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給料日って、ほんとにあった?

 給料日──それは一瞬の夢。
 毎月25日。カレンダーにマルをつけ、スマホの通知に小躍りし、財布の中が一時的に膨張するその日。
 でも問題は、「翌日にはもう無い」ってことだ。

 私は知っている。
 給料日とは、幻である。

 ~第一章:口座を開いたら~
 5月25日、金曜日。
 朝イチでスマホの銀行アプリを開く。
 画面に表示される金額、◯◯万円。

「おおっ……!」

 その数字は、見慣れないゼロの並びにより、私に錯覚を与える。

「なんか、金持ちじゃね?」

 だが、それは壮大なトラップだった。
 数時間後には、こうなる。

 家賃:消える

 光熱費:消える

 スマホ代:消える

 サブスク:毎月こっそり引いてる

 気づいたときには、
 通帳の数字が“砂時計”みたいにスルスル減っている。

 ~第二章:コンビニで気が大きくなる現象~
 なぜか給料日って、買い物が豪快になる。

 普段:
 ・おにぎり(120円)+お茶(100円)=しめて220円

 給料日後:
 ・弁当×2
 ・アイス×2
 ・プレミアムプリン
 ・ガチャの誘惑(スマホ内)
 ・謎に買う「限定シャンプー」

 結果、
 「コンビニに3,000円払うという暴挙」に出る。

 しかもレジで言われる。

「こちら、スプーンおつけしますか?」
「3本ください(誰が食うんだ)」

 ~第三章:Amazonも牙をむく~
 その夜、寝る前にAmazonを開いたのが運の尽きだった。

「あなたへのおすすめ」
「カートに入れたままの商品が、20%オフです!」
「今だけのタイムセール!」

 なんでお前、今だけ今だけ言うんだよ!?

 気づいたら、
 ・スマホスタンド
 ・よくわからないプロテインバー
 ・半額のBluetoothスピーカー(第3世代)
 ・レビューで「微妙」と言われてるマグカップ(なぜか買う)

 合計:¥14,230。

 画面を見ながら言った。

「…は?(冷静)」

 ~第四章:飲み会の誘いに秒で乗る~
 そして週末。
 友人AからのLINE。

 今日空いてる?飲まない?

 いつもなら、「うーん今月キツいな〜」って返すのに、
 給料日の私は違う。

 行く(秒)

 なぜかタクシーで現地に向かう。
 店では「ビール!あと刺し盛りもいっちゃお!」と陽気に注文。

 が、翌日。
 レシートを見て倒れる。
 割り勘で9,480円。

 ビールと刺し盛り、裏切ったな。

 ~第五章:財布が薄い。心も薄い。~
 そして給料日の翌朝。

 財布の中を見て、私はつぶやいた。

「……え? 4,380円?」

 昨日の自分、何をしていたんだ。
 タクシー? 2軒目? あとAmazon? いやいや待て。
 いつの間に私はこんな散財のプロになったんだ?

 もはや、これは呪いの儀式である。

 ~第六章:サブスク、増えてない?~
 ここで改めて明細を見ると、
 サブスク、知らないのが1個ある。
「聞いたことない音楽アプリ」と「英語学習アプリ」。

 記憶を辿ると、1ヶ月前に「無料体験」に手を出した私がいた。
 そして継続になっていた。

「1ヶ月無料」という言葉は、甘い毒。

 結論:
 給料日=スタートではなく「一時的リザルト」

 金が増えると、謎の「万能感」が発動する

 コンビニは魔窟

 Amazonと脳は連携している

 3日後に「カップ麺生活」突入

 ~最終章:我に返るのは、水曜日~
 5月28日、水曜日。
 私は冷蔵庫のもやし(38円)を炒めていた。

 給料日は、確かにあった。
 だが、その記憶は遠く、まるで幻のようだ。

 スマホに届いた通知が鳴る。

 Amazon:本日発送しました!

「…あ、マグカップだ(冷静)」

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