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今日はなにもしてないのに、なにもしてないまま終わった

 朝7時。
 アラームの音が鳴った。
 反射で止める。
 目は開けてるが、体が動かない。
 横で猫が寝てる。羨ましい。

「今日はちゃんとした日になるぞ」と思ったのに、
 5分後にはもう、布団に勝てなかった。

 ~第一章:やる気スイッチ、湿気で故障中~
 この時期、空気が「ぬめっ」としている。
 天気予報は「曇り時々雨、湿度80%」。
 人類のやる気が最も損なわれる天候。

 窓を開けても風が動かない。
 サーキュレーターも気だるそうに首を振っている。

 私は着替えをした(だけえらい)
 が、鏡の前で思った。

「今日はオフでいいのでは?」

 今日は休みでもないし、締切もあるのに。
 なぜだか、“休んでもいいような気がする空気”が部屋を漂っていた。

 ~第二章:ToDoリストが泣いている~
 スマホのメモ帳を開くと、ToDoリストがある。

 書類送付

 洗濯

 買い出し

 英語の勉強(3日目)

 ストレッチ

 頭皮マッサージ(NEW)

「うるせぇ」

 メモ帳に八つ当たり。
 見なかったことにしてアプリを閉じる。
“現実”を閉じた瞬間、急にコーヒーを淹れたくなった。

 ~第三章:コーヒー淹れて、気づいたら昼~
 コーヒーを飲む。
 YouTubeを開く。
 気づけば、トルコの職人がナイフを研いでいる動画に夢中。

「すげぇ…切れる…」

 その後、「おすすめ」に出てきたピタゴラスイッチ系の動画で30分経過。
 気づいたら、12:20。

「昼じゃん!!」

 でも、お腹も空いてないし、特にやる気も戻ってこない。

 ここで私が出した結論:

「ちょっとだけ昼寝しよう」

 ~第四章:最悪な夢と、最高の寝起きの悪さ~
 13:05。
 目を覚ます。
 謎の夢を見ていた。

 職場の先輩が、なぜかサメになって追いかけてくる夢だった。

「なんで…サメ…?」

 気分は悪くないが、なんとなく体が重い。
 頭もぼーっとしている。
 コーヒーを淹れ直す。2杯目。

 ~第五章:洗濯しようとして座る~
「よし、洗濯機回すか」と立ち上がる。
 が、洗濯カゴを持った瞬間、床に座ってしまう。

 なんか、いい。
 床が一番フラット。

 そこから30分、スマホで「どの柔軟剤が一番モテるか」を検索。
 誰にモテたいんだ、私は。

 ~第六章:買い出しは“明日の自分”に任せる~
 気合いを入れて冷蔵庫を開けた。

 ・卵(ラスト1)
 ・ケチャップ
 ・氷だけがギッシリ

「……行かないとなぁ」

 でも、外は雨が降りそうな空模様。
 天気アプリを見ると「降水確率40%」

 これ、“行かなくていい”っていうサインでは?

 思考回路が完全に“都合のいい解釈マシン”と化す。

 結論:「今日じゃなくていい」

 ToDoリストに小さく追記した。

 ・明日 買い物(たぶん)

 ~第七章:夕方になると謎に焦る~
 17時。
 日が傾いてきた。

「今日、なんかやったっけ……?」

 脳内を再生する。

 起床(予定より遅め)

 コーヒー(2杯)

 昼寝

 YouTubeのピタゴラ職人

 床に座ってスマホ

 冷蔵庫開閉(開けただけ)

 やってない。やってないぞ。

 ここにきて焦りが襲ってくる。
 だが、もう何も始められる気がしない。

「まあ、夕飯作れば、それだけでえらいってことにしよう」

 ~第八章:夜、SNSを見てさらに落ち込む~
 Twitter(現X)を開くと、誰かが書いてる。

「今日は午前中で仕事全部終わらせて、午後は勉強とジムと読書!自分を褒めたい!」

 やめろ。

 そういう人、今日に限ってやたら多く見える。
 私は卵焼きを焼いて食べただけ。
 しかも、ケチャップかけすぎて味わからなかった。

 結論:
 やる気がない日は、やる気が「存在しない」

 スマホと床は最強の敵

 コーヒーは無限に飲めるが、何も始まらない

 明日の自分へのタスク押し付け率:95%

 それでも、生きてるだけで勝ち(たぶん)

 ~最終章:寝る前の“意味のない反省”~
 夜、風呂に入りながら思う。

「明日こそ、ちゃんとするぞ」

 でも、風呂上がりのビールが美味しくて、
 またテレビを見て、
 スマホで漫画を読みながら寝落ちした。

 ──そして、また同じ朝がやってくる。

 それでも、明日はやれる気がする。ちょっとだけ。


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