逃走記7 少女
人の気配が殆ど無い商店の中で商品を物色して居た所に突如出て来た少女。その子は真ん中の通路で食べ物を探していた陸を見て、小首を少し傾げながら喋る。
「お兄ちゃん誰なの?もしかしてお客さん?」
陸に対して問いかける。陸はレジ奥から来た少女に気付いていなかったのか、少女の声を聞き驚く。
そしてすぐに俺が居た方向に顔を向け、近くの棚に俺がいる事を確認し、少女と話を始める。
「まぁそんな所かな?そういう君はこのお店の子かな?」
「うん!!学校お休みだからおばあちゃんの家に遊びに来てるの!!」
どうやらあの元気な少女はこの古びた商店の孫らしい。というか今は夏休みどころか、休日ですら無いのに学校が休みなんてあるのか?
そう思いながら、少し古びた商品棚の隙間から陸と少女の会話を見る。
「一つお願いなんだけど、おばあちゃんを呼んで貰えるかな?探して欲しい物があって。」
「今おばあちゃんお布団で寝てるから起こして来るね!!」
そう言って少女はドタドタと家の奥に走って行った。そして少女が走って行ったのを確認した陸がこっちに来る。
「扉開いてたから当たり前だけど、人居たんだな。」
「まぁ居るだろうな。まともに店やってなさそうだけど。」
当たり前の事を言って来た陸と話ていると、店の奥から泣きながら少女が走って来る。
見られたまずい為俺は咄嗟に棚に隠れ、陸は泣いている少女に身体を向ける。
そして少女は救いを求める様に泣きながら喋る。
「お、おばあちゃんが。………おばあちゃんがおかしいの!!」
そう言って泣いている少女が陸に抱き着く。陸は左手で少女の頭を撫でながら、右手で背中をさする。
その間に俺は陸と少女が居る反対側の通路からレジ奥の居間に進む。
そして畳が敷かれて居間をあがり、幾つかの和室を進むと和布団に息苦しそうに包まっている高齢の女性を見つけた。
すぐに右手で女性の左手首の脈を測り、同時に左手で額の熱を測る。
脈は平常だが、熱があるようだ。なにより先程から息遣いが荒く、呼吸が苦しくそうだ。
症状からして、肺炎か何らかのウイルス感染症だろう。
そうしていると泣いている少女を抱きかかえた陸が来た。
「ばあちゃんは大丈夫なのか光?!」
「非常にまずい状況だ。取り敢えず隣の部屋にあった固定電話で救急車を呼んでくれ!!あとマスクも探して来て欲しい。」
「分かった!!」
そういうと陸は固定電話をかける。そして119と繋がったのだが、思わぬ壁が出現する。
「光!!ここの住所って何処だ?!」
それは住所問題だった。
書いたは書いたけど、場所ってしっかり書いた方がいいのかな?
