「ゴルフって趣味でしょ?」に返した、たった一言。
「ゴルフって“趣味”でしょ?」
最近、ときどき、こんなふうに言われます。
そのたびに――私はつい、いろんな心境を想像してしまいます。
① 純粋な驚きや関心
「障害があるのに、ゴルフできるんだ!」
知らなかった世界への率直な驚き。
悪気はなく、むしろ応援の気持ちも混ざっている。
でも、その裏には「まだ知られていない現実」があることも、私は知っています。
② 無意識の偏見や“線引き”
「障害者=不自由」「スポーツ=健常者のもの」
そんな固定観念が、言葉の奥ににじんでいることも。
つまり、「できると思っていなかった」。
どこかに、“見下し”のニュアンスを感じてしまうときもあります…
③ 特別な目的がなければやらない、という思い込み
「リハビリですか?」「社会貢献的な活動ですか?」
……いえ、違います。
ただ、やりたいからやっているんです。
でも、“趣味=ゴルフ=経済的に余裕がある人のもの”という価値観のもとで言われると、ちょっとだけ――苦笑いしてしまいます。
④ 距離を感じていて、関わり方がわからない
「自分とは違う世界の人」としてカテゴライズしたいだけ。
趣味か?リハビリか?と分類したくなる気持ちも、わかります。
でも、その線引きが、心の距離を広げてしまうこともあると感じています。
⑤ 嫉妬や自己防衛(少数ですが確かにある)
「自分は何もしていないのに、障害者が挑戦してるって…」
無意識に「そんなの趣味でしょ」と矮小化したくなる。
「すごいですね」と言われながら、
その一言に“上下”の意識を感じることもあります。
はい、趣味です。という答えに迷う。
私は、脊髄損傷という障害を抱えながら、歩行支援機を使って、スタンドプレーでゴルフをしています。 日本で、いや、おそらく世界でも――こんなふうにプレーしているのは、自分だけかもしれません。
医療的な限界、身体的な課題。 思うように動かない現実と向き合いながら、 「もう一度、スポーツ競技がしたい」と思って立ち上がったこの挑戦。
自分にとっても、社会にとっても、きっと意味のあることだと信じています。
大会に出るにも、練習するにも、移動するにも、疲労を回復するにも――
そのすべてを、有給休暇の中でなんとか調整しています。
しかも、ゴルフ以外にも家庭のこと、通院などの休暇で、
有給休暇日数が足りなくなる年もあり、翌年度の取得日数が減ることもあります。
だからこそ、この背景を何も語らずに
ただ「はい、趣味です」と言い切ってしまうのは、
やっぱり少し違うなと感じるんです。
⑤(見下しや矮小化の意図)でない限り、
せっかく関心を持って聞いてくれた人に対して、
それだけで終わらせるのは、逆に失礼な気もしてしまいます。
💬 だから私はこう答えます
「ゴルフは趣味ですか?」と聞かれたら――
「はい。ゴルフ、頑張ってます」と答えています。
ある日、ゴルフをされている、経済的にも心にも余裕のある方が、
私にこう声をかけてくれました。
**「ゴルフ、頑張ってるんだね。偉いね」**と。
その一言がうれしくて、
それ以来、私はこの言い方で答えるようになりました。
「偉いね」と言われたくてやっているわけじゃないけれど、
あの日のその一言が、今日も私を前に進ませてくれています。
🎯 次回予告
vol.03 健常者と障害者の「壁を壊すな」と言いたいわけじゃないけど。
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