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メモしてるのに思い出せない人の話

 月曜の朝。
 会社に向かう電車の中で、突然思い出した。

「あ、電気代の支払い……今日までじゃなかったっけ?」

 慌ててスマホを開く。
 でも、メモアプリは開かない。

 まず検索履歴→ニュース→SNS→メール→再びSNS
 ──そして10分後。

「あれ、何調べてたんだっけ?」

 何ひとつ解決していない。
 これが、“メモはあるけど開かない族”の一日である。

 ~第一章:とりあえず何でもメモする派~
 私は、メモアプリを多用するタイプだ。

 ・買い物リスト
 ・アイデアメモ
 ・気になる本
 ・支払い期限
 ・「夜に考えること」←抽象的すぎる
 ・「明日の自分に託す」←もっと抽象的

 一見、整理された生活。
 でも実態は、“しまった場所を忘れる整理整頓”である。

 ~第二章:メモのタイトルが雑すぎる問題~
 メモアプリのタイトルには、よくあるパターンがある。

「あれのやつ」

「これ買う」

「まじで忘れないこと」

「←見ろ!!!」(でも見ない)

 あとで読んだとき、まったく意味がわからない。

「これ何!? “あれのやつ”って、何のこと!?」

 過去の自分からのメッセージが、
 思わせぶりな暗号と化す。

 ~第三章:カテゴリ分けした途端にアクセス不能~
 一念発起して、メモをフォルダ分けしたこともある。

 ・「日常」
 ・「買い物」
 ・「仕事」
 ・「名言」
 ・「考えごと」
 ・「一旦ここに」

 最後の「一旦ここに」がブラックホール化。

 なんでも放り込むうちに、
 中には「歯ブラシの型番」と「自分を励ます言葉」が混在している。

 もはや宝探し。

 ~第四章:思いついたらすぐメモ!でもタイミングが最悪~
 散歩中、トイレ中、風呂上がり、寝落ち前──
「これメモっとこう」と思いつくのは、いつも手が濡れている時か両手がふさがってる時。

 → 頭で覚えておいて、あとで書こう
 → 忘れる
 → 5時間後「なんか思い出したいことあった気がする」

 この“記憶の残り香”が、最もモヤる。

 ~第五章:過去のメモを読んで絶望する~
 ある日、時間があったので昔のメモを読み返してみた。

 ・「冷蔵庫の裏にあったやつ」
 ・「角に足ぶつけた」
 ・「次こそはやる」←何を?
 ・「寝る前に見るな」←見るものとは?

 自分で書いたはずなのに、何一つわからない。

「これ、誰宛?」
 と自分に問いかけたくなる。

 ~第六章:リマインダー機能が無視される~
 通知をONにして、リマインダーも設定した。

 → 通知が鳴る
 → 「あ、はいはい、今じゃない」
 → スヌーズ or 無視
 → 結局やらない

 リマインダーは“未来の自分への申し送り”なのに、
 未来の自分はそれを読む気がない。

 時間指定までしたのに無視。
 どのタイミングなら見るんだ私。

 ~第七章:なぜか“紙のメモ”だけ覚えてる~
 ある日、冷蔵庫に貼った付箋をふと見る。

「しょうゆ、もうない」
「カビ取り買って」
「アイスは我慢」

 それだけはちゃんと覚えてる。

 スマホメモには「重要」とマークしてあるのに、
 紙に書いたものの方が脳に焼きついている。

 私「スマホ、何のためにあるんだっけ」

 結論:
 メモする安心感だけで完結しがち

 書いたことすら忘れるなら、それは“記録”ではなく“魔法”

 雑なメモは自分に刺さる謎の呪文になる

 リマインダーも未来の自分の機嫌次第

 やっぱり紙が最強かもしれない(でもメモ帳なくす)

 ~最終章:それでも私はメモを取り続ける~
 今日も私は、
「夕方にあれやること」とメモアプリに書き込んだ。

“あれ”とは何か、もはや不明。

 でもなぜか、「書いたことで安心」している自分がいる。

 そして、スマホの中には増え続ける
“誰にも届かないメモたち”。

 未来の私へ──
 もし読んでたら、
 このメモの意味、教えてほしい。

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