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寝る前にスマホ見ただけなんだが

 23時30分。
 風呂も入った、歯も磨いた。
 あとはベッドに入って、寝るだけ。
 理想の健康生活そのもの。

 私はスマホを手に取り、
「寝る前にちょっとだけ、天気見ておこう」と思った。

 ──その“ちょっと”が、すべての始まりだった。

~第一章:天気予報からの脱線~
「明日、雨っぽいなー」
 →「じゃあ通勤どうしよう?」
 →「てか最近、電車トラブル多くない?」
 →「“○○線 遅延”で検索」

 →関連記事:「なぜ今、電車が止まりやすいのか」
 →「電車内で見かけた迷惑行為ランキング」

 私「ほうほう……なるほど……」

 気づけば25分経過。

 天気予報が、なぜ社会評論になった?

 ~第二章:SNSという名の底なし沼~
 気分転換にSNSを開く。

 最初は友人の夕食写真。
 次に猫の動画。
 その後は謎のモノマネ芸人のショート動画。

 →「#3秒で笑える動画集」
 →「#もう寝れない人だけ見て」
 →「#スマホ見てる暇ないけど見ちゃうやつ」

 全部に引っかかる私。

 気づけば、指が勝手にスクロール。
 心は「やめよう」と言ってるのに、
 指は“次へ”を押してる。

 ~第三章:通販サイトが急に始まる~
 SNSに広告が混じる。
「30%OFF!本日限定!」
「ぐっすり眠れる抱き枕(期間限定色あり)」
「このアイマスク、地味に最高」

 私「ほう、ぐっすり眠れると……?」

 レビューを読み始める。
「快適でした!」「熟睡できました」「朝まで一度も起きません!」

 私「これ…買えば…寝れる……?」

 気づけば、カートに入れてる。

 ※明日届く。寝不足の顔に、快眠グッズ。

 ~第四章:YouTubeを「ちょっとだけ」~
「耳だけにしよう。BGM代わりに」

 ──だいたいそれで済んだことがない。

 ・なぜか見る「古代文明の謎」
 ・なぜか引き込まれる「地下に巨大都市を作る男」
 ・なぜか再生される「知らん人のルームツアー」

 おすすめが強すぎる。

 私「あと1本だけ」
 YouTube「次の動画は自動再生されます」

 やめられるわけがない。

 第五章:時計が裏切ってくる瞬間~
 そろそろ寝るか……と思ってスマホを見る。

 3:16

「……え?」

 思ってたのと違う。
 2:16くらいだと思ってた。
 なんならまだ1時台のテンション。

 でも3時台。

 急に襲ってくる絶望感。

 寝ても5時間寝れないやつ。
 その瞬間、「睡眠が義務」になる。

 ~第六章:「早く寝なきゃ」の呪い~
 目を閉じる。
 が、脳がうるさい。

「この動画、明日見よう」
「いや今見といた方がよくない?」
「いやいや、目つぶれ」
「いやでも、“江戸時代に冷蔵庫があった説”は気になる」

 もう寝かせて……。
 心が叫んでいるのに、指が動く。

 スマホの明かりが、
 眠気と理性を焼いていく。

 ~第七章:そして夜明けへ~
 気づけば4:48。
 窓の外が白み始める。
 鳥がチュンチュン鳴いている。

 私はスマホを置き、
 横になる。

「あと1時間半で起きなきゃ」

 泣いていい?

 結論:
 スマホは“ちょっとだけ”では済まない

 寝る前の検索は地獄の入り口

 指が意志を持ち始める

 情報過多に脳がハイになる

 寝たいのに眠れない最大の理由は「自分」

 ~最終章:それでも、またやる~
 翌晩。
「今日こそ、23時半にはスマホやめる」
「そのために“夜用モード”ON」

 結果:
 23:45に“寝かしつける音楽”を探して、
 そこから再び「睡眠用動画」→「子守唄の歴史」→「民謡の秘密」→朝。

 私「スマホって、怖い。」

 でもまた手に取る。

「ちょっと天気、見るだけだから」

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