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一枚の地図のために、何度も歩く。

「地図を作るのって、パソコンでデザインするのが一番大変なんでしょう?」

そんなふうに聞かれることがあります。

でも実は、一番時間をかけているのは、パソコンではありません。

歩くことです。

地図づくりは、まず「この季節に花が咲いている」「こんな見どころがある」という情報をもとに現地へ向かうところから始まります。

そして目的地へ向かう途中も、

「この近くに何か面白い場所はないかな。」

そんなことを考えながら歩いています。

目的の場所だけではなく、その周りにも地域の魅力が隠れていることが多いからです。

もちろん、一度歩けば終わりではありません。


飛島のヤブツバキ

「あの場所の写真を撮り忘れた。」

「あとで本を読んだら、新しい情報が見つかった。」

そんなときは、もう一度同じ場所へ向かいます。

気づけば、同じ道を何度も歩いていることも珍しくありません。

でも、歩けば歩くほど、新しい発見があります。

その一方で、楽しいことばかりではありません。

道が細くて車が入れなかったり、

草木が生い茂って目的地にたどり着けなかったり。

藪をかき分けて進むこともあります。

「この先で合っているのかな……。」

と不安になりながら山を歩いたことも、一度や二度ではありません。

ヘビやイノシシに出会わないよう気を付けながら歩くこともあります。

そんな苦労もありますが、それでも現地へ行くのは、地図だけでは分からないことがたくさんあるからです。

笠岡ベイファーム

そして、地図が完成したあと。

道の駅笠岡ベイファームの休憩室に地図が貼り出された瞬間、「やっと完成した。」と実感します。

でも、本当にうれしいのは、そのあとです。

地域を歩いていると、

「あんたが描いてくれとった地図じゃろ。」

と声を掛けてもらうことがあります。

自分が描いた地図を地域の方が知ってくださっていた。

その一言が、本当にうれしくて、今でも忘れられません。

私は地図を一人で作っているように見えるかもしれません。

でも実際は、地域の方が教えてくださる話があり、歩いて確かめる時間があり、たくさんの人の協力があって、一枚の地図が完成します。

だから私は、地図は一人では作れないと思っています。

次回も、一緒に笠岡を歩きましょう。

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