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第6巻 川崎市:カワサキノカミの願い
川崎の工業地帯は朝早くから機械音が響き、煙突からは白い蒸気が立ち上っている。
そんな中、カワサキノカミは黙々と工場の見回りをしていた。
無口で寡黙な彼は、願いを効率優先かつ実用的に叶えるが、味気ない仕上がりになることが多い。
この日、琉翔という技術者がこっそり願った。
「作業がもっとスムーズに進みますように」
カワサキノカミはすぐさま動き、作業場の動線を見直し、無駄な動きを減らすレイアウトを瞬時に組み替えた。
しかし、その結果、作業員たちは狭くなった通路に戸惑い、自由な動きが制限されたように感じた。
琉翔は「確かに効率は上がったけど、ちょっと息苦しいな…」と感じながらも、作業の遅延は減り、納期は守れた。
カワサキノカミはそんな声を聞いても、「効率が命だ」と淡々とした口調で答えた。
「ムダを省くことが最善の道じゃ」
その夜、琉翔は仲間とともに仕事の合間に軽く話し合い、狭さを補う工夫を模索し始めた。
カワサキノカミは遠くからその様子を見て、無言でうなずいた。
「人間の柔軟性もまた、効率の一部かもしれぬな」
こうして、神様は効率重視ながらも、少しだけ人の工夫に余地を残したのだった。
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