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『鎌倉暮らしってこんな感じ ー 萬屋商店 いちかわ ー』

自分が鎌倉に越してきて、
初めて馴染みの店と呼べるようになったのが、
材木座の『萬屋商店』だった。

ほとんど毎日のように通い、
たくさんの人と出会い、
たくさんのことを教えてもらった。

今の自分の鎌倉ライフは、
間違いなくあの店から始まっている。

その『萬屋商店』は、
昨年10月に店を閉じた。

もう暖簾をくぐることはできない。

それでも、
あの店で生まれた人とのつながりや、
過ごした時間まで
なくなったわけではない。

そして昨日。

市川の酒屋の駐車場で開かれたイベントに、
きくらげを販売するため出店した。

テーマは、
「立ち飲み横丁風」。

酒屋の角打ちと、
出店での立ち飲みを組み合わせた、
大人の夏祭りだ。

自分は、
角打ちをよく知っているという理由で、
会場の設営や運営を任されることになった。

そして、
その日の屋号は、

『萬屋商店 いちかわ』

材木座のキャップをかぶり、
ハリーズのTシャツを着て、
市川で角打ちのお手伝い。

お酒を片手に人が集まり、
知らない者同士が会話を始め、
気づけばそこに小さなコミュニティーが生まれている。

その光景を見ていると、
材木座をふらつき、
萬屋商店へ通っていた頃のことを思い出した。

店はなくなっても、
そこで教えてもらった楽しさは、
自分の中に残っている。

場所を変え、
形を変え、
今度は自分が
その空気をつくる側になっていた。

鎌倉で始まったご縁が、
市川で新しい景色になる。

少し不思議で、
とても感慨深い夜だった。