「働きがいのある会社」とは何か?30年の研究が導き出したシンプルな答え
職場環境について話すとき、「働きやすい会社」という言葉はよく耳にします。
でも、「働きがいのある会社」とはいったい何でしょうか?
働きがいって、本来一人ひとり違うもの。
だけど、多くの人がいきいきと働いている会社には、何か共通項があるのではないか?
そんな仮説を持ち、約30年前にアメリカの企業にフィールド調査を始めたのが、
我々Great Place To Work®(GPTW)の創始者、ロバート・レベリングでした。
レベリングは7年という長い歳月をかけ、全米数百社の企業の、数千人の従業員にインタビューを行い、「働きがいのある会社」の共通項を導き出しました。

1984年と1993年に刊行した書籍はともにベストセラーを記録した。
彼が生み出した「働きがいのある会社」モデルは
30年以上絶った今でも大きく内容を変えることはなく、
世界約170ヶ国で年間21,000社以上の企業の働きがいの状態を測る指標として、信頼され続けています。
この記事では、そのモデルの中身を詳しくご紹介します。
「自分の職場はどうか」をモデルに照らし合わせながらお読みいただくと、新たな気付きや面白い発見があるかもしれません!
働きがいのある会社を構成する要素
それでは早速、Great Place To Workが提唱する「働きがいのある会社」のモデルを紹介します。
まずは全体像をご覧ください。
「働きがいのある会社」モデル
(The Great Place To Work Model)

「働きがいのある会社」とは、
立場、仕事、働く場所に関係なく、あらゆる従業員が
会社やリーダーを信頼し、
自分の仕事に誇りを持ち、
一緒に働いている人たちと連帯感を持てる
会社のこと。
この定義の重要な点は、「制度」や「環境」ではなく、従業員が実際に感じている体験に焦点を当てていることです。
制度や環境は、あるだけで働きがいが高まるわけではなく、
リーダーやチーム、仕事との関係性の中で活かされていくものだからです。
ここからは、モデルを構成している要素を一つずつ詳しく見てみましょう。
① Trust:リーダーへの信頼
モデルの土台となるのが、従業員とリーダー(経営層や管理者層)の間の信頼関係です。
この「信頼」は、さらに次の3つの要素から成り立っています。
1. Credibility(信用)
リーダーが約束を果たし、能力があり、誠実で、正直であること。
言動に一貫性があり、信頼できる存在であることが求められます。
2. Respect(尊重)
従業員を尊重し、大切に扱い、真摯にケアする姿勢を示しているかどうか。
個人を人として尊重する行動が、信頼を築きます。
3. Fairness(公正)
すべての従業員に対して、公正に機会や評価、承認が与えられているか。
偏りのない、公平な扱いが信頼の前提となります。
GPTWは、この3要素を一貫して体現することが、信頼の土台であるとしています。
② Pride:仕事・会社への誇り
働きがいのある会社では、従業員は自分の仕事や会社に誇りを持っています。
人は次のような状態にあるとき、その人にとっての仕事が「単なる職務」ではなくなります。
自分の仕事が意味のあるものだと感じられる
組織や社会に価値を生み出していると実感できる
このような体験が、仕事への深い意味づけや目的意識を生み、
モチベーションの向上や組織へのコミットメントにつながります。
③ Camaraderie:チームの連帯感
チームで連帯感を持てるかどうかも、非常に重要な要素です。
「働きがいのある会社」で働く人は、同僚のことを単なる同僚ではなく、
「友人」や
「家族のような存在」
と感じていることが多いとされています。
こうした強い絆の元にある関係性は、イノベーションの加速、組織への結びつき(エンゲージメント)の強化といった効果をもたらします。
For All-働きがいは“すべての人に”一貫していなければならない
そしてもうひとつ、GPTWモデルの大きな特徴であるのが、
「For All(すべての人に)」
という考え方です。
働きがいのある体験は、
職種
役割
属性
勤続年数
働く場所
といったあらゆる立場に関係なく、すべての従業員に一貫して提供されていなければならないと我々は強調しています。
一部の人だけが良い体験をしている状態は、「働きがいのある会社」とは言えません。
For All means everyone.
これが、GPTWモデルの前提です。
働きがいのある会社づくりは、従業員体験を見つめ直すことから始まる
いかがでしたでしょうか?
GPTWモデルが示しているのは、「理想的な職場像」ではありません。
世界中の従業員の声から導き出された、働きがいの本質です。
読者の皆さんが、
過去に強い働きがいを感じた瞬間。
あるいは、モチベーションが著しく損なわれた瞬間。
それらを振り返ってみると、今回ご紹介した5つの要素とリンクする部分があるのではないでしょうか。
信用、尊重、公正、誇り、連帯感。
そしてそれらの要素があらゆる立場の人に一貫していること。
このモデルを元に従業員体験を見つめ直すことが、
働きがいのある会社への第一歩になります。
今後のコラムでは、それぞれの要素を高めるための具体的なアプローチもどんどん紹介していきます。
是非、お楽しみに!
