「海」に対する思い
海の香りは濃く異臭を含んでいる。
そして潮風はベタつき不快だ。
故郷は関西の港街であり、海はごく身近な存在である。実家から10分も歩けば海がある。いつも潮の香りが漂う街で育った。
海は深く底が永遠に存在しないかと思わせるほど漆黒である。もはや生命の「生の字」さえ感じない。「不気味さ、不快、汚ない」これが僕が本来抱いていた海であった。
今、目の前には青く、広く、澄んだ海が広がっている。海の深さは青のグラデーションで鮮明にわかる。ほのかに香る磯の香りには異臭など一切含まれず、深く深呼吸をする度に、全身に「新鮮」な空気が取り込まれていく。
足下に注視すると、たくさんのヤドカリが蟻のように縦横無尽に歩き回っている。潮溜まりの一つ一つが一つの水槽のようで、熱帯魚や小さな生物達が格納されている。

波打ち際にはクラゲが漂っている。澄んだ海と強い日差しに照らされ美しい。過去に二度刺されたことがあるので、クラゲを見る度に背筋がゾワッとするあの感覚が今日も出た。美しさと恐怖を呼び起こす不思議な生物だ。

ネガティブな要素など微塵もないのが、今の海に対する思いである。この海があるから、この島に住んでいるとも言える。昔は嫌っていた海が、今では生活を支える存在に変わった。
皆にとって「海とはどんな存在なのだろうか?」そんな疑問を抱きながら書いた今日の思った事である。
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