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春に霞む。【春弦サビ小説】


卒業式が終わって。

帰り道の校門からの下り坂。

坂道を彩る桜の木。

前をひとり歩いている君。

後ろ姿が舞う桜と相俟って綺麗だ。


この坂道を帰る雨の日を思い出す。

急に降った天気雨に木の下で雨宿りの君。

置き傘していた僕は、傘を差して君の元へ。

『使いなよ』のひと言を置いて、僕は走って行こうとするけど。

『待って、濡れちゃうよ』と君は僕を傘へと招いた。

相合傘で下りる坂道。

何を話したか覚えてなくて。

坂道下りきったら君は右。
僕は左。

傘をあげて、僕は走って帰った。

『恋』は雨が教えてくれた、あの日。


風が吹いて桜の花びらがたくさん舞う。

君を霞めてしまうような花吹雪。

声掛けられず、君は右。僕は左。

右の君を後ろから見送る。

何も言えなかったのは、
きっと春の所為。


また会えると思っていたら、
君の姿は何処にもなくて。


本当の気持ちは言えないまま。



春に霞んだ遠い初恋。




Inspired by rira lyric.
Composed by NyancoGALAXY

Arranged by 『坂道で遠ざかる君を見てた』




にゃんくしー先生による音の彩り。
切なさが増し増し✨


#春弦サビ小説

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