見出し画像

九州・鹿児島の醤油が甘い3つの理由。一度使うと戻れない「魔性の味」の正体|だれやめ語り

おやっとさぁ(お疲れ様)。
「居酒屋だれやめ」へようこそ。

今夜も冷えるねぇ。こんな夜は、芋焼酎のお湯割りをちびちびやりながら、旨い刺身をつまむのが一番の幸せ。あんたも一杯どうだい?

ところでさ、さっきからこの刺身につけてる醤油。……甘いだろう?

初めて鹿児島の醤油を口にした人は、だいたい驚くんだよね。
「これ、砂糖か何か入れたの?」なんて言われることもある。
でも、我々鹿児島人からすれば、これが「当たり前」の味。

実を言うとね、おいちゃんも昔、学生時代に県外で暮らしていたことがあったんだ。その時、一番困ったのが醤油だった。
スーパーで売っている醤油が、どれもこれも「しょっぱい」んだよ。
キレはあるんだけど、なんだか角があって、舌に刺さるような気がしてね。

結局、実家の母に頼んで、いつも使っている甘い醤油をわざわざ送ってもらっていたよ。あれが届いた時の安心感と言ったら……。
やっぱり、この甘みがないと、一日の疲れが取れないんだよね。

今日は、そんな鹿児島県民が愛してやまない「甘い醤油」の謎について、酔ったついでに少し調べてみたから、語らせておくれ。


理由その1:薩摩藩の「富」と「おもてなし」の記憶

まず、歴史を遡ってみると、この甘さはかつての「薩摩藩の誇り」だったことがわかるんだ。

江戸時代、砂糖っていうのは今の僕らが想像する以上に、とんでもない高級品だった。でも、薩摩藩は奄美諸島などで砂糖(黒糖)をたくさん作って、それを専売品として扱っていたんだね。

つまり、鹿児島にとって砂糖は「富の象徴」だったわけ。

そんな貴重な砂糖を、日常の調味料である醤油にたっぷり使う。
これは、自分たちの豊かさを誇示するだけじゃなく
「遠くから来たお客さまを最高級の甘さでもてなしたい」という、究極のホスピタリティだったんだよ。

「甘い=贅沢で、心がこもっている」。
そんな先人たちの優しい見栄が、今の醤油のベースになっていると思うと、なんだかこの甘みがより一層、尊く感じられないかい?


理由その2:この「暑さ」を乗り切るための、体の知恵

次に、鹿児島の「気候」も大きな理由の一つだね。

鹿児島はとにかく温暖、というか夏は猛烈に暑い。
外を歩くだけで体力がゴリゴリ削られるような日もある。
そうなると、体は本能的にエネルギーを欲しがるんだよ。

疲れた時に甘いものが欲しくなるのは、人間として自然な反応だろう? 醤油に甘みを足したのは、過酷な暑さの中で働く人たちが効率よくエネルギーを補給するための、生活の知恵だったんだ。

それに、砂糖には防腐効果もある。
冷蔵庫なんてなかった時代、高温多湿な鹿児島で食べ物を長持ちさせるために、醤油に砂糖を混ぜたという側面もあるみたいだね。

「甘え」じゃなくて、生きるための「強さ」がこの味を作ったんだ。
そう考えると、中間管理職で日々戦ってる僕らが、この甘みに癒やされるのも納得がいくってもんだよ。


理由その3:獲れたての「地魚」が、この甘さを求めている

そして最後は、なんといっても「魚との相性」だ。

鹿児島の近海で獲れる鯛やカンパチ、キビナゴ。
あいつらは身が締まっていて、脂がしっかり乗っているのが特徴なんだ。

この脂の乗った刺身に、関東のキリッとした辛口醤油を合わせると、醤油が勝っちゃう気がするんだよね。でも、このとろみのある甘い醤油なら、魚の脂を包み込んで、旨みを何倍にも引き立ててくれる。

それにさ、鹿児島の家庭じゃ、この醤油一本で煮物から炒め物まで全部こなすんだ。最初から甘いから、砂糖やみりんを足す手間が省ける。
「てげてげ(適当)」で美味しいものが作れる、究極の時短調味料でもあるわけさ。

甘さは、明日へ向かうための「クッション」

「しょっぱい」現実を、ほんのり「甘く」包み込んでくれる魔法の調味料。

あんたも、もし何かに疲れた夜は、鹿児島の甘い醤油で刺身を食べてごらん。きっと、尖った心が少しだけ丸くなって、また明日から「てげてげ」頑張ろうって思えるはずだから。

さてと。今日はとびきり新鮮な「鶏のたたき」が手に入ったんだ。
これもまた、甘い醤油なしでは語れない、“だれやめ”のお供の一つ。
皮のコリコリした歯ごたえと、噛むほどに溢れる濃厚な旨味。こいつを受け止めるには、やっぱりこの
あまーい醤油と、たっぷりのニンニク・生姜じゃなきゃダメなんだよなぁ。

ほら、見てごらんよ、この輝き。 今日はこれで、最高の一杯をやろうじゃないか。
今夜も、おやっとさぁ。乾杯。

母ゆずり【かねよ 横山味噌醤油醸造】
代々受け継がれた伝統製法で造られる濃口醤油。豊かな香りとバランスの取れた味わいで、あらゆる料理に寄り添います👇


甘露(かんろ)【サクラカネヨ 吉村醸造】
天然醸造で仕上げた鹿児島の甘口醤油。上品な甘さと旨味が調和し、つけ・かけ用として幅広く活躍します👇


専醤(せんしょう)【ヒシク 藤安醸造】
鹿児島の老舗が誇る極甘口醤油。まろやかな甘みと深いコクが特徴で、刺身や卵かけご飯に最適な逸品です👇


ヤマガミのこいくち醤油【ヤマガミ醤油 上原産業】
南九州の味を守り続ける濃口醤油。甘口ながらしっかりとした醤油の風味があり、煮物から炒め物まで万能に使えます👇


併せて読みたい。鹿児島の芋焼酎お湯割りの掟👇


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集