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なぜ、捨てられない服があるのだろう

衣替えのたびに、手に取る服があります。

もう何年も着ていない。

今の自分には少し似合わない気もする。

サイズだって変わっているかもしれない。

それなのに、なぜか捨てられない。

そんな服はありませんか。


私にもあります。

20代の頃、思い切って買った服。

少し変わったデザインが好きだった頃の服。

その服を着て出かけた場所。

出会った人。

かけてもらった言葉。

服を見るたびに、その頃の景色がふっと蘇ります。

だから、本当はもう着ないとわかっていても、

なかなか手放せないのです。


世の中には、

「不要なものは手放しましょう」

という言葉がたくさんあります。

もちろん、それが必要な時もあります。

けれど私は、無理に捨てる必要はないと思っています。

捨てられないのには、理由があるからです。


その服は、ただの服ではありません。

あなたがその時代を生きた証です。

頑張っていた日々。

夢中になっていたこと。

嬉しかったこと。

悔しかったこと。

誰かとの出会い。

誰かとの別れ。

そのすべてを知っている服なのです。


だから私は、

「捨てられない自分はダメなんだ」

と思わなくていいと思っています。

むしろ、

「これは残しておこう」

と決めることも、一つの選択です。

クローゼットの中に、

あなたの大切な1ページを置いておく。

それの何がいけないのでしょう。


私は、クローゼット診断を

「ReCloset(リクローゼット)」

と呼んでいます。

それは、服を整理することではありません。

服が、もう一度息を吹き返すこと。

そして、

その服を通して、

自分自身ももう一度前を向くこと。

そんな願いを込めています。



私は必ずしも、

すべての服を着られるようにすることが目的だとは思っていません。

無理に活用しなければいけないわけでもない。

無理に手放さなければいけないわけでもない。

大切なのは、

その服が自分にとってどんな存在なのかを知ることです。


そして時々、

ずっと眠っていた服が、

再び光を浴びる瞬間があります。

「これなら、もう一度着てみたい。」

「今の自分だからこそ似合うかもしれない。」

そんなこともあります。

けれど、それ以上に大切なのは、

服そのものではなく、

その服を通して自分の歩いてきた道を振り返ることなのかもしれません。

クローゼットの中には、

服だけが並んでいるわけではありません。

そこには、あなたの時間があります。

あなたの選択があります。

あなたの人生があります。

だから私は、

捨てるか残すかを急がなくていいと思っています。

だって、それもあなたなのですから。

そして、もしそこから

「もう一度やってみようかな」

「もう一度、一歩踏み出してみようかな」

そんな気持ちが生まれるなら、

クローゼットはただの収納ではなく、

未来へ向かう小さな入口になるのだと思うのです。

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