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あなたに伝えたいこと

子供たちへ。

今日はこの前の駅伝大会のこと、話そうかな。

姉のチームは優勝したね。
みんなでつないだタスキが、
いちばん最初にゴールテープを切った。

メダルを首にかけてもらったとき、
あなたは少し照れながら笑っていたね。

母はね、あの時とても嬉しかった。

あなたがチームの一員としてそこに立っていること。
みんなと同じ色のユニフォームを着て、
同じ方向を向いていること。

それだけで、胸がいっぱいだった。

でも。

正直に言うと、少しだけ複雑な気持ちもあったよ。

あなたのタイムは、決して速くはなかった。
チームの勝利に大きく貢献できたとは言えない。

来年は選ばれるかもわからない。

だからまずは、チームでつないだそのタスキの重さを、覚えていてほしい。

来年は堂々とチームに
貢献出来たと言えるように。



それと母が大好きな光景がある。

コーチやチームのみんなに囲まれている、長男の姿。

全然貢献できなかったのは長男も同じ。

それでも

頭をぽんぽんと撫でられて、
「よく頑張ったな」と声をかけてもらって、
安心しきった顔でその輪の中にいる。

その姿を見ると、胸の奥がじんわりあたたかくなる。

それと同時に、ほんの少しだけ寂しくもなる。

いつかあなたは、守られる側じゃなくなる。

私はそれを間違いなく願っているのに。

本当は、もう少しこのままでいてほしいとも思っている。

ねえ。

いつもヘラヘラしてるけど、
あなたはメダルもらえなかったよね。

悔しいって
母はわかってるよ。

笑ってごまかしているけれど、
少しだけ唇を噛んでいたことも、母は見逃していない。

その悔しい気持ちをバネに変えるのが、今のあなたの課題。

速くなることだけが成長じゃない。

この悔しさを、次は負けないって気持ちで
頑張れるようになったら。

君だけの大切な何かを手にできると思う。

それでもし将来、5年生や6年生になって、
ぐんと速くなって、チームを支える存在になったとしたら。

誰かのために、ほんの少しでも踏ん張ろうとする日が来たら。

母はきっと泣いてしまうと思う。

泣いてもいいし、悔しがってもいいし、
ヘラヘラしててもいい。

あなたがあなたでいる限り、
母はちゃんと、見ているから。


チームに入って8か月。

入ったばかりのころは、
みんなに全然追いつけなかったね。

前の子の背中が遠くて、
その背中さえ見えなくなる日もあった。

それでも、走って、走って、走り続けた。

できないことが悔しくて泣いた日もあった。

母は、その全部を、そばで見ていた。

あの日、優勝したのは、
速さだけじゃない。

8か月間、走り続けた時間そのものだった。

だから母は、
あなたたちが何番で走ったかよりも、

誰の背中を見て走ってきたか、
誰の背中を追いかけてきたか、
その時間のほうが、ずっと大切だと思ってるよ。


末っ子は春から、チームの一員になる。
育成組として、本入部する準備を始める。

上の子たちに置いて行かれないように、
あなたも、あなただけのスタートを切る。

失敗したらいい。
たまにはさぼったらいい。

上ばかり見て、焦らなくていい。

あなたのスタートは、まだ始まったばかり。

追いかける背中があるうちは、きっと大丈夫。

いつかその背中に追いついたとき。
今度は誰かに追われる側になったとき。

そのとき、どんな顔で走っているんだろう。

母は少し後ろから、
あなたたちの背中を見ているからね。

#いまあなたに伝えたいこと

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