真実の口
私がマウスピース歯科矯正を始めてから、半年が経とうとしている。基本的に食事のとき以外は器具を付け続けなればいかず、水のみを飲んで過ごす。食べる事とダラダラ飲む事が大好きな私にとって、なかなか厳しくストイックな生活を余儀なくされた。
ちなみに、1日の目標装着時間は22時間。
毎食30分で完食する事を目標に『マウスピースを取る→食事する→歯を磨く→マウスピースをつける』という行為を1日3回繰り返す。
(矯正が終わる頃にはガリガリになるかも…)
マウスピースを付け始めた頃、わりと本気で思っていた私は、期待と不安でいっぱいだった。…が、以前と食べる量はさほど変わらず、私の食生活は、限られた時間でいかに沢山食べて飲むかにシフトチェンジしただけとなった。
治療が進むにつれて、歯医者で『歯と歯の間に隙間を作る作業』が行われるようになった。歯が移動しやすくする為に、意図的に歯と歯の間を削る隙間作りを計画的に行うのだ。
そして、私は人工隙っ歯になった。
ギチギチに歯がひしめき合う生活しか知らなかった日常から一変、初めての『歯に食べ物が詰まりやすい』という異文化に触れた。
食後にシーシーしたい!今なら口に爪楊枝を加え、居酒屋から出てきて行かない方向を見るサラリーマン(©中川家)の気持ちが分かる気がする。食後に何かしらの食べ物がずっと口の中でピロピロしている。
せっかく異文化に触れたので、私は異文化交流を楽しむ事にした。おそらく誰にも需要がないであろう人工隙っ歯が送る歯に詰まりやすい食べ物グランプリ略して『T−1』を独断と偏見で勝手に開催!
年末が近づいてまいりました。脳内でM−1グランプリの出囃子を流してお楽しみください。
...…はじめましょう。
♬エセカンカンカンカンカンカンカンカンカン、オッ、オ〜、オッ、オ〜

スルスルと歯と歯の隙間に入ってくる。これが歯ではなく懐だったら、えのきはとんでもない世渡り上手になっていただろう。

葉も茎も、とにかくTofT。
葉を歯に詰めて『ハハハ』と笑えば、白い歯に青々とした葉がアクセントカラーになって映えたり映えなかったりラジバンダリ。

繊維の魔法にかけられて、歯と歯の隙間という隙間に詰まるテクニシャン。『何か歯の隙間でピロピロしてるなぁ』と思ったら、だいたい鶏肉。
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ここまでのエントリーを見て、感の鋭い方はお気づきだろう。…そう、Tを全て使った料理がこの世に存在する。
それは…水炊き。
この冬デートで水炊きを食べる予定のマウスピース歯科矯正者は、必ずデンタルフロスまたは歯間ブラシを持って出かけて下さい。
デート中に『T−1 エントリー食材』を全て歯に詰まらせたまま口を開くのは、蛙化現象を起こすかもしれない。いやいや、そんな事で私達の愛は冷めないわ と言う方は、時代に逆行して蛇化現象を目指し、真実の口を相手に差し出すも良し。

