【育児日記】IKEAでIKETA
私は定期的に IKEAに行きたくなる。
息子のレゴブロックの黄色と青色を選別し、子供部屋の片隅で IKEA風の倉庫をおもむろに作り始めたら、そろそろ行きたくなっているサインだ。
行ったとて特に家具を買う予定はないし、買うのは小物①②くらい。ただただあの空間が好きなのだ。


気づくと家中からなくなっている不思議クリップ
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そんな細客常連客の私だが、去年からIKEAに行くと、度々勃発する問題があった。
それは…
長男スモーランド行きたいけど、行けない問題。
IKEAにはスモーランドと呼ばれるキッズルームがある。ここでは4歳〜11歳までの子供達が最大60分無料で遊ぶ事ができる。専任スタッフが常駐しており、親はその間にゆっくり買い物する事ができるという、親と子どちらにも優しい世界…それがスモーランド。
スモーランドには、息子達が大好きなボールプールがある。長男(5歳)は去年からスモーランドを利用できる年齢になり、IKEAに行く度に行きたがっている。
駄菓子菓子、ここは子供のみの利用で、保護者は中に入ることができない。
長男は体を動かす遊びが大好きだ。そのため商業施設に入っているキッズルームがあれば、必ず行きたがる。ただ子供のみの利用となれば、話は別だ。視界に入る場所で親が見ていようとも、一緒に遊べないと分かるとたちまち不安になり、行かないとなる。
『知らない子供達がいる空間で1人で遊ぶ』
長男にとってそれは、とてつもなく勇気のいる事だった。ガラス張りの窓から、中の様子をじっと見つめる長男...視線の先にはボールプール。
私 「どうする?行ってみる?」
長男「...1人はやだ」
私 「そっか」
そんなやり取りをIKEA来店の度にし、もうすっかりスモーランドをスルーするようになっていたある日、長男が突然「1人で行ってみる」と言い出した。
(ぬーー?!行ってみるぅぅぅううう?!)
私はかなり動揺していたが、ここで動揺したまま「え?ほんと?1時間1人だよ?いける?!」などと言おうもんなら、長男はすぐに「やっぱり辞める!」となるだろう。
ここはひとつ、『私は女優』と自分に言い聞かせ、レッドカーペットを歩く姿を想像し、冷静な母を演じてみようじゃないか。
女優「あ、じゃあ行ってみる?」
たった1言の台詞に、精一杯の真心を込める。
スモーランドは人気かつ人数制限があるため、整理券を発行して指定された時間に入る事になった。ほぼ一方通行で、買う予定のない商品もなぜか気になって見てしまうスェーデン発祥の戦略的動線をくぐり抜け、何度も各所で登場する小物①と小物②を戦略通り購入する細客。なんやかんやで指定時刻になり、再びスモーランドへと向かう。
長男「やっぱり辞める」
(ぬーー?!辞めるぅぅぅううう?!)
女優「そっか。」
母 「ガラスの前でママ見とくから行ってみたら?」
諦める女優と、諦め切れない母。
長男「もう行かない」
長男は勇気を出して「行く」と言ったものの、すぐに入れず指定時刻まで時間が経ち、待っている間に緊張と不安が勝ってしまったようだった。
結局その日、スモーランドに長男は行かなかったが、自分から『行く』と言った長男の勇気を夫と一緒に帰りの車で振り返り、私達は嬉しく思っていた。一方で、長男本人は『行きたかったけど行けなかった気持ち』を残したまま、後部座席のジュニアシートに座って何とも言えない顔をしていた。
それからしばらく経った先週___
気づくと私は子供部屋の片隅で IKEA風の倉庫を、レゴブロックでおもむろに作り始めていた。
夫「 IKEA行こか?」
私「行く!!!!!」
行きの車で次男(1歳)が寝てしまい、到着しても起きなかったため、私は次男が起きるまで車内に残り、夫と長男は先に IKEAへ2人で向かった。
そして、しばらくすると夫からLINE。
スモーランド待ち時間なしで入れた!
長男めっちゃ楽しそう♡
寝起きの次男をベビーカーに乗せ、私は慌ててスモーランドへと向かう。先にガラス張りの窓の前で張り付いていた夫と合流し、一緒に張り付いて長男を探す。すると...こちらに長男が近づいてくる。目の前には、楽しそうにガラス越しに手を振る笑顔の長男の姿。
1人でスモーランドに行けた!
行けた !
イケタ ! !
I KE TA ! ! !
本来ならスモーランドは、1時間子供を預かってもらい『その間に親はゆっくり買い物を…』というIKEAの心遣いと戦略だ。
駄菓子菓子、私達は買い物をせぬまま喜びを噛み締め、約1年半越しのボールプールを楽しむ息子をガラス越しに眺めていた。
ちなみに、長男に負けないくらいボールプールが大好きな次男。どうして自分は行かせてもらえないんだと「てぃ、てぃ、てぇぇぇえい!」と叫び、ガラスに張り付き猛抗議していた。
退出時間ギリギリまでスモーランドを楽しんだ長男。自分の受付番号のBOXを持って、晴れ晴れとした顔で出口にやってくる。BOXから自分の靴を取り出し、靴を履く。スタッフの方にお礼を言って、BOXを返した。
「良かったね」「1人で行けたね」「カッコよかったわぁ〜」出てきた長男を捕まえて、私と夫が褒めまくる。長男はニコニコニヤニヤしながら「まぁね、もう5歳だからさ」と、自信に満ちた誇らしい顔で言った。
その顔を見て、何だか私は泣きそうになった。

#賑やかし帯 (いつきさん、いつもありがとうございます♡)
