🏠第4話🏠 家づくりの見方が変わった日〜夫がお風呂に恋をした〜
何社か話を聞く中で、
「この人は頼りになりそうだな」
と思った営業さんがいた。
説明は分かりやすく、質問にも丁寧に答えてくれる。
家づくり初心者だった私たちにとって、とても心強い存在だった。
その営業さんに勧められて参加したのが、住宅設備や家づくりについて学べるイベントだった。
こうしたイベントに参加するのは初めて。
会場に着いた瞬間、
「すごい……!」
と圧倒されたのを覚えている。
キッチン。
トイレ。
外壁。
家づくりに関するものがずらりと並んでいた。
でも当時の私たちは、まだ何も分かっていなかった。
キッチンの違いも分からない。
外壁の違いも分からない。
何を見れば良いのかさえ分からない。
そんな状態だった。
それでも、一つだけ夢中になった場所があった。
家の性能について説明してくれるブースだった。
断熱性能。
耐震性能。
構造の違い。
今ではよく聞く言葉だけれど、当時の私は初めて聞くことばかり。
説明を聞くたびに、
「へぇーーー!」
の連続だった。
今振り返ると、この頃から少しずつ家づくりの見方が変わり始めていたのかもしれない。
それまでは、
「どんな家が好きか」
ばかり考えていた。
でもこの頃から、
「どんな家が安心して長く住めるのか」
にも興味を持ち始めた。
家づくりが、見た目だけではなくなった瞬間だった。
ただ、イベントで一番盛り上がっていたのは夫だった。
あるお風呂を見つけた瞬間、
「これ、めちゃくちゃいい!」
と目を輝かせていた。
私は正直、
「へぇ、素敵だね」
くらいの反応だったのだけれど、夫はかなり気に入った様子。
その後もしばらく、
「あのお風呂良かったなぁ」
と言っていた。
一方の私は、
「いくらするんだろう……」
と現実的なことばかり考えていた気がする。
同じものを見ていても、夫婦で見ているポイントが全然違う。
それも家づくりの面白さだった。
その会社とは何度か打ち合わせを重ねた。
担当者の方も本当に素晴らしかった。
それでも最終的には別の会社を選ぶことになる。
理由はシンプルだった。
家づくりについて学べば学ぶほど、自分たちが大切にしたいことが少しずつ見えてきたからだ。
良い会社だった。
良い担当者さんだった。
でも、それと「自分たちに合うか」は別だった。
家づくりを始めてから、そんなことを何度も学んだ気がする。
そして、この頃にはもう一社、私たちの価値観を大きく変えるハウスメーカーとの出会いも始まっていた。
その話は、また次回。
