

 スチームは湿気の棒

「着られる」だけで勝ちの日もある

“しわにならない服”が真のユニフォーム

 ~最終章:それでも週末には、またたたみ方を間違える~
 週末、洗濯物をたたみながら思う。
「次こそは、ちゃんとハンガーにかけておこう」

 でもスマホが鳴る。
 SNSを開く。
 動画を観ながら座ったまま、服を積む。

 そしてまた一週間後、
 私は言う。

「なんで全部シワッシワなの?」

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