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【育児日記】カンパイ

先日、ズルズル続けていた次男(1歳)への授乳をやめるべく、私は卒乳を決意した。キッカケは歯がほぼ生えそろった次男が、授乳中に乳首を噛みちぎり流血→激痛に耐えながら授乳する生活に、私が耐えられなくなったから。

西の魔女が死んだように、ある日突然私の右の乳首が死んだ。


3時間置きにミルク作って、哺乳瓶洗って、また作って、、、めちゃくちゃ面倒くさいな!
オッパイ出てくれ!完母にしてくれ!!!

第一子である長男妊娠中の頃から、ずっと私は自分の体に念じていた。ズボラな私の念を受け「乳を出させなければ、お腹の子供が危ない!」と、私の体が危機感を持ったのかもしれない。

私のオッパイは岩のようにガチガチに張り、蛇口の壊れたシャワーのごとく出まくった。

そして、私はドリンクバーになった。
24時間営業で息子に乳を提供する...規模は違えど、やっている事は、ほぼガストと同じだ。

ドリンクバー(母乳)の良い所は、なんと言ってもコスパが良い所だと思う。ミルクは高級品だ。退院して産院で使っていたものと同じミルクを買おうとしたら1缶三千円くらいして、ビックリした記憶がある。その点、ドリンクバーは飲み放題だ。

しかし、長所があれば短所も出てくる。
私が思うドリンクバーのデメリットは、“ 親子でオッパイへ依存する事 ” だと思う。ちにみに我が家の場合、この親には父も含まれる。抱っこして数秒で、ぐずり出す我が子を見て「オッパイじゃない?」と、当然のように言い、私に授乳を促す夫。「(さっきあげたばかりだから)オッパイじゃない!」このやり取りをずっとモヤモヤしながらやってきた。

赤子は泣くのが仕事。
そしてそれを受け止めるのが親の仕事だ。

SLAMDUNK 安西先生のように「諦めたらそこで試合終了ですよ?」と、夫へ優しく言いたいところだったが、絶賛ガルガル期の私は「諦めんなッ!!!」と同じチームメイトとして喝を入れる事しかできなかった。

親子でオッパイに依存しまくっていたので、長男の卒乳は、それはそれは難航した。「オッパイばいばいだよ」毎日出ていたドリンクバーから乳が出ないと言われても、当時1歳だった長男は納得しなかった。夜中に泣き叫び暴れるので抱っこもできず、疲れ果てるのをひたすら待つを数日繰り返した。何度も何度も授乳したくなったが、このまま授乳に頼って寝かしつけていては、永遠に夜通し親子で眠れない。心を無にしてひたすら親子で耐えた。

1週間ほど経ったある日、ついに諦めて長男がすんなり夜寝るようになった。夜中も起きない。夜泣きもない。終わった。長男が生まれてから、初めて親子で朝まで1度も起きずに眠れた日だった。

やった!朝まで寝れる!お酒も飲める!

(でも何でだろう...ちょっと寂しいかも?)

*

それから4年後――――。

2度目のドリンクバーも、いよいよ閉店を迎える事になった。閉店初日は、大好きなオッパイを飲めない次男が、大泣きする事が予想される。そのため閉店日は、翌日の夫の仕事にも長男の幼稚園にも影響のない金曜日に設定した。

そして金曜日、閉店初日。
次男は、長男の時を遥かに越える大泣きと大暴れでドリンクバー閉店に反対した。
〚これは長い戦いになるな...〛
ここで中途半端な事をすると戦いは長引く。心を無にしてひたすら耐える。気づくと2時間以上経っていた。最後は泣きつかれてグッタリした次男をグッタリした母が抱っこ紐を使っておんぶし、寝たのを確認して、そのまま一緒に私もベッドに倒れ込むように寝た。

2日目。
ベッドに入り横で「オッパイばいばいだよ」と、私は自分の乳に向かって手を振るジェスチャーをしながら次男に伝える。次男は何クソと、フワフワのちぎりパンのような可愛い拳で、母の胸を思いきり殴ってきた。

かと思えば、私のパジャマの中に潜り込み、乳を恵んでもらおうと、こちらに渾身の笑顔を向けてくるではないか。

〚か、、、可愛い!!!!!〛

押してダメなら引いてみる...1歳にして次男にはすでに策士の片鱗があった。あの手この手で母に揺さぶりをかけてくる。しかし前日の疲れもあってか、2日目は初日ほど時間もかからず、早々に暴れる事を諦めた次男を抱っこ紐に入れ、おんぶで寝かせて終了。

そして、運命の3日目。
ベッドに入り自らベスポジを見つけ、次男は10分ほどゴロゴロしながら勝手に寝た。
...終わった...のか??

疑惑の残る4日目。
ベッドに入り自らベスポジを見つけ、(以下同文)

終わった!!! 終わったよ〜!!!!!!


我が家はもう3人目の子供は考えていていない。
よって、次男の卒乳は私自身の卒乳でもある。

もう私が子供と0距離でギュ~っとくっついて、授乳する事はない。生まれてすぐは、授乳する母も飲む子も下手くそで、全然上手くいかなかった。飲んでもらえないから乳が張って岩のようにガチガチに固くなって、痛くて熱くて、保冷剤で冷やしながら寝た。毎日親子で授乳するたび、ビショビショになっていた。あの時は確かに目も半分開いていなくて、必死でオッパイを探して飲んでいた、小さな小さな赤ちゃんだった。それがいつの間にか自分から母の乳を手でバンバン叩いて、一丁前にドリンクバーの開店を煽るようになっていた。

長男「次男くんもうオッパイ飲まないの?」
    「うん。もうオッパイ卒業したんだ」
長男「そっか。子供の階段登ったんだね」

そうか...もう我が家に赤ちゃんはいないんだ。
もう2人とも自分の意思がハッキリあって、泣く以外の伝える方法も分かり始めた大人の階段を登る途中の子供なのだ。


私のオッパイは任務を完了した。完パイだ。
嬉しいけど、ちょっと寂しい自分もいる。

「完パイ乾杯!!!」

2年ぶりに飲んだビールは、少しだけ苦く感じた。




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