冷蔵庫の住民たちに謝りたい
日曜の午後、久しぶりにやる気が出た。
家の掃除、洗濯、床の拭き掃除まで終わらせた私は、
ついにアレに手をつけることにした。
「冷蔵庫の整理」である。
これはもう、断捨離という名の冒険だ。
~第一章:扉を開けた瞬間、時空が歪む~
開けた瞬間、香ばしい匂いが鼻をかすめた。
「うん?なにこの……“うっすら乳酸菌”?」
奥の方から、液体がこぼれている。
下段のトレイに謎の汁が溜まってる。
いや待って。
この冷蔵庫、「汁気ゼロ運用」がモットーじゃなかったっけ?
とりあえず、手前から片付ける。
~第二章:ヨーグルトの逆襲~
まず最初に出てきたのは、ヨーグルト。
賞味期限:「2024.12.18」
お、おぉぅ……
半年寝かせた乳製品って何?ワイン?
恐る恐る開けてみる。
表面がうっすら黄色い。
しかも「パコン」って音がした。
「ごめん」
即、廃棄。
~第三章:なぜか3本あるケチャップ~
次に出てきたのはケチャップ。
1本、2本、3本……なぜ。
全員、開封済み。
キャップ部分に、乾いたケチャップがカリカリにこびりついている。
「使い切ってから買え、過去の私」
さらに、
マヨネーズ2本(うち1本はスリムタイプ)
粒マスタード(いつ使うつもりだった?)
ナンプラー(記憶にない)
調味料エリア、ジャングルすぎる。
~第四章:野菜室のミイラたち~
次に、冷蔵庫最恐エリア:野菜室。
開けた瞬間、ホコリのような匂い。
そして、レタスが半透明の袋の中でとろけていた。
その横には、
・干からびたにんじん(3本中2本が折れている)
・ネギの残骸(原型がない)
・芽が出たじゃがいも(もはや観葉植物)
レタスは袋ごと処刑。
にんじんは、皮むいてみたが無理。
じゃがいもだけは、もったいなくてベランダに植えた。
第五章:冷凍庫の異世界~
さて、冷凍庫。
これはもう、タイムカプセルである。
・冷凍チャーハン(霜まみれ)
・去年の夏に買ったアイス(封は切ってないが…形が怪しい)
・肉団子(どの料理用かわからない)
・冷凍したはずのごはん(ラップ越しに氷の結晶が芸術的)
そして、
「何かの茶色い塊」
ジップロックに入っているが、ラベルがない。
開ける勇気はなかった。
~第六章:棚の奥にいた伝説の生物~
最奥部、冷蔵庫の壁側。
見覚えのないタッパーがある。
色は……深緑?いや、黒?
開けるべきか、開けざるべきか。
そっとフタを開けた──
「バフッ」と音がした(ような気がした)
中には、
・モサッとした物体
・うっすらカビ
・謎の気泡
「これ、何の料理だったんだろう…?」
即、二重袋で封印→処刑。
~第七章:終わった頃には戦士の顔~
冷蔵庫を拭きあげ、
トレイも洗い、
期限切れの調味料を一掃し、
野菜室のネギから根を外し──
私はようやく、「冷蔵庫リセット」を終えた。
冷蔵庫がスカスカになった。
でも、それがいい。
清潔って、気持ちいいんだ……!
結論:
ヨーグルトは寝かせすぎると哲学になる
調味料は意外と増殖する
野菜は最後に悲鳴を上げる
冷凍庫は未来ではなく過去を見る箱
タッパーは、愛と勇気が必要
~最終章:でも来週にはまた、戻る~
買い出しリストを作る。
「ケチャップ」「マヨネーズ」「レタス」「冷凍チャーハン」
……あれ?
なんか見覚えあるぞ、このリスト。
人は過ちを繰り返す。
でも冷蔵庫は、また受け入れてくれる。
ありがとう。
そして、ごめん。
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