100均、あれは魔法の沼である
土曜の午後。
コンビニの帰り道、ふと視界に入った「100円ショップ」の看板。
「あ、そういえば輪ゴム切らしてたっけ」
「あと、スマホの充電ケーブル、予備あってもいいよね」
軽い気持ちだった。
滞在予定、5分。予算、200円。
──しかし私は、その30分後、980円分の袋を手に帰ってきたのであった。
~第一章:「見るだけ」のつもりが“出会い”になる~
100均の入り口には、まず季節モノが並んでいる。
この時期なら、虫除けグッズや扇子、涼しげなガラスのコップ。
私「おぉ…夏っぽい…」
「でも今日は輪ゴムだけ……」←忘れてる
視線が吸い寄せられる。
スイカ柄の保冷バッグ。
「こういうの、あって損はないよな…」
(使う予定:未定)
カゴイン。
~第二章:「便利そう」ゾーンは沼~
店内奥の“生活便利グッズ”コーナー。
・冷蔵庫の中を仕切るケース
・くつ乾燥用の吊り下げネット
・蛇口に付けるシャワー拡散キャップ(回転式)
・3wayで使える収納フック(使い方は謎)
「えっ…これ、すごい…!」
「こういうの、テレビでも見たことあるやつ…!」
使うかどうかではなく、“持っておくことで賢そう”な気がする魔法がかかる。
そしてまた、カゴイン。
~第三章:「文房具コーナー」は理性が溶ける~
私「この前、家にボールペンなかったからな」
→結果:
・3本入りボールペン(黒)
・0.38mmのゲルインク(細め好き)
・謎の“やる気が出る蛍光ペン”
・クラフト紙のノート(表紙がかわいい)
合計4アイテム。
でも全部100円だし…という思考回路で、カゴにインして正当化される。
~第四章:「収納コーナー」はほぼ儀式~
突然、「そうだ、家の棚の上、空いてたよな」と思い出す。
記憶の断片と妄想が合体して、収納欲が暴走する。
・A4書類が入るボックス
・キッチン用引き出し仕切り
・積み重ねできるトレー(3個)
私「片付けは道具から」
※そのトレーに入れる“モノ”はまだない。
でも、そういうのは後から決まるんです。
…多分。
~第五章:レジ前で一瞬の我に返る~
レジへ向かう前、カゴを見る。
かなり詰まってる。
「えっ、私こんなに買った!?」
でも、全部100円だし?
100円だし??
100円が10個で1000円だという計算は、ここでは意識的にスルーされる。
そしてレジで言われる。
「980円です」
想定の5倍。
でも、財布は開く。負けを受け入れる。
~第六章:帰宅後、袋から“謎の戦利品”が出てくる~
帰宅後、戦利品を並べてみる。
私「なにこれ?」
自分で買ったものなのに、“もらった感”がすごい。
~第七章:使うのは“3分の1”という現実~
1週間後。
実際に使ってるのは、
・輪ゴム
・黒いボールペン1本
・キッチンのトレー(でも入れるものがないので空)
ほかは、
・引き出しの奥へ
・袋に入ったままクローゼットの下へ
・飾られてる(?)だけ
でもなぜか、満足感はある。
結論:
100均の“ついで買い”は主目的を凌駕する
「便利そう」に勝てる人間はほぼいない
カゴに入れる速度>使う速度
レジ前で反省するが、すぐ忘れる
実は“買い物がイベント”になってる
~最終章:また行きたくなる理由は、“100円のロマン”~
100円という価格は、人間の理性をスルリと抜ける。
「これで生活が変わるかも」っていう小さな希望の詰め合わせ。
使わなくても、いい。
それはそれで、「こういうのもあるよね」って笑える。
そして今日もまた、
私はスマホを見ながらつぶやく。
「あ、イヤホンケース欲しかったんだ」
──そして次の100均へ。
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