詩: おいしさの秘密
「たまには僕が腕を振るうからね」
そう言ってキッチンに立ったあなた
危なっかしい手つきで
鼻歌まじりに野菜を切っています
手伝おうとするわたしを
「ソファーでのんびりしていて」
と キッチンから追い出します
リビングに漂い始める香ばしい匂い
時計の針が一回りしたころ
お皿に並んだのは
少し形の歪んだハンバーグとサラダ
「どう?自信作なんだ」
「とっても美味しい!まるでお店の上品な味」
「よかった」
あなたは嬉しそうにビールを開けます
「洗い物はわたしがするわね」
ゴミ袋をきゅっと結ぼうとしたとき
その底に隠された小さな空き瓶が二つ
それは わたしの大好きな
フランスの特製ソースとドレッシング
ふふ
美味しさの秘密 みつけたわ
でも
あなたには黙っておくわ
(麗 2026.6.17)
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