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📡“人の機嫌を即座に察知する装置”を作った男📡

「ピピッ……部長のテンション、34%。これは危険水域です」

「いや、どうやって測ってんの!? 顔色!? 声!? におい!?」

 

 彼の名は、角田敬一、32歳。
 職業:会社のSE(しがないエンジニア)
 趣味:観察。特技:空気読み。

 そんな彼がある日、開発したのが──

「ヒトゴキゲン・レーダー📡」

「なんか名前かわいいけど、怖さは“心理の覗き見”レベル!!」

 

 仕組みはこうだ。

・マイクロ表情分析+声の波形+歩行音の速さ+社内での会話履歴
・それらをAIで統合し、“現在の気分ポイント(KG値)”として数値化
・スマホで閲覧可、顔写真付きでリアルタイム更新

「KG値ってなんだよ!? “キゲンじょうたい”!? そんなん測れるの!?」

「測れる。なぜなら……ぼくが測ったから(ドヤ)」

「実績が強い!!」

 

 最初の導入先は、うちの営業一課。

 朝9:05──

📡部長:KG値 38(低)
📡主任:KG値 65(やや安定)
📡新人A:KG値 89(妙に元気)

「部長、コーヒー切れてました……?」

「おっ、よく気づいたな。そうなんだよ、朝から……」
→ KG値 38→57に回復!

「これ……もう人間の気分、攻略できるやつじゃん!!」

 

 角田は言う。

「“感情の見える化”って、大事ですよね。
 だって“疲れてること”って、言葉にしづらいですから」

「いや、でもその代わりに“数値”になるの、ちょっと怖くない?」

「大丈夫。“見える化”されると、気遣いが“タイミング良く”なるんですよ」

 

 導入から3日後──社内では変化が起き始める。

会議の時間配分が、KG値によって柔軟に変更

課長の数値が下がったら、みんなで“背中に静かに栄養ドリンク置く”運動開始

総務部では「今日のKGランキング」がホワイトボードで更新(上位は休憩推奨)

「もう社内全体が“気分重視の文明”になってる!!」

 

 だが、事件は起きた。

 ある朝──
 KG値が、全員“0”を記録した。

「え、これ……うちの部署、終わってる!?」

 ……と思ったら。

角田「すみません、サーバー死にました」

「機嫌じゃなくて“機材”が死んでるじゃん!!」

 

 その後、再起動されたKGシステムはさらに進化。

・“感情グラフ”によって、1日の波が可視化
・“気分同期マップ”で、誰と誰が同調しやすいか表示
・“心の偏差値”が出る(これは廃止された)

「偏差値はやめとけ! 比べちゃダメなやつ!!」

 

 ある日、後輩が角田に言った。

「……僕、最近、自分のKG値ばっか気にしちゃって疲れてきて……」

 角田は静かに答えた。

「本当は、機嫌を“測る”んじゃなくて、“察し合うきっかけ”にしたかったんです。
 数字はヒント。でも、声かけるのは人間じゃないとダメなんです」

「うわぁ……急にいいこと言うじゃん……」

「人の心って、アナログですからね。測れても、触れないと意味ないんです」

 

 現在、「KGレーダー」は全国の数社に導入されているが──

 角田は、最近はあまり使っていない。

「やっぱり、一番大事なのは“表情見る習慣”ですね」

 

 それでも彼のスマホには、こっそり小さな通知が出る。

「部長のKG値:49。カツ丼で回復する可能性、高」

「いや、もう人間の攻略本やめて!? でも頼れる!!」


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