見出し画像

ゲームも、テレビも、住まい探しも。「攻め」の Gemini 活用事例 3 選

こんにちは、Google の AI「 Gemini (ジェミニ)」の公式 note 編集部です。

「AI=業務を効率化する道具」というイメージは、ずいぶん定着してきました。議事録の要約、メールの下書き、資料のたたき台。どれも心強い使い方です。

でも今、第一線の現場では AI の役割がもう一歩先へ進んでいます。仕事を楽にするだけでなく、お客さまに届く体験そのものを新しくする使い方、いわば守りから攻めへの一歩です。

今回は、Google Cloud Next Tokyo '26 の講演の中から、ゲーム・テレビ・住まい探しという身近な 3 つの分野で Gemini がユーザー体験を変え始めている現場をご紹介します。

記事の最後には、あなたの仕事の「攻めの一手」を考えるためのプロンプトも用意しました。どなたでも無料でお使いいただけるので、ぜひ Gemini アプリを手元に置きながら読み進めてみてください。

※Gemini の回答は常に正しいとは限りません。実際に Gemini を使用した際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただきますようお願いいたします。


生成 AI 活用の次の主語は「お客さま」

最初に、この記事で紹介する使い方の位置づけを整理しておきます。業務の効率化は、主語が「自分たち」です。一方、これから紹介する 3 つの現場は、主語が「お客さま」。

プレイヤーが、視聴者が、住まいを探す人が、何を体験できるようになるか。そこから逆算して AI の使いどころを決めています。

ゲーム:世界観を守りながら、AI パートナーと話せる体験へ

株式会社スクウェア・エニックスは、『ドラゴンクエストX オンライン』の対話型 AI パートナー『おしゃべりスラミィ』に、応答をリアルタイムで音声にする Gemini Live API を採用しています。

4 月から 5 月にかけて実施されたクローズドベータテストでは、多くのプレイヤーがこの体験を楽しみました。プレイヤーが文字で話しかけると、物語の世界の住人であるスラミィが声で応えてくれます。

注目したいのは、この新しい体験が「世界観を壊さない」設計に支えられていることです。

どんな口調で話すのか、何を知っていて何を知らないはずなのか、プレイヤーの物語にどこまで踏み込むのか。こうしたルールをひとつずつ言葉にして Gemini に与えることで、長年愛されてきた世界の中に、違和感なく新しい遊びが加わりました。

工夫は話し方だけではありません。ログインや写真撮影の瞬間にスラミィのほうから話しかけてきたり、昨日の会話や呼んでほしいあだ名を覚えていたり。

会話を重ねるほど言葉選びが親密になっていく仕組みもあり、チャット AI を『相棒』に近づける積み重ねが続いています。

効率化のためではなく、遊びの体験を増やすための AI。攻めた体験づくりを支えているのは、こうした地道なルールづくりでした。

テレビ:AI 音声生成で、番組の届け方を広げる

放送の現場は、いつも「声」のやりくりに追われています。深夜の数分のニュースのためにアナウンサーが出勤し、番組の改編や急な原稿差し替えのたびに、スタジオとナレーターの調整が発生する。

株式会社 TBS テレビが自社開発した、Gemini をフル活用する AI 音声プラットフォーム「音六 AI」は、この構造を変えつつあります。

ナレーション制作の負担が減るという効率化の側面はもちろんありますが、これまで体制やコストの面で難しかった地方局の番組にもナレーションを届けられるようになり、すでに JNN 系列 23 局に導入されています。 

多言語での音声生成を使って、国内のコンテンツを英語化し海外向けのYouTube チャンネルで展開する取り組みも始まっているそうです。

ドラマの現場では、出演者からわずか 10 秒・2 文の音声を収録するだけで、本人の声色のまま流暢な英語や中国語の音声を生成し、本編の映像に合わせる取り組みも進んでいます。

同じ番組を、より多くの人に、より合った形で届けられるようになってきています。

住まい探し:Gemini で、暮らしのイメージに出会いやすくする

理想の住まいをつくりたいと思ったら、まずはモデルハウスの見学や住宅会社探しから。そう考える方が多いのではないでしょうか。

ところが実際に多くの人がつまずくのは、その手前です。自分がどんな暮らしをしたいのか。頭の中のイメージが漠然としていて、うまく言葉で伝えられないことです。

株式会社リクルートが SUUMO の注文住宅領域で展開する「おうちメーカー」は、この最初の壁に向き合うサービスです。頭の中にある漠然とした理想を、Gemini が「おうち画像」というかたちにします。

入り口は 2 つあります。ひとつは、全国 250 店舗以上を展開する SUUMO カウンターのうち、一部エリアで先行検証中の店舗接客版。

アドバイザーと住まいづくりの相談をしていると、その会話を AI がリアルタイムに聞き取り、話したばかりの理想が、その場で画像になって目の前に現れます。

住まいづくりのヒントを一冊にまとめて持ち帰ることもできるので、持ち帰ってからの家族との話し合いにもつながります。

もうひとつは、気に入った外観や内観の画像をもとに、自分のタイミングでおうち画像をつくれるアプリ版。こちらは本格展開に向けて、磨き込みが進んでいます。

画像の生成と編集を支えているのは、Gemini(画像生成モデル Nano Banana を含む)です。

壁の色を変えたり、内装の雰囲気を変えたり。その場で何度でもつくり直せるので、言葉にしづらかった理想が少しずつ具体的になっていきます。

生成 AI がつくる画像を、人生の大きな決断を後悔なく進めるための議論の道具にする。おうちメーカーは、そんな考え方でつくられています。

攻めの AI 活用に共通する 3 つの条件

分野はばらばらでも、共通点がありました。

  • 起点がお客さまの体験
    どんな体験を届けたいかから考え始めている

  • AI は舞台裏にいる
    主役はあくまで体験。AI の存在感を前面に出さない設計になっている

  • 最後は人につながる
    品質と意思決定の最後に人がいる

あなたの仕事の「攻めの一手」を考えるプロンプト

新しい体験づくりは、大がかりな開発からでなくても始められます。

まずは、お客さまが今あきらめていることを見つけるところから。以下のプロンプトをコピーして、[ ]の中をあなたの仕事に書き換えて試してみてください。

あなたは新しい顧客体験づくりの企画パートナーです。わたしの仕事の情報をもとに、AI を使って「お客さまの体験を新しくするアイデア」を一緒に考えてください。

【出力してほしいこと】
1. お客さまが今、我慢していそうなこと・あきらめていそうなこと 3 つ
2. それぞれを AI で解消する「新しい体験」のアイデア(明日試せる小さな一歩つき)
3. その体験を届ける前に、人が最後に確認すべきポイント

【わたしの仕事】
・商品やサービス:[例:地域の不動産仲介]
・お客さま:[例:はじめて一人暮らしをする学生]
・今の接点:[例:店頭とウェブサイト]

おわりに

効率化が今日の仕事を楽にする使い方だとすれば、体験づくりは明日のお客さまとの関係を変えていく使い方です。ゲームも、テレビも、住まい探しも、始まりは「どんな体験を届けたいか」というシンプルな問いでした。

生成 AI の出力はあくまで土台。お客さまに届く形に仕上げるのは、いつだって人の目と手です。まずは、上のプロンプトを無料の Gemini アプリに貼り付けて、あなたの仕事の「攻めの一手」を考えてみてください。

個人や小さなチームでアイデアを試すなら、無料の Gemini アプリから。
組織やサービスに組み込んで本格的に活用する場合は、Google Cloud や  Gemini Enterprise もあわせてご検討ください。