最後まで観てしまうアニメには、たぶん「嘘がない」という話
私は、アニメをよく途中でやめる。 絵がどれだけきれいでも、関係ない。 「あ、これ知ってるやつだ」と感じた瞬間、気づくと手がスマホに伸びている。
そんな私でも、ヘルモードだけは、1期からずっと見続けている。
数少ない一本だ。
だからこそ、2期は少しこわかった。好きだった作品の続きほど、外したときの落差は大きいから。
その2期の1話を、私は最後まで見た。一度も、スマホを触らずに。
顔の分からない兄を、手紙から受け入れていく
アレンには、ミュラという妹がいる。 一緒に暮らしたのは、彼女が1歳になるころまで。だからミュラは、兄の顔を覚えていない。 覚えているのは、届いていた手紙のほうだ。
4年ぶりの再会の場面で、ミュラは母親の後ろに隠れる。そのまま、母や、まわりの大人たちの表情をそっとうかがう。 やがて、アレンの手紙を持ってきて、見せながら確かめる。この人が、あの手紙の人なのか、と。
顔を知らない「兄」を、手紙とまわりの様子から、少しずつ受け入れていく。 その気持ちの変化が、短い尺なのに、ちゃんと伝わってくる。
叫びも、泣き崩れる場面もない。小さなしぐさだけで、子どもの心の動きが伝わってくる。 これが「感情が自然に流れる」ということなんだと思う。
大きな見せ場はない。それでも、ちゃんと心が動いた。
賢いキャラが、賢いなりに動く
もう一つ、引き込まれた場面がある。 勇者ヘルミオスと、アレンが向き合う一幕だ。
アレンは、力を見せびらかさない。損得を計算しながら交渉を進めて、相手から引き出せるものを、できるだけ引き出そうとする。 頭が回るキャラが、頭が回るなら当然そうするよな、という動きを、ちゃんとやる。「なんでそこで、そんなことを?」がない。
賢いはずのキャラに、話の都合で急に間抜けをやらせる。テンプレ作品はこれをやる。そして私は、その瞬間に逃げ出す。 この1話には、その隙がなかった。賢さを、行動で見せてくる。だから納得して見ていられる。
OPも本編の演出も、1期より一段、力が入って見えた。予算が増えたのかは、私には分からない。でも、この1話で私が引き込まれたのは、絵の豪華さのほうではなかった。
絵は、入口にすぎない
正直、感情移入しづらい場面もあったと思う。この1話は、たぶん人を選ぶ。予定通りの安心がほしい人には、少し物足りないのかもしれない。 でも私には、その"予定通りじゃなさ"が、そのまま面白さになっていた。
絵のきれいさは、入口だ。それも大事な入口だ。でも、そこから先まで見ていられるかは、別のことで決まっていた。 それはたぶん、「嘘のなさ」だと思う。
妹の心も、主人公の判断も、飛躍しない。話の都合で、勝手に動かない。だからこっちも、安心して入り込める。
絵がどれだけ良くても、そこに嘘があれば、私は見るのをやめる。ヘルモード2期の1話には、それがなかった。だから、最後まで見られた。
自分の手で、ゲームを一歩ずつ進めているみたいな時間だった。派手ではない。でも、前に進んでいる手ごたえが、ずっとあった。
この続きを、私はまだ知らない
2期の舞台は、原作でいう学園編。アニメ1期が描いたのは、原作の入り口まで(小説2巻/漫画4巻ぶん)にすぎない。
その"流れ"の先を、待たずに読みたい人へ。
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