ゴルフを始めようとした、きっかけ

リハビリの途中だった。
何もかもが思うようにいかず、
焦りと、諦めと、どうしようもない苛立ちに飲み込まれていた頃。
ふと、リハビリセンターの体育館倉庫の隅に、
埃をかぶったゴルフクラブが置かれているのを見つけた。
「こんなところに、ゴルフクラブがあるんだ。」
特別、ゴルフが好きだったわけじゃない。
それでも、なぜか、その一本のクラブに惹かれるものがあった。
――ちょっと、振ってみようかな。
軽い気持ちだった。
でも、その「ちょっと」の一振りが、
すべての始まりだった。

最初は、まともに振ることすらできなかった。
一振りするたびに、握力がなくなり、
身体中が悲鳴を上げた。
それでも、降り続けた。
「できない」と思うことは、いくらでもできた。
でも、「できるかもしれない」という小さな火種だけは、消したくなかった。
リハビリの延長ではない。
ただの気晴らしでもない。
あの日、埃まみれの倉庫で手に取った一本のクラブが、
私に「挑戦すること」をもう一度教えてくれた。

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