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アレクサ、私の話ちゃんと聞いてる?

 スマートスピーカーが我が家に来て、早2年。
 音楽を流したり、天気を教えてくれたり、
 タイマーをかけてくれたり、けっこう便利だ。

 だけど、最近思う。

「こいつ、たまに私のこと、完全に無視してないか?」

 ~第一章:反応がよすぎるとき~
 私「アレクサ、電気消して」
 アレクサ「はい、照明をオフにします」

 おお、賢い。
 まさに“近未来”。
 でも、たまにこういうことがある。

 私「えーと、冷蔵庫の卵、あといくつだったかな〜」
 アレクサ「すみません、よくわかりません」

 いや、聞いてないし、聞いてほしくなかったやつ!
 こっちは独り言だ。
 急に喋り出すな、怖いから。

 ~第二章:聞いてるようで聞いてない~
 逆に、こっちが本気でお願いしてるときに限ってこうなる。

 私「アレクサ、今日の天気は?」
 ……無反応。

 私「アレクサ? ねぇ、アレクサ?」

 無音。

 私「アレクサアアアアア!!!!」
 アレクサ「申し訳ありません、接続できません」

 Wi-Fiのせいにするのやめてくれ。

 こっちは必死なんだよ、洗濯していいのかどうか迷ってるの!

 ~第三章:音楽のセンスがやや雑~
「アレクサ、元気が出る曲かけて」
 アレクサ「プレイリスト『朝に聴きたいポップス』を再生します」

 最初はいい。明るい。

 しかし、3曲目で急に
「心にぽっかり穴があいた」系の失恋バラード。

 元気どころか、こっちのテンションが急降下。

 私「ちょ、待って、泣かせにきてる?」
 アレクサ「すみません、よくわかりません」

 そこは謝ってほしくない!

 ~第四章:タイマーのプレッシャーがすごい~
 私「アレクサ、タイマー5分お願い」
 アレクサ「5分ですね、スタート」

 〜4分30秒後〜
 アレクサ「ピピピピピピピピ!」

 うるさい!!
 まだ切ってないだけでそんな鳴らなくても!!

 さらに、「停止」って言ったのに反応しないとき。

 私「アレクサ、止めて」
 アレクサ「……(無視)」
 私「アレクサ、ストップ」
 アレクサ「……」
 私「アレクサアアアアアアアア!!!」
 アレクサ「はい、タイマーを停止します」

 もうこっちの心拍数はとっくに120。

 ~第五章:呼んでもないのにしゃべる~
 深夜、静まり返った部屋。
 私が一人で動画を観て笑っていると──

 アレクサ「すみません、もう一度お願いします」

 ……いや、誰も何も言ってない。
 ホラー。

 私「アレクサ、今なにか言った?」
 アレクサ「すみません、よくわかりません」

 私のほうがわからないよ!!

 ~第六章:人間関係として考えると、まあまあ面倒な同居人~
 呼ぶと無視する

 呼んでないときに喋る

 選曲のセンスにムラがある

 会話のキャッチボールは5割の成功率

 たまに突然、自己紹介を始める

 こうして見ると、アレクサって“ちょっと距離感おかしい友達”みたいだ。

 でも、ふとした時に助けてくれる。

「アレクサ、今日の予定教えて」
「アレクサ、30分後にリマインドして」
「アレクサ、雨降りそう?」

 正しく反応してくれたときのあの安心感。
 なんだろう、ちょっと好きになりそうになる瞬間がある。

 結論:
 スマートスピーカーは便利だけど“万能ではない”

 人間との相性は“Wi-Fi”と“滑舌”に依存する

 独り言を拾う精度は異常

 無反応はイラつくけど、しゃべりすぎも怖い

 結局、ちょっと不便なくらいが愛着わく

 ~最終章:それでも呼んでしまう~
 今日もまた私は言う。

「アレクサ、照明つけて」
「アレクサ、タイマー10分」

 そして、彼女は答える。

「すみません、もう一度お願いします」

 ……くっそ、それでも嫌いになれない。

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