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ネタバレは事故、でも事故じゃない

 土曜日の朝。
 私はワクワクしていた。

 理由は一つ。
 今日の夜、ずっと楽しみにしていた映画を観に行くからだ。

 予告も最高。
 推し俳優も出演。
 脚本も話題。

「絶対に前情報なしで観に行く!」
「Twitter(現X)も、インスタも、今日だけは我慢!」

 そう決めた矢先だった。

 私「……でもちょっとだけ、検索履歴だけ消しておこう」

 開いたSNSのタイムラインに、見てはいけないものが飛び込んできた。

 ──「●●が犯人なの、マジ無理」──

 私「は?」

 ~第一章:情報の洪水の中で、ネタバレは“爆弾”のように現れる~
 SNSという名の川には、いろんな情報が流れてくる。

 ・料理動画
 ・ねこ
 ・友人のランチ報告
 ・推しのライブ告知
 ・そして、ネタバレ

 油断してると突然飛んでくる。

 タイムラインを流れるスクロール中、
 一行だけキラーワードが光る。

「ラスボス、まさかの裏切りで草」

「まさかの」って何!?
「裏切り」って言っちゃってるよ!
「草」って草じゃないよ、私の心が枯れるわ!

 ~第二章:ネタバレをうっかり見た時の心理5段階~
 ①否認:「いや、嘘情報かもしれない」
 ②怒り:「なんで書くの!? 配慮ってないの!?」
 ③交渉:「この情報はミスリードかもしれない、逆張りかも…」
 ④抑うつ:「もう観に行く意味ない気がする……」
 ⑤受容:「……それでも観に行くしかない」

 完全に、喪失体験。

 ~第三章:「見るつもりなかったのに見た」は通じない~
 誰にも文句は言えない。

 だって、自分でSNS開いたのだ。

 ・「気をつけてたのに」
 ・「予防線張ってたのに」
 ・「TLで伏せ字なしで書くのはやめて」

 全部もっとも。
 でも、開いたのは自分の親指。

 親指のせいで、私の期待値は地に落ちた。

 ~第四章:「伏せ字」が全然伏せてない問題~
 SNS民の「配慮」は、時に斜め上をいく。

 ・「●●が××するとはね」→ 実質バレ
 ・「え、推しが△△な展開ってあり?(泣)」→ もう推しの末路想像できる
 ・「ラス5分での■■、鳥肌」→ 映画最後の展開確定

 わかってる。
 書いた人は悪気ない。
 むしろ共感を得たいだけ。

 でも、こっちは純粋無垢な心で行きたかったんだよ!!

 ~第五章:映画館に行ったが、脳内で“答え合わせ”が始まる~
 いよいよ映画本編。

 最初の30分──
「あ、このセリフ……たぶん伏線だ」
「ここでフラグ立ててるな」

 後半──
「来るぞ来るぞ……はい、来たー」

 本来なら驚くべきシーンで、
 なぜか冷静に拍手したくなる自分がいる。

「よく頑張った……台本通りやな……」

 ~第六章:ネタバレ防止の“奇行”が始まる~
 二度と同じ轍を踏まないように、
 私は自衛手段を講じることにした。

 ・映画公開前はSNS断ち
 ・「映画」「感想」「●●(作品名)」などをミュートワード設定
 ・カフェで映画の話してるグループから距離をとる
 ・ポスターのQRコードも読まない(予告すらネタバレ)

 友人には言われた。

「それ、もはや修行僧じゃん」

 ~第七章:なのにまたやる~
 そして翌月。

 私「このミステリー映画、何も知らずに観たい!」
 → 予告すら見ずに待機
 → SNS開かないように努力
 → でもちょっとだけ、関連グッズだけ検索……

 →「●●のブローチ、あれが伏線とは思わなかった!」

 ──終了。

 まただよ!!!
 検索履歴って、ピンポイントで爆弾拾ってくるの何!?

 結論:
 ネタバレは、ちょっとした一言で成立する

 SNSは便利だけど、配慮も自己責任も必要

 見たくなかったのに見た、でも開いたのは自分

 最後は「知ってても楽しむ」力が問われる

 でもやっぱり、知らずに驚きたかった(泣)

 ~最終章:それでも私は観に行く~
 ネタバレを喰らった夜。
 映画はたしかに“展開”は知っていた。
 でも、演技・音楽・映像は想像以上だった。

 終わって立ち上がると、
 前の席の人が小声で言った。

「え、●●犯人なの知らなかった……泣いた」

(……ちょっと羨ましい)

 私は明日、また別の映画のチケットを買う。

 今度こそ、一切のネタバレなしで行くぞ!!

(と言いつつ、キャストの舞台挨拶だけは検索しちゃう)

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